ホーム 2009 12月

マンスリーアーカイブ 12月 2009

鍼を生業として。

政策等により、 目まぐるしくあらゆる業種の制度が 変化しています。 新しく免許が出来たり、 既存の資格でも扱えるものが増えたり減ったり。 規制緩和で学校や資格者を作り過ぎたり。 時代の変化は仕方のないことだけれど、 鍼師として一つ願うことは いつもでも鍼を持って戦いたいということ。 これだけはどうしても守りたい一点。 現場で鍼を持ち、 病治しの実力があれば患者は集まるだろうし 技術がなければ食うにも困るかもしれない。 それでいいんだと思う。 それが僕らの生きる世界なんだと思っている。 制度に守られる必要はない。 ただ 鍼を持ってそれを生業とする者として がんばって治療に臨むことが出来る環境があればこそ その前提があって初めて僕らには技術を磨く毎日が存在する。 何かのシステムの変革で ある日、鍼師として鍼を持って患者の前に立てなくなった時、 僕にはするべきことがなくなってしまう。 一生かけて鍼を極めようと決めています。 だから それだけは絶対に奪わないで欲しい。 めまぐるしく変化する時代の中で そのようなことばかり思案しています。 和菓子屋さんなり伝統芸なり 創業70年、100年と書いてあるのを見て 本当にうらやましく思います。 僕らも死ぬまで鍼を貫かせて欲しい。 心から願います。 願って叶うのなら願い続けます。   林玄一

漢方の効能と鍼灸 No.1

こんにちは、新川です。 鍼灸と漢方の考え方の根本は 非常に類似点が多くあり、 漢方の効能を鍼灸に応用することで さまざまな病に対応することが可能です。 そこで今回は、 漢方薬を解説していきます。 自分の頭の中の散らかっているものを 整理する感覚で 書き綴って参りますので、 分かりづらい文章になっておりますが、 ご容赦下さい。 今回は、葛根湯についてです。 葛根湯 『風邪には葛根湯』 というフレーズでおなじみの漢方ですが、 風邪の症状も様々ですので、 絶対効く! というものでは 当然ありません。 そのような薬があればありがたいですけどね。 さて、ではどのような症状に 効果を発揮するのか? 体の中によけいなモノが入り込んだ結果、 浅い所(太陽)だけにとどまらず、 もう少し深い所(陽明)に入り込んで 胃腸に侵入し下痢の症状が出現したもの。 頚、背中の強張り、無汗、悪風を伴う。 葛根4・麻黄3・桂枝2 生姜3・炙甘草2・白芍2・大棗2 (数字は割合)とあり、中でも 葛根(陽明肌腠の邪を外解し清陽を鼓舞して津液を外達させる) と 麻黄(開表発汗させつよく邪を散らす) の効果が重要となります。 太陽と陽明を開くことで汗とともに邪を散らすわけですね。 以前、葛根湯証と弁証し、 合谷を処方した後に、 汗と共に症状が改善しました。 このように漢方の考え方を鍼灸に応用すると 非常に治療の幅が広がってまいります。 参考文献: 中医臨床のための方剤学:(医歯薬出版株式会社) 中医基本用語辞典:(東洋学術出版社) 臓腑経絡学:(アルテミシア)                    新川

おすすめ書籍No.10 『針灸学[基礎編]』

どうも下野です。 先日、 福井県に行ってきました。 目的は、 解禁されたばかりの松葉カニを 食べることで、 お値段は少し高めでしたが、 味は文句の付けようがない美味しさでした。 地元の方曰く、 これからの時期は更に美味しくなるとのことですので、 みなさんも 一度訪れてみてはいかがでしょうか? ではおすすめ書籍の紹介です。 『針灸学[基礎編]』 天津中医学院・学校法人後藤学園/編集責任 劉公望・兵頭明・平馬直樹・路京華/編集 学校法人後藤学園中医学研究室/訳 東洋学術出版 針灸学 基礎編商品詳細を見る 東洋学術出版より出ております 『針灸学』四部作の一つです。 内容は 中医学の基本的特色・生理観・病因病機・四診・ 弁証・治則治法 となっております。 以前、 中医病因病機学という書籍をご紹介しましたが、 それより初学者向けの書籍です。 しかし、書籍自体は分厚く 内容も充実しております。 僕は学生時代、 学校指定の東洋医学概論の教科書より 分かり易いという理由で、 この書籍でテスト勉強等しておりました。 中医学、東洋医学の基礎が分からないという方は この書籍に書いてあることを図にして 自分なりにまとめて勉強してみて下さい。 では。 下野

経穴解説No.17(足陽明胃経 庫房)

こんにちは為沢です。 先日、京都にある 「梅小路蒸気機関車館」という 日本で唯一の蒸気機関車博物館に行って参りました。 現役を引退した蒸気機関車が 約10台ほど展示してあるのですが その重厚な鉄(くろがね)のボディは圧巻です。 上から下から、内部から マニアの如く写真を撮りました(笑) 車内の計器です。 何の計器かはわかりませんが、 良い雰囲気でしたので載せてみました。 敷地内では、実物の蒸気機関車が 運行されているので、是非乗ってみて下さい♪ はい。 それでは、本題の経穴解説を始めます。 今回は足陽明胃経の庫房(こぼう)を御紹介致します。 足陽明胃経 庫房(こぼう) 「庫」とは、物を蓄えることであり この内部には津血があり、これが乳汁に変化します。 また乳房に近いことから、庫房と名付けられました。 治上気咳逆<資生>とあるように 気逆による咳に効果が得られるため、 肺気の反応が診られる経穴です。 自然気胸の症状が この辺りに痛みを発します。 かく言う、私が過去に 自然気胸で何回か苦しい思いを致しました。 気胸とは 胸腔内で気体が肺を圧迫し、 肺が外気を取り込めなくなった状態であり 吸気時に激痛を生じる症状です。 東洋医学的には 胸脇苦満の症状にあたり 吸気で痛みを発するので 実証である肝鬱気滞の場合が多く 湿痰が原因して気滞を起こすこともあります。 簡単に説明致しましたが どのような状況で痛みが発するか どのような痛みか、八綱弁証を怠らないで下さい。 人為的に深鍼をすることで 気胸を起こすこともあるので 鍼灸師の方は、この辺りの深鍼は禁忌です。 参考文献: 『針灸学』         『中医病因病機学』 東洋学術出版社 『兪穴学』 たにぐち書店 『経絡経穴概論』 医道の日本社  為沢

咳,くしゃみ,鼻水‥岡山県倉敷市の横山様の鍼灸治療体験談

咳,くしゃみ,鼻水でお悩みの 岡山県倉敷市の横山様の鍼灸治療体験談を 公式サイトにアップしました。  

漢方が健康保険で使えなくなる?

どうも林です。 知人の鍼灸師の先生から連絡を頂き 知りました。 11月11日(水)の行政刷新会議の事業仕分け作業で、 医療用漢方製剤(漢方エキス製剤・煎じ薬)を健康保険から 除外する、という案が出されたそうです。 以下のページで署名を募っているようです。 PCから署名→http://kampo.umin.jp/ 携帯から署名→http://bit.ly/kshomei2 西洋医の●の病気にはこの漢方薬といった まったく東洋医学からはかけ離れた 漢方薬の使用方法には疑問を持ちますが、 本当に必要な人にとっては非常に痛い流れですね。

最新記事一覧

人気の記事ランキング

院長のオススメの記事