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鍼道秘訣集 「三清浄」の記述(前回の続き)
鍼道秘訣集 「三清浄」の記述(前回の続き)


こんにちは、大原です。
前回の続きをみていきましょう。

過去の記事のリンク
鍼道秘訣集を読む その1

鍼道秘訣集を読む その2
鍼道秘訣集を読む その3
鍼道秘訣集を読む その4
鍼道秘訣集を読む その5
鍼道秘訣集を読む その6
鍼道秘訣集を読む その7
鍼道秘訣集を読む その8

四.三清浄ノスマシ

(前回の続き)

人間ト生レ欲ノナキト云者アラザレドモ重
欲心ヲキラフ也此  ノ雲心中ニツヨキ時ハ心鏡ノ
アキラカナルヲ蓋暗ヲホヒクラマスカ故ニ  ヒ心ノ鏡ニウツミユ
ル事少モナキニヨリ生死病証ノ善惡モハキマ
カタヨク炎熾ホノヲサカンナラザル時ハ吾心スミナキクモリ
ノ月明ナル鏡ノ如クナルニ依テ病ノ吉凶生
死ノ 去来 キョライ(サリキタル)善浮ヨクウカミシルル也是  ツ清浄スマシノ第一
也次ニ瞋恚イカル氣心ニアル時ハ前ノ如クマタ心鏡
クラマス是瞋恚イカル氣ノ出ルト云ハヲロカナル意ヨリ
出ルハ元来我ヲ立ルガ故也木火土金水ノ
五行ト陰陽ノ  ツカリ出生ズ皆以テ借物カリモノ
也身ノ中ノ五藏六腑五行ニ配ス  ツノ物ヲ
カリ得タルガ故ニ死期ニノゾミ  ツ  ツモトノ方ヘ
カヘシカレハ我トスベキ物ナシ又タノミヲナシ千
萬年トモヲモフベカラス

(以下、続く)


今回もまだまだ途中ですが、
いったんここで切ります。

原文に句読点などを入れ、
適当と思われるところで改行するなどし、
現代的な読み方にしてみたいと思います。


人間と生まれ、欲の無きと云う者あらざれども、重欲心を嫌うなり。
この欲の雲、心中に強き時は、
心鏡の明らかなるを蓋(おお)い暗ますが故に、病、
心の鏡に移り観ゆる事少しも無きにより、
生死病証の善悪も弁(わき)まえ難し。

欲の炎、熾(さか)んならざる時は、
吾が心清(すみ)て曇無き秋の月明なる鏡の如くなるに依って、
病の吉凶・生死の去来(きょらい、さりきたる)、善く浮みしるるなり。
是三つの清浄の第一なり。

次に瞋恚(いかる)氣心にある時は、前の如く亦心鏡を暗ます。

是、瞋恚(いかる)氣の出ると云うは、
愚かなる意より出るは元来、我を立てるが故なり。

木火土金水の五行と陰陽の二つを借り出で生ず。
皆以って借物なり。

身の中の五藏六腑、五行に配す五つの物を借り得たるが故に
死期に望みて一つ一つ元の方へ返す。
然れば、我とすべき物なし。
又、頼みをなし千萬年とも念(おも)うべからず。


意味を考えてみますと、

人として生まれたからには欲が全く無いという人はいないが、
重い、強すぎる欲は嫌う。
このような欲の心があるときは
心鏡が雲に覆われて、
生死や病証の善悪の判断ができなくなってしまう。
反対に、欲の炎が盛んでないときは心が澄み、
生死や病証の善悪の去来が、まるで浮かんでくるかのように、
判断できるようになる。

同じように、怒る心があると心鏡を暗くしてしまう。
怒る心は、「我」を立てようとする所以である。

「我」とは何か。
人は皆、五蔵六腑という五行に配する物を借り得ている。
その借り得たる物は、
死期に直面すると一つ一つ元の方へ返すようなものである。

そのように考えると「我」とすべき物は、実は無いのである。
また、頼みは、千年、万年も思ってはならない。

という感じでしょうか。

「五行」とは、自然界のあらゆる物事は
五つの要素から成り立つという概念で、
あらゆる物事にはそれを主る星があり(木星、火星、土星、金星、水星)、
地上にある自然界のさまざまな物事は
天である星からの影響を受けるという考えです。
そうすると、五蔵六腑も自分のものではなく、
天からのものであるという考えが
今回の内容に記されているといえます。

続きます。


参考文献:
『弁釈鍼道秘訣集』 緑書房
『漢方鍼灸の治療』 共栄書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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