下積み修行中の冠木のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。


文学から東洋医学に繋げるの巻《壱》

カフェの扉
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こんにちは、冠木です。
文学を読んでその中の文章や単語から
東洋医学と関連づけられそうなものを載せていきます。
単なる思いつきなのですが、
様々な角度から東洋医学に繋げていければと思います。

今回は、
夏目漱石さんの「坊ちゃん」:角川文庫です。


肝癪(癇癪)
・山嵐はおれに劣らず肝癪持ちだから…
・ただ、肝癪のあまりに…
・一晩寝たらそんなに肝癪にさわらなくなった…
【国語辞典意味】
感情を抑えきれずに相手(所)構わず怒りを一度にぶつけやすい。

【東洋医学】
国語辞典では「癇癪」となっていますが
書籍には「肝癪」と書かれていました。
漢字に「肝」の文字が入っているように、
「怒」は肝の志とされており、
肝は疏泄を主り、陽気の昇発は肝の働きである。
怒は生理活動に好ましくない刺激を与える感情であり、
気血を上逆させ、陽気を過度に昇泄させる。
怒った時に、「頭に血がのぼる」と言われるのもこのためである。

また肝の陰血が不足すると、
肝の陽気の昇泄が過度になるので
少しのことでも怒りを覚えやすくなる。
現代の言葉で表現すると、
「キレやすい」「いらち」などでしょうか。
肝についての詳しい記事はこちら→肝の主な生理機能

癇癪についての症例記事はこちらです。→赤ちゃんの夜泣き、疳の虫 症例集


 癇証
発作的に精神に異常をきたす疾患である。
(小児のひきつけも含む)
驚風、癇癪、癇癖などともいう。
特徴は、発作時に昏倒し、意識不明になり、
両眼がつり上がり、四肢がひきつり、口から泡をふくなど。
意識が回復すれば正常と変わりないが
発作を繰り返すことがある。
*癲癇(てんかん)や熱性の痙攣もこれに含まれる。
*癲
精神が失調する疾患の1つである。
精神の抑うつ、無表情、独り言をいうなどがある。
1.痰火
強い恐れや驚き・酒の嗜好・甘いものや脂っこいものの過食などで、
痰熱が内生したために発生する。
2.風痰
脾虚により痰が生じ、痰が気の流通を阻害して気逆を引き起こし
気の昇降を失調させ、清長が上昇せず濁陰が下降しないために、
痰が清竅を蒙閉して発生する。
3.痰瘀
頭部外傷・鉗子分娩による外傷・周産期の母体の打撲などの既往、
あるいは感情の鬱積による気滞血瘀などにより、瘀血が発生する。
瘀血が脳絡を閉阻すると虚風が生じるので、
発作前に頭痛をともなうことが多い。
4.血虚
癲癇の発作が反復し
長引いて治らないと
心血不足がおこり血虚風動によって誘発される。
5.腎虚
癇が長期的反復したために腎気が消耗する、
先天不足による幼時からの*「胎癇」が反復持続して
精気が消耗したために発生する。
*「胎癇」
生後100日以内の乳幼児に出現する、癇証をいう。
本病の多くは、妊娠中に妊婦が精神的ショックを受け
胎気が損傷したために生じる。

癇証は、突然の驚きや恐れ、
先天的な体質虚弱、
転んだり物にぶつかったりすることなどが原因で
風痰閉阻・痰火内盛・心腎虧虚・気血瘀滞を引き起こし
癲癇を誘発する病証である。
癇証の治療では、生活面のコントロールが重要である。
過労や精神的刺激を避け、
気持ちをおだやかに保つなど、
出来るかぎり発病の誘因を取り除くことが必要である。

五癇
古代の癇証に対する総称であり、
分類法でもある。
五種類の家畜の鳴声と発作時の状態から命名され、
馬癇・羊癇・鶏癇・猪癇・牛癇、
又は、犬癇・羊癇・鶏癇・猪癇・牛癇に分ける。


疳(疳虫)
小児神経症のことをいう。
虫におかされることを意味し、
小児特有の不眠、不機嫌、食欲不振などを起こす。
*五疳ともいい、五臓に対応する疳があるとされた。
現在の小児腺病質、小児神経症、虚弱体質などを総称したものである。

*五疳
心疳(驚疳)…驚きやすく、ひきつける
肝疳…いらいらしてよく怒る
脾疳…食物を食べない
肺疳…肺熱を伴う疳証。
腎疳(急疳)…よくひきつける
いずれも消化不良・栄養状態が悪く、腹が脹満し
四肢が痩せて細く、顔色に艶がない。



参考文献:
『中医学の基礎』
『中医病因病機学』
『中医基本用語辞典』
『[標準]中医内科学』東洋学術出版
『新明解 国語辞典』 三省堂
『鍼灸医学辞典』 医道の日本社
『中医診断と治療 上巻』 燎原書店
『坊っちゃん』 角川文庫

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

冠木

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