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こんにちは、大原です。
今回は、「三十八.胎前ニ針スル大事(たいぜんにはりするだいじ)」です。

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<読み>

姙婦十箇月の内、種種様様の煩い出る物なり。
加様の時、相傳を知ざる針醫は多く禍(あやま)ち有り。
よく是(この)教えを守り、針すべし。

扨(さて)、針の立様は何様(いかよう)の病と云えども、
鳩尾の少下の真中、鳩尾の両廉(かど)、両の脾の募、両の肺先に針して、
諸の病い愈(い)ゆる少しも疑い無し。
何(いず)れの理を以て加様に療治すると云う理、最も秘事なる故畧(りゃく)す。
印可(いんか)の上ならでは此の療治免(ゆるすこと)無し。

意味としては、
妊娠してからは様々な身体の不調が出てくるものである。
このようなとき、相伝(師事して知ることができる奥義)を知らない鍼医は
治療において誤ちを犯してしまう。
よくこの教えを守って鍼治療をすべきである。
さて、鍼のしかたは、どのような病・不調であろうと、
鳩尾の少し下の真ん中、鳩尾の両角、
両方の脾の募、両方の肺先に鍼をして、病が癒えることは疑うことが無い。
どのような治療の考え方によって病が治っていくかというのは
秘密事項であるためここでは記さず略す。
ただ印可(精進した弟子に師が力量の証明を与えること)のみでは
この治療を許可することは無い。
となります。

鍼道秘訣集もそろそろ大詰めになってきました。
次回は「産後針之大事」についてです。
続きます。


〜Back Number〜
鍼道秘訣集を読む その1 →  鍼道秘訣集序
鍼道秘訣集を読む その2 → 一.當流他流之異
鍼道秘訣集を読む その3 → 二.當流臓腑之辯
鍼道秘訣集を読む その4
鍼道秘訣集を読む その5
鍼道秘訣集を読む その6 → 三.心持之大事
鍼道秘訣集を読む その7 → 四.三清浄
鍼道秘訣集を読む その8
鍼道秘訣集を読む その9
鍼道秘訣集を読む その10
鍼道秘訣集を読む その11
鍼道秘訣集を読む その12
鍼道秘訣集を読む その13 → 五.四脉之大事
鍼道秘訣集を読む その14
鍼道秘訣集を読む その15 → 六.火曳之針
鍼道秘訣集を読む その16 → 七.勝纍之針
鍼道秘訣集を読む その17 → 八.負曳之針
鍼道秘訣集を読む その18 → 九.相曳之針
鍼道秘訣集を読む その19 → 十.止針
鍼道秘訣集を読む その20 → 十一.胃快ノ針
鍼道秘訣集を読む その21 → 十二.散針
鍼道秘訣集を読む その22 十三.鍼不抜抜事
鍼道秘訣集を読む その23 十四.鍼痛
鍼道秘訣集を読む その24 十五.知必死病者習
鍼道秘訣集を読む その25 十六.吐針
鍼道秘訣集を読む その26 十七.瀉針
鍼道秘訣集を読む その27 十八.車輪之法
鍼道秘訣集を読む その28 十九.実之虚 & 二十.虚之実
鍼道秘訣集を読む その29 二十一.実実 & 二十二.虚虚
鍼道秘訣集を読む その30 二十三.知寒気事
鍼道秘訣集を読む その31 二十四.知腫気来事
鍼道秘訣集を読む その32 二十五.瘧観之大事
鍼道秘訣集を読む その33 二十六.膈之針
鍼道秘訣集を読む その34 二十七.中風針之大事
鍼道秘訣集を読む その35 二十八.亡心之針
鍼道秘訣集を読む その36 二十九.丹毒之針
鍼道秘訣集を読む その37 三十.驚風之針
鍼道秘訣集を読む その38 三十一.疳之針
鍼道秘訣集を読む その39 三十二.瘧毋之針
鍼道秘訣集を読む その40 三十三.一之針
鍼道秘訣集を読む その41 三十四.胃氣有無之大事
鍼道秘訣集を読む その42 三十五.三焦腑之大事
鍼道秘訣集を読む その43 三十六.補瀉之大事
鍼道秘訣集を読む その44 三十七.懐胎血塊観分之大事


参考文献:
『鍼道秘訣集』(京都大学附属図書館所蔵)より
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00003559
(掲載画像は該当部分を抜粋)
『弁釈鍼道秘訣集』 緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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