マンスリーアーカイブ 2月 2007

現代医学に問う

私は、前にも書いたが、ハムスターを飼っている。 もともと動物を飼っても、その動物の本来の生き方をさせてやることは 出来ないので、動物にとっては不幸せなことなのかもしれないと思い、 飼わないことにしていたのだが。 ふとしたことで飼うことになったのである。 小さな生命と触れ合って気付くこと。 それは、彼らも生きているというまぎれもない事実。 人と同じように甘え、人と同じようにスネたりする。 今では、いってらっしゃいとお帰りをしてくれるようになった。 (腹をすかして、甘えると私がすぐに甘やかしておやつをあげてしまうだけかもれない笑) 一昨日、仕事から帰宅すると丁度、脊髄損傷をどこまで治すことが出来るかという 特集?再放送番組?がやっていた。 そこで、脊髄損傷を起こしたラットに対して、あることを行ったケースと しなかったケースとの比較をしていた。 おそらく彼らはこういうラットを何百匹も作り出してきて、そして殺してきたのだろう。 人類の病の克服という題目の下で。 脊髄を損傷されたラットは、恨めしそうな顔で下半身を引きずっている。 実験の有効性を誇らしげに報告する研究者。 これを見たとき、なんとも怒りがこみ上げてきた。 人類は神にでもなったつもりだろうか。 今の医学は理論で医療を進めていく、この理論でいけば治るはずである、と。 そこで出来上がった法則をさて現場で使うかというと、そうではない。 動物で実験して検証する。研究データを取る。 そこでまた、理論を再構築していくのだろう。 これ。よく考えると、まさしく経験医学と言えるのではないだろうか。 西洋医学は理論的で、 東洋医学は感覚的な経験医学であると言われるが、 果たしてどうだろう。。 全く違うぞ。 ラットで経験を積んでいるだけで、それを生命としても扱わず、経験としても 意識していないだけではないか。 小動物の死は経験とも言えないのか。ただのモノか? 結局のところは経験医学ではないか。 理論を何よりも掲げるのであれば、理論であがった段階でそれを医療の現場に使えばよい。 何故に、動物実験をする。 ラットも生きている。人と同じだ。 人類は何様のつもりだ。 結局、理論ではわからないのではないか。 それを認めろ。我々人類の智慧など、自然の営みに比べれば塵にも満たない。 東洋医学は、目の前に病人が現れた場合。 なにをするか。 観察するのである。 徹底的に観察するのである。 顔の形、脈の状態、爪の色、皮膚の色、腹壁の状態、白目の色、目の動き、足運び、経穴の状態、舌の形状、 舌の色、舌の苔の厚さ、その色、乾き具合、声の質、臭い、体形、病歴、などなど。 挙げればきりがない程、徹底的に観察している。 毎日、どのような病気の患者にも同じように観察する。 だから、その病気の患者特有の異常がすぐにわかる。 違和感として我々にすぐに情報が届く。 日々の鍛錬。 とても優しい治療とは言えまいか。 そんな東洋医学を心から私は誇りに思う。 それをデータとしてあがらないから信憑性にかけると 今の医学制度から虐げられている。 どちらが理論的、合理的であるか。 逆に問いたい。たかだか人の搾り出した理論をあげ、 小さなか弱い動物でその理論の信憑性を 確認する。 それで効果の或るものは使う。 それが理論的、化学的と言えるのか。 笑止。 殺され行く動物はなにか。 現代医学の病の研究には、人類の健康のためには そこに多くの 動物達の屍骸が存在する。 忘れてはならぬ。 昨日横で見ていた相方が言った。 「いつか人が同じことをされるかもね。」 「そうかもしれぬ。」 私も答えた。 いつも拍子抜けしたことをいう相方だが、 たまには良いことを言う。 人とはなんとも業が深い。   めねぎ「僕だって生きてます。」   めねぎ「ぐ~たらだってします。」      愛。 以上、上二点 NikonD200+Ai AF Nikkor 50mm F1.4D    下一点 NikonD200 +カールツァイス プラナー T* 50mm F1.4 ZF

