この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。


太陽病上篇より

6/22(水)

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21条(桂枝去芍薬湯)

太陽病に対して下法を行った場合について述べられている。

太陽病に対して下法を行った場合についての記述が
15条にもあった。
このときは正気の虚の有無が重要な鑑別点であった。
参考リンク:【水曜勉強会 傷寒論 その8】15条「其気上衝」とは

では、この21条の場合はどうだろうか。また、
脈促」「胸滿」とはどのような状態だろうか。

脈促」「胸滿」とは、下法を用いたことによって、
表邪が体表からやや裏に入り込んだ状態ではないだろうか。
すなわち、病位が体表から上焦に移ったのではないか。
内陥し裏に向かう表邪を正気が上焦で食い止めていることで、
脈促、胸滿という状態になっていると思う。

さて、桂枝湯ではなく
桂枝去芍薬湯を用いるのはなぜか。
桂枝湯に配合されている芍薬とは、
解表による発汗を収斂させる目的があるようである。
表邪が体表ではなくやや裏にある今の状況では、
収斂させる作用がマイナスに働いてしまうのではないだろうか。

参考までに、今回の場合よりも
正気の虚が大きい場合は、表邪がより裏に向かうことになると考えられる。
太陰病の記述を参照すると、
やはりそのような記述がある。
この場合は裏虚を補う必要もあることから
桂枝加芍薬湯が用いるとされている。

参加者:下野、新川、本多、大原、小堀


<原文>
21条
太陽病、下之後、脈促胸満、桂枝去芍薬湯主之。

 

 

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