大阪城天下一の光の芸術祭 | 大阪観光局×ハウステンボス H.Pより
大阪城天下一の光の芸術祭 | 大阪観光局×ハウステンボス H.Pより

こんにちは、為沢です。
冬はイルミネーションが多い季節ですが、
最近流行の3Dマッピングというのが大阪城でもされるみたいで、
見所は、大阪城を割ったり炎上させたりするそうです(※映像上の話です)
興味のある方は是非是非。


ここからは、張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。

今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(下)百五十五章と百五十六章。
百五十五章では前章を受けて、心下痞証に表陽虚証を兼ねる場合の証治について。
百五十六章では、心下痞の証治について詳しく述べております。


弁太陽病脈証并治(下)百五十五章

心下痞、而復惡寒汗出者、附子瀉心湯主之。
大黄二兩 黄連一兩 黄芩一兩 附子一枚、炮、去皮、破、別煮取 
右四味、切三味、以麻沸湯二升、
漬之、須臾、絞去滓、内附子汁、分溫再服。

和訓:
心下痞し、而し復た悪寒し汗出ずるものは、附子瀉心湯之を主る。
大黄二両  黄連一両  黄芩一両  附子一枚、
炮ず、皮を去る、破る、別に煮て汁を取る

右四味、三味を切り、麻沸湯二升を以て、之を漬し、
須臾にして、絞りて滓を去り、附子の汁を内れ、分かち溫め再服す。


心下痞、而復惡寒汗出者、附子瀉心湯主之
「心下痞」の病理は、表邪が心窩に内陥し、
寒熱が錯雑することにより起こる。
しかしいま悪寒・汗出して発熱しないのは
少陰水・火の交流がなされず、真陰の虚衰・本気不足により
寒水を衛陽に気化させることができなくなっているからである。
つまり太陽の本気の寒が外に出現し、
衛陽の外を守る働きが充分に行われないのである。

この場合は、附子瀉心湯で治療を行っていく。
方中の附子は別に煮て汁を使う。
これは真陽を高める作用があり、気化作用を回復させ表を固めていく。
また大黄・黄連・黄金の三昧を沸騰水で煮て滲出させる。
これらの気味の苦寒により
心火と腎水の交流を図り、痞を散じ心下痞を治療していく。

附子瀉心湯

 

大黄
大黄

大黄
基原:
タテ科のダイオウ属植物、

およびそれらの種間雑種の根茎。しばしば根も利用される。


大黄は苦寒沈降し気味ともに厚く、

「走きて守らず」で下焦に直達し、
胃腸の積滞を蕩滌するので、

陽明腑実の熱結便秘・壮熱神昏に対する要薬であり

攻積導滞し瀉熱通腸するため、
湿熱の瀉痢・裏急後重や
食積の瀉痢・大便不爽にも有効である。

このほか、瀉下泄熱により
血分実熱を清し清熱瀉火・凉血解毒に働くので


血熱吐衄・目赤咽腫・癰腫瘡毒などの上部実熱にも用い、

行瘀破積・活血通経の効能をもつために、
血瘀経閉・産後瘀阻・癥瘕積聚
跌打損傷にも適し、
湿熱を大便として排出し清化湿熱にも働くので、
湿熱内蘊の黄疸・水腫・結胸にも使用する。
外用すると清火消腫解毒の効果がある。

 

黄連
黄連

黄連
基原:
キンポウゲ科のオウレン、

及びその他同属植物の根をほとんど除いた根茎。
以上は日本産である。

中国産は同属の川連・味連、雅連・峨眉連、
野黄連・鳳眉連、雲連などに由来する。

黄連は大苦大寒で、寒で清熱し苦で燥湿し、
心・胃・肝・胆の実火を清瀉し、
胃腸積滞の湿熱を除き、

清心除煩・消痞・止痢に働き、
湿火欝結に対する主薬である。


それゆえ、心火熾盛の煩熱神昏・心煩不眠、
肝胆火昇の目赤腫痛・羞明流涙、


胃熱の清穀善飢、腸胃湿熱の
痞満嘔吐・腹痛泄瀉などの要薬である。


また、清熱泄火・解毒にも働くので、

疔毒癰腫・口舌潰瘍・湿瘡瘙痒および
迫血妄行の吐血衄血にも有効である。

 

