<当院でのコロナウイルス対策のご案内>
当院でのコロナウイルスに対する工夫と処置の

ページを作りました。
来院される皆様に関係する内容となりますのでご確認下さい
       ↓
『当院でのコロナウイルス対策ページ』はこちら


こんにちは、新川です。

『診病奇侅』の平人腹形より。

平人の腹を診し覺ゆれば、 病人の腹自ら分るべし、
平人の腹形は蟬肚の如く、下脹を以て無病とす
胃氣通利して、腎氣實する故なり、
又腹の强弱は、
脂膜の多少による、
脂膜少きを弱とし、多を强とす、

脂膜を以て藏府を養へばなり、
仁王の腹の如きを壯實とす、腹を按ずるに、むつくりと滑なるを好とす、
がさつくと不好、日にすかして、うぶげにつや有るものを、血氣盛とす、
三脘平なるを中焦無病とす、按して手を引に、直に脹を實とす、脹の遲を虚とす、
腹皮をつまみ、皮と肉と引付て居るを實とす、
鼠猫などの如く、皮と肉と離れたるを、血氣衰とす、
老人の腹 多は如此なり

(『診病奇侅』医道の日本社 より抜粋 )

こちらの一節は、
江戸時代中期の医師、
荻野元凱おぎの げんがいによるものです。

引用文中、
下脹を以て無病とす」の裏付けとして、
荻野元凱関連の腹診書に目を通したところ
『台洲先生腹候記聞』※1には、「上低下豊
『台州腹診』※2には「上小下大」の記載あり。
また、
三脘平なるを中焦無病とす」に関しては、
『台洲先生腹候記聞』※1にて
三脘平、謂無凸凹、而無動者、是爲胃和、節飲食者」とあり。

以上のことから、
胃氣通利して、腎氣實する」ことの重要性を
一貫して主張していることが分かります。
※この場合の「實」は充実、充満を主に意図するかと思います。

荻野元凱おぎの げんがい(1737〜1806)
→元凱は名。号は台州。奥村良筑に吐法を学び、後に『吐法編』を著す。
その後、吉雄幸左衛門、楢林二代目栄哲のもとで西洋刺絡を学び、
『黄帝内経』の刺絡の技法をもとに『刺絡編』を著した。
朝廷の医官として寛政6年(1794年)に皇子を診療し典薬大允となる。
また一旦医官を退いた後、再び朝廷に仕えて皇子の病気を診察し、その功績で尚薬となった。
他にも『麻疹編』、『温疫余論』、『腹診秘訣』などの著作がある。


《参考文献》
『診病奇侅』医道の日本社

《参考URL》
『診病奇侅 2巻』(京都大学附属図書館所蔵)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00003574#?c=0&m=0&s=0&cv=0&r=0&xywh=-2346%2C820%2C7614%2C2231

『腹診集説』(京都大学附属図書館所蔵)
※1台洲先生腹候記聞 / 渡辺淡著
※2台州腹診 / 荻野元凱(台州)著
腹脈診奥 / 荻野元凱(台州)口授
※1.※2から引用
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00000721

『山脇東門及び荻野元凱とオランダ医学』/Mace 美枝子/日本医師学雑誌 第40巻第2号 p133-153
http://jsmh.umin.jp/journal/40-2/133-153.pdf

アイキャッチ画像:
『腹診集説』(京都大学附属図書館所蔵)
大変参考にさせて頂きました。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here