『人生の疑問に答えます 』(養老孟司/著 太田光/著 養老孟司製作委員会/編 )

新幹線の中で 『人生の疑問に答えます 』(養老孟司/著 太田光/著 養老孟司製作委員会/編 ) という本を読んだ。 タレントの太田光と養老孟司の対談形式の本です。 表紙はこんなだからナメてかかったが、なかなか良かった。 養老孟司先生の 「創造 独創というのは、 今、自分がいるところの下、足元を掘って掘って突き抜けたところにある。どん底だと思ったらもっと掘れ。 ...創造性や独創性というものは結果から生み出されるものだ」 という意見に非常に共感した。 僕もそう思う。 僕はいつも針のことばかり考えているけど、 そう言えば、アイデアや気付きのある時って言うのは、往々にして暗い夜道で歩いている時だったり、 つらい時だったりする。 環境のせいにしてはならない 環境を見つめて自分の居場所を確認して 然るべき方向に足を踏み出す。 そこに独創への道がある。 予想外のところからヒントを得た。 どんなところからも学ぶことはある。 もう一カ所、読んでいて嬉しくなったところがあります。 「パスツールは、目に見える世界と目に見えない世界では、同じルールが成り立つはずだと頑なに信じた。 そこが凡人との違うパスツールのオリジナリティ-であった と書かれている。 これ、かたや分野が違えども、東洋医学もこれを言っているんですよ。 自然界の法則は、人という小宇宙の法則と同じなのだと。 我々は、体に四季をみて、風や寒や湿や火などの動きを読みます。 違う分野でこの感覚を共有した人に出会ったとき、 僕は歓喜に包まれます。非常に嬉しくなった。 まだ途中までしか読んでませんが、お薦めです。 わかりやすく易しく書いてますが、 視点が鋭い。 読み終えたら、一鍼堂の待合室に置いておきますので、 診療までの待ち時間などに (なるべくないようにしますが) 読んでみてください。

