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こんにちは、大原です。
今回は、「知寒気事(寒気を知ること)」です。
一気に読んでいきましょう。



二十二.知寒気

腹ヲウカカヒ是病人ハ寒氣サムケ来ルベシト此方コナタヨリコトハ
事ハ兩ノ章門ヨリテ邪氣イツル時ニハ萬病ニ
寒氣アリ章門ハ肝經カンケイ也夫肝ハ厥陰風木ケツインフウホク
ルガ故ニ邪氣章門ヨリ出ルトキハ寒風ヲ出ス
ナシウタカヒ邪氣ツヨキ方ノ章門ニ散スル針勝引ノ
針スル時ハ邪退シリソキ寒氣ヤム是妙


現代の読み方にしていきます。

22.寒気を知ること

腹を診(う)かがい、これ病人は寒氣来るべしと
此方(こなた)より断(ことわ)る事は、
両の章門よりて邪氣出る時には萬病に寒氣あり。
章門は肝經なり。
それ肝は厥陰・風木なるが故に、邪氣章門より出る日(とき)は、寒風を出す事疑い無し。
邪氣剛(つよ)き方の章門に散ずる針・勝引の針する時は邪退き、寒氣止む。これ、妙。


意味を考えてみます。

腹の状態を診ているときに、
病人が「寒気を感じる」などと言うのは、
両方の章門(章門穴:現代では、第11肋骨先端にある経穴であり、
ここでは、広くその周辺を指していると思われます。)
から邪気が出ているときには、大抵の病で寒邪が関わっている。

章門とは肝臓の経脈にあるものである。
そのため、肝臓と関わりの深い「厥陰・風木」の気と関わりが強く、
邪気が章門から出ているときは、寒気や風気を必ず出すものである。
治療においては、邪気の強い方の章門に、
散ずる鍼・勝曳の鍼をすると邪気が退いて寒気が止む。
治療の妙である。

となると思います。
続きます。


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鍼道秘訣集を読む その1 →  鍼道秘訣集序
鍼道秘訣集を読む その2 → 一.當流他流之異
鍼道秘訣集を読む その3 → 二.當流臓腑之辯
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鍼道秘訣集を読む その28 十九.実之虚 & 二十.虚之実
鍼道秘訣集を読む その29 二十一.実実 & 二十二.虚虚


参考文献:
『鍼道秘訣集』(京都大学附属図書館所蔵)より
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00003559
(掲載画像は該当部分を抜粋)
『弁釈鍼道秘訣集』 緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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