黄芩
黄芩

黄芩
基原:
シソ科のコガネバナの周皮を除いた根、
内部が充実し、
細かい円錐形をしたものを
条芩、枝芩、尖芩などと称し、
老根で内部が黒く空洞になったものを枯芩、

さらに片状に割れたものを片芩と称する。

黄芩は苦寒で、苦で燥湿し寒で清熱し、
肺・大腸・小腸・脾・胆経の湿熱を
清利し、
とくに肺・大腸の火の清泄に長じ肌表を行り、安胎にも働く。

それゆえ、熱病の煩熱不退・肺熱咳嗽・湿熱の痞満・
瀉痢腹痛・
黄疸・懐胎蘊熱の胎動不安などに常用する。

また瀉火解毒の効能をもつので、
熱積による吐衄下血あるいは
癰疽疔瘡・目赤腫痛にも有効である。

とくに上中二焦の湿熱火邪に適している。

 

附子
附子

附子
基原:
キンポウゲ科のカラトリカブト、
その他の同属植物の子根。

加工・炮製して利用することが多い。

附子は辛熱壮烈であり、
「走きて守らず」で十二経を通じ、


下焦の元陽(命火)を峻補して裏の寒湿を除き、
皮毛に外達して表の風寒を散じる。

それゆえに亡陽欲脱の身冷肢冷・大汗淋漓・
吐利不止・脈微欲脱てんなどには回陽救逆し、
腎陽不足の陽痿滑精・腰膝冷弱には補火壮陽し、
脾腎陽虚・陰寒内盛の心腹冷痛・吐瀉転筋には温裏散寒し、
陽虚不化水湿の身面浮腫・腰以下種甚には助陽行水して冷湿を除き、
風寒湿痺の疼痛麻木には祛風散寒止痛し、
陽気不足の外感風寒で
悪寒発熱・脈沈を呈するときは助陽発表する。

このほか、補益薬と用いると
一切の内傷不足・陽気衰弱に使用できる。

提要:
前章を受けて、心下痞証に表陽虚証を兼ねる場合の証治について。

訳:
心下が痞満し、しかも悪寒して汗が出ている場合は、附子瀉心湯で治療する。
大黄二両 黄連一両 黄芩一両 附子一個、炮じる、皮を除く、裂く、別に煮て汁を取っておく
右の四味は、三味を刻んで、たぎった湯二升に、こえらを浸し、しばらくおいて、
絞って滓を除き、そこに附子を煮て取った汁を入れ、二回に分けて温服する。


弁太陽病脈証并治(下)百五十六章

本以下之、故心下痞、與瀉心湯。
痞不解、其人渇而口燥煩、小便不利者、五苓散主之。
忍之一日乃愈。

和訓:
本之を下すを以て、故に心下痞するは、瀉心湯を与う。
痞解せず、其の人渇して口燥煩し、小便利せざる者は、五苓散之を主る。
之を忍んで一日乃ち愈ゆと。


本以下之、故心下痞、與瀉心湯
本来攻下法を行うべきでないのに誤って攻下法を行ったために
邪気が内陥して心下部がつかえて膨満し、
寒熱の気機の昇降が乱れるようになった。

痞不解、其人渇而口燥煩、小便不利者、五苓散主之
瀉心湯を服用しても、意に反して除かれず
口渇、煩躁、小便不利など五苓散証が出現するのは、
もともと膀胱の気化作用が弱く下焦に蓄水して、
三焦の気機が失調しているからで、これにより水は気化されず、
津液も巡らされないために出現している。
この場合は五苓散で化気・行水・水腑・水道の通利、
気布津行を行って気機を調節し、

回復させれば痞は自然に消えていく。

五苓散
こちらを参照→【古医書】傷寒論を読む: 弁太陽病脈証并治(中)七十章・七十一章

提要:
心下痞の証治について。

訳:
本来は、攻下した結果、
心下部の痞満がおこったものに、瀉心湯を投与する。

服用してもなお痞証がとれず、
患者は口渇し、口舌乾燥していらいらし、

尿利が減少している場合は、五苓散で治療する。
別本では、一日我慢すれば癒えるとある。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here