街中のハト

D200 +カールツァイス プラナー T* 50mm F1.4 ZF

汗が出てとまらないもの~汗証~

汗は四季に応じたかき方というものがあり、 夏は、腠理(毛穴)が開いていて、比較的汗がよく出て、 冬は腠理が閉まっているため、汗は比較的 かきにくいのが自然の摂理というものである。 汗は本来しっとりとかくものであって、 汗の出ないもの 汗の出て止まらないものは、異常があると考えられる。 汗は津液(体に有用な水分)の一部であり、 心に属すと古来から言われている。 「汗は心液なり」 「汗血同源」 と呼ばれる通り、 汗も血も体に有用な水分の変化したものであり、 その水分を津液と言う。 汗は陰に属するが、汗を効率よく扇動するのは 陽気の気化作用を必要とするので、 「陰陽、加わりて汗を為す」と言われ、 陰陽が調和してはじめて人は良い汗のかき方をするのである。 したがって、治療には陰陽の調和に大事を置き、 同時に、陰陽の調和の崩れがよく汗の異常を 引き起こすことを述べておく。 東洋医学による汗の分類は次の通りである。 自汗: 昼間でも出る汗。しきりに汗が出る。 体の陰陽のうち、陽気が弱ると起こると考えられています。 盗汗: 夜間に出る汗。 寝ている間に出て、起きると止まっている。 こちらは、逆に陰分が弱ると起こると考えられています。 つまり、体の津液(有用な水分)が枯れて体が渇いている状態です。 脱汗: 大量の汗、あぶら汗や冷や汗。 手足の冷えや、呼吸が弱くなる。 これが進み、危篤状態に出てくる汗を「絶汗」という。 戦汗 :外感病にみられ、悪寒のあとに突然出る汗。 黄汗: 黄疸にともなって出ることの多い黄色い汗。 東洋医学で考えるその原因をここで挙げてみようと思います。 ①肺の弱りによっておこる汗証(肺気不足) 肺は体の表面を守るバリアのような衛気という気を主っています。 これがあるからこそ、人は外邪から身を守ることが出来るのです。 外気の寒さ、湿気、乾燥の気、暑さなどから身を守る能力、これが衛気の力であり、 肺気の力だと言えます。 これが弱ると毛穴が開き、汗が漏れるのです。 症状 〇自汗: 肺気が弱ると出るので、疲労すると余計に肺気が疲れて発汗も出やすくなります。 〇悪風、カゼをひきやすくなる: 毛穴が開き、外邪から身を守れないので、風邪(ふうじゃ)が侵入し易くなります。 治療:益気固表 湯液:玉屏風散、牡蠣散、補中益気湯、人参養栄湯など ②営衛不和 飲食物から、人は気血を生成しますが、 体の作り出す気のうち、虚弱な人が外邪を受けると この営衛のバランスが崩れて汗がもれるとされています。 肺気の弱りとかなり似かよっていますが、弱りが肺に限局されず、 一身の弱りがために営衛そのもののバランスがおかしくなったということでしょうか。 ということは、①では営衛の生成はうまくいっているが、肺気の弱りでうまく散布出来ないと考えられる。 ここは、もう少し研究の余地がありそうです。 症状は、 〇汗が出る、悪風する: 汗が出て、風に当たるのを嫌がる 〇半身に汗が出る: 患側に発汗することが多いようです。 半身不随の後遺症 にこれが多い。 湯液で言えば桂枝湯証にあたるでしょうか。 治療:調和営衛 湯液:桂枝湯、桂枝加竜骨牡蠣湯(桂枝湯証に安神作用を加える。実際、半身不随で営衛不和を起こすものは、経験上、肝や心気が大きく関わることが多いです。) ③一身の陰分(有用な水分)が弱るために起こる汗証(陰虚火旺) 体の陰分が弱ると、相対的に陽が亢進して体に熱がこもる。 これを虚火という。 この虚火が強いと、火が津液(体の水分)を 外におし出すため汗が出る。 人体の衛気は陽性であり(営は陰の性質)、昼間は体表をめぐり、 夜間は体内をめるので、夜間に内部の熱と 衛気の陽性が相まって(両陽相得という) 火の性質が強くなり、「盗汗」が出る。 症状: 〇盗汗: 夜間に出る発汗。起きると止まっている。 〇五心煩熱、微熱が出る: 五心煩熱とは手足の裏、胸中が熱く感じる。 虚火が強くなると夕方に微熱が出る。 〇口渇、便秘を伴いやすい: 陰の消耗によって体の水分が減少する。 治療:滋陰清熱 湯液:知バク地黄丸 ④湿熱の邪が体内でこもって蒸される(湿熱鬱蒸) 飲食の不節制(酒、油、肉、甘いものの過食)や、外から湿邪が侵入することによって 湿が体内にこもり、熱をはらむとこの湿熱になる。 湿があれば汗となって漏れる性質がある。 症状は、 〇手足に汗をかきやすい。 熱とともに上昇すると頭部に汗をかき、 午後や夕方に余計に発汗しやすい という特徴がある。 治療:清熱利湿 湯液:竜胆瀉肝湯、茵陳五苓散

PEACE

今、とある患者の汗が止まらないという症状の 治療で非常に悩んでいる。 一度僕の中でも、まとめて勉強しなおさねばならぬと 強く感じているところ。 のちにまとめ、このブログにのせようと考えている。 僕は、今夜はおいしいものを頂きました。 外食です。 その分がんばろうと思います。 今夜は、とても冷えています。 湿気もあります。少なくとも大阪は。 東洋医学では寒湿の邪が進入し易いと考えます。 よくよく注意してくださいませ。 D200+VR18-200mm

お気に入りのこの一枚。

D200+Ai AF Nikkor 50mm F1.4D

なんとも言いがたい光景 大阪にて

大阪 長居 ライカM3+Elmar35mm T-max100

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