マンスリーアーカイブ 2月 2007

望診~いつから診断が始まるのか~

我々が患者を診るときにいつからその診断が始まっているか。 それは、問診時から? 触診(東洋医学では切診といいます)からでしょうか? 全て外れです。 患者さんが扉を開いた瞬間にその雰囲気をみる。 これを「神」をみると言います。 神とあるので、怪しいことを言っているように聞こえますが、 これは古来から伝えられるれっきりとした診断術なのです。 ストレスの溜まった人には、ストレスの溜まった雰囲気。 胃の悪い人には、胃の悪い雰囲気。 具体的には、姿勢や表情、声の質、歩き方などに如実に現れます。 厳密に言うと、予約をされる時の電話の声を聞いて診断が始まっています。 「五音」と言って、人は、生物は、五臓六腑の状態によって 角、微、宮、商、羽という五種類の音声を奏でます。 これらは立体的に組み合わさって音声を構成しますが、 それを聞き分けることで五臓六腑の盛衰を判断します。 それが、一鍼堂での予約は出来る限りパソコンではなく、 電話で直接声を聞いて予約を取らせて頂いている理由の一つです。 診察券を受付に出すまでに我々は既に診断を始まっているのです。 感覚的にもみなさん、ご家族、ペットの調子が悪いと、 見ていてよく分かるはずです。 我々はそのようなことを毎日、全ての状況で繰り返しています。 ですから研ぎ澄まされ、ある程度 診察室に入るまでに どこが悪いかが分かってきます。 これを望診と呼びます。 伝統的な診断法が4つあり。四診と呼びます。 その始まりが、この望診ですので、 今回は、これを紹介いたしました。

本日の出来事。

東京から大学の教授をされていた先生が治療にいらっしゃっている。 週に一度東京で治療をさせて頂いているのだが、 治療に納得できないことがあり、 大阪に来ていただくことになった。 人当たりの良い方だからでしょか。頭の良い方だからでしょうか。 僕は彼と話しているとどうも話しすぎてしまう。 基本的に鍼灸術はとても集中を要するため、 私は、治療中にほとんど必要以上のことを しゃべらなくなってしまうのですが、 本当は東洋医学のこと、鍼灸のことを話すのはとても好き。 調子の良い時、少し余裕の或る時は、急にしゃべり始める、 語り始めるということがあるようです。 今日もその方から質問をいただいたことで初めて、 なるほどこういう人達はそういう考え方をするのだなぁ。 と、逆に気付かされることが多い。 また、その問いに必死に答えようとすることで、 自分の自然に出た言葉から 自分の考えを 再確認することもあるのである。 そういう意味で、本日は多くの気付きがあった。 そういう気付きは私にとって何事にも変えられない宝物。 先生からも、僕から話したことをいろいろな場所で話していくべき。 いつかきっと芽が出るという旨の指導を頂いた。 とても励みになった。 僕には大きな夢がある。 少しづつ着実に 夢へと向かっていきたい。

今夜の一枚 2.25

    <心斎橋にて>     <雲の隙間から突然光が射す> ライカⅢb+Elmar35mmF3.5

今夜の写真 2.24

    <新幹線>     <霧夜> ライカⅢb+Elmar35mmF3.5

お知らせ

記事「外邪 六淫について」の 六淫のうち「暑」と「湿」を 追加、更新いたしました。

理の落とし穴

理論を理論で固めていくと いつの間にか そこに合理性の欠如が生じる。 理を積み 一度、理を捨て 生の営みを見つめ直す時 全体がよく見渡せる。 そこにこそ、まさに合理性が現れる。 私はまさしく、そこにいたいのである。

図説東洋医学

これから東洋医学を学ぶという学生さんにはこれかな。 その次に以前紹介した『やさしい中医学入門』を読めば わかりやすいですよ。 たくさんお薦め出来る書籍があります。 少しずつ紹介していきます。

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