<当院でのコロナウイルス対策のご案内>
当院でのコロナウイルスに対する工夫と処置の

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こんにちは、新川です。

「気」について調べていると
以下の一節を目にしました。

『呂氏春秋』季春紀第三 尽数篇に
流れが滞ることによる影響が記されております。

流水不腐,戶樞不螻,動也。
形氣亦然,形不動則精不流,精不流則氣鬱。
鬱處頭則為腫為風,處耳則為挶為聾,處目則為䁾為盲,
處鼻則為鼽為窒,處腹則為張為府,處足則為痿為蹙。

意訳として・・
流れる水は腐らず、戸の枢は虫にくわれることがないのは動いているからである。
形体と気も同様で、
形体が動かなければ精は流れず、精が流れなければ気は鬱滞してしまう。
鬱滞が頭部にあれば腫れものや風となる。
耳にあれば聾となる。目にあれば盲や眼病になる。
鼻にあれば鼻がつまり通じなくなる。腹にあれば張ったり痛んだりする。
足にあれば足の力が萎えきってしまう。

人の身体でいうところの
「気滞」の説明に通じるもので、
「気の鬱滞」が要因となり様々な病変を招くことが記されております。

『呂氏春秋』自体は医学書ではなく、
中国の戦国時代末期に諸学派の説をまとめあげた書物ですが、
館野正美氏によると
『呂氏春秋』の「尽数篇」や「達鬱篇」に関しては、
「万病一毒説」で有名な
古方派の医家である吉益東洞の
医学思想の中核をなしていた
と論文→(『吉益東洞「古書医言」と「医事古言」 両耆の比較、延いては「古書医言」の文献学的特質について』)
の中で考察がなされております。

吉益東洞が医学の理論に留まらず
諸子百家の研究を通して自らの医学理論を形成していったことは、
医家としての視野を広めるために必要なものだったのでしょう。

これらのことから
医学の知識とともに、
医学史や医学思想を知ることが
知識の厚みをもたらすことを学びました。


参考文献:
『気の思想』
『中国医学思想史 もう一つの医学』東京大学出版会

参考URL:
『吉益東洞「古書医言」と「医事古言」 両耆の比較、延いては「古書医言」の文献学的特質について』.館野正美.日本医史学雑誌 第46巻第4号(2000)
http://jsmh.umin.jp/journal/46-4/587-611.pdf

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。


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