こんにちは、本多です。
今回は腹證奇覧の記事はお休みして、
前回公開した調胃承気湯を含めた
3つの承気湯について書いていきます。


3つの承気湯とは、瀉下剤の中の寒下剤として用いられる
・大承気湯
・小承気湯
・調胃承気湯

3種の承気湯のことをいう。

「承気」とは
『中医臨床のための方剤学』によると、
「熱結を瀉下して胃気の下行に承順し閉塞を通暢する」
とある。

瀉下剤は、瀉下薬を主体にして大便を通じ
「腸や胃に積滞された裏実を解消する方剤」のことで
八法の内の「下法」に相当され、寒下剤はその内の一つであり
裏熱積滞の実証の場合に、
「積滞を下し実熱を捌く」
ことを目的とする。

寒下剤を処方する際の
注意点がいくつか挙げられる。
①表証が残っており、裏実を形成していない場合は使用しない。
②表証を含んだ裏実の場合、先表後裏、もしくは表裏双解するのがよい。
③老人や大量の出血の後、産後や病後など、正気の虚が深くある場合は、
虚の面に配慮しながら攻補兼施や、先攻後補する。
④妊婦には禁忌。

などがあり、
瀉下剤は胃の気を損傷しやすいので効果があればすぐに中止
する必要がある。

調胃承気湯については
前回『腹證奇覧』の記事で記載しましたので、
次回は小承気湯・大承気湯について紹介します。

腸胃承気湯はこちらを参照→https://www.1sshindo.com/blog/zenith7195/
小承気湯はこちらを参照→https://www.1sshindo.com/blog/zenith7442/
大承気湯はこちらを参照→https://www.1sshindo.com/blog/zenith7730/

※下法
下法には寒下・温下・潤下・逐水の違いがあり、
目的までの手段によって
種類が分けられている。
承気湯類はその中の「寒下」に属される。


参考文献:
『漢方概論』 創元社
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会

画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。


本多

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