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一鍼堂一同


こんにちは、為沢です。

今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(上) 十二章と十三章です。
十二章では、太陽中風の証候を詳しく記載し、
さらに太陽中風証治療の基本処方である桂枝湯について述べております。
また、十三章では、太陽病の主治と証について御紹介しております。


弁太陽病脈証并治(上)

十二章

太陽中風、陽浮而陰弱、陽浮者、熱自發。陰弱者、汗自出。
嗇嗇惡寒、淅淅惡風、翕翕發熱、鼻鳴乾嘔者、桂枝湯主之。
方一。
桂枝三兩、去皮 芍藥三兩 甘草二兩、炙 生薑三両、切 大棗十二枚、擘
右五味、㕮咀三味、以水七升、微火煮取三升、去滓、適寒溫、服一升。
服已須臾、歃熱稀粥一升余、以助藥力。溫覆令一時許、遍身漐
微似有汗者益佳、
不可令如水流離、病必不除、若一服汗出病差、停後服、不必盡剤。
若不汗、更服、依前法。又不汗、後服小促其間。
半日許、令三服盡。若病重者、一日一夜服、周時観之、服一剤盡、病証猶在者、更作服。
若汗不出、乃服至二、三剤。禁生冷、粘滑、肉麺、五辛、酒酪、臭惡等物。

和訓:
太陽の中風、陽浮にして陰弱、陽浮は、
熱自ずから発し、陰弱は、汗自ずから出づ。
嗇嗇として悪寒し、淅淅として悪寒し、
翕翕として発熱し、鼻鳴、乾嘔する者は、桂枝湯之を主る。
桂枝三両 芍薬三両 甘草二両 生姜三両 大棗十二枚
右五味を㕮咀し、水七升を以て、微火に、煮て三升を取り、滓を去り、寒温を適え、一升を服す。
服し已って、須臾に、熱稀粥一升余を歃り、以て薬力を助け、温覆すること一時許りならしむ。
遍身漐漐として、微しく汗有るに似たる者益す佳なり。水の流離する如くならしむべからず。
病必ず除かず。若し一服にて、汗出で、病差ゆれば、更に服すること、前方に依る。
又汗せざれば、後服は少しくその間を促し、半日許りして、三服を尽さしむ。
若し病重き者は、一日一夜服し、周時之を観る。一剤を服し尽し、病証なお在る者は、更に服を作る。
若し汗出ざる者は、 乃ち服すること二三剤に至る。生冷、粘滑、肉麺、五辛、酒酪、臭惡等の物を禁ず。


陽浮而陰弱
脈象を言ったもの。陽とは脈の軽取、陰とは脈の沈取を指す。

陽浮者、熱自發
衛陽が邪気と対抗すると、正気が盛んになるため自ら熱を発する。

陰弱者、汗自出
営陰が弱ると、自ら守ることができないため汗が自ら出てくる。

嗇嗇惡寒
嗇嗇とは冷えびえとして縮こまっている様子。
冷えびえして縮こまり悪寒するという意になる。

淅淅惡風
淅淅とは冷水を被ったように、ゾクゾクと寒がる様子。
ゾクゾク寒がり、悪風する様子という意になる。

翕翕發熱
翕翕とは発熱が軽いことを形容している。

鼻鳴乾嘔者
鼻鳴とは鼻が詰まって息がしにくい時に出る音。
乾嘔とは、カラえずきのことで、嘔吐するが何も吐出しない様子。

桂枝湯主之。方一。
桂枝湯が主治する。「主之。方一」とあればこの一方のみが相応ずることを意味する。

方義

桂枝
桂枝

桂枝
基原:クスノキ科のケイの若枝または樹皮。
桂枝は辛甘・温で、主として肺・心・膀胱経に入り、
兼ねて脾・肝・腎の諸経に入り、
辛散温通して気血を振奮し営衛を透達し、
外は表を行って肌腠の風寒を緩散し、四肢に横走して経脈の寒滞を温通し、
散寒止痛・活血通経に働くので、
風寒表証、風湿痺痛・中焦虚寒の腹痛・血寒経閉などに対する常用薬である。
発汗力は緩和であるから、風寒表証では、有汗・無汗問わず応用できる。

芍薬
芍薬

芍藥
基原:ボタン科のシャクヤクのコルク皮を除去し
そのままあるいは湯通しして乾燥した根。
芍薬には<神農本草経>では赤白の区別がされておらず
宋の<図経本草>ではじめて金芍薬(白芍)と木芍薬(赤芍)が分けられた。
白芍は補益に働き赤芍は通瀉に働く。桂枝湯では白芍を用いる。
白芍は苦酸・微寒で、酸で収斂し苦涼で泄熱し、
補血斂陰・柔肝止痛・平肝の効能を持ち諸痛に対する良薬である。
ここでは白芍を用いる。
白芍は血虚の面色無華・頭暈目眩・月経不調・痛経などには補血調経し、
肝鬱不舒による肝失柔和の胸脇疼痛・四肢拘孿および肝脾不和による
腹中孿急作痛・瀉痢腹痛には柔肝止痛し、
肝陰不足・肝陽偏亢による頭暈目眩・肢体麻木には斂陰平肝し、
営陰不固の虚汗不止には斂陰止汗する。利小便・通血痺にも働く。

甘草
甘草

甘草
基原:マメ科のウラルカンゾウ、
またはその他同属植物の根およびストロン。
甘草の甘平で、脾胃の正薬であり、
甘緩で緩急に働き、補中益気・潤肺祛痰・止咳・
清熱解毒・緩急止痛・調和薬性などの性能を持つ。
そのため、脾胃虚弱の中気不足に用いられる。
また、薬性を調和し百毒を解すので、熱薬と用いると熱性を緩め
寒薬と用いると寒性を緩めるなど薬性を緩和し薬味を矯正することができる。
ここでは甘緩和中と諸薬の調和に働く。

生薑
生薑

生薑
基原:ショウガ科のショウガの新鮮な根茎。
日本では、乾燥していない生のものを鮮姜、
乾燥したものを生姜を乾生姜ということもあるので注意が必要である。
生薑は辛・微温で肺に入り発散風寒・祛痰止咳に、
脾胃に入り温中祛湿・化飲寛中に働くので
風温感冒の頭痛鼻塞・痰多咳嗽および水湿痞満に用いる。
また、逆気を散じ嘔吐を止めるため、
「姜は嘔家の聖薬たり」といわれ風寒感冒・水湿停中を問わず
胃寒気逆による悪心嘔吐に非常に有効である。

大棗
大棗

大棗
基原:
クロウメモドキ科のナツメ。またはその品種の果実。

甘温で柔であり、
補脾和胃と養営安神に働くので、
脾胃虚弱の食少便溏や
営血不足の臓燥など心神不寧に使用する。
また薬性緩和にも働き、
峻烈薬と同用して薬力を緩和にし、脾胃損傷を防止する。
ここでは、脾胃を補うとともに
芍薬と協同して筋肉の緊張を緩和していく。
また、生薑との配合が多く、
生薑は大棗によって刺激性が緩和され、
大棗は生薑によって気壅致脹の弊害がなくなり、
食欲を増加し消化を助け、
大棗が営血を益して発汗による
傷労を防止し、
営衛を調和することができる。

・桂枝湯について
解肌発表により邪を除き、
営衛生発の源である中焦を振奮させて、営衛を充実させ調和させる。
主薬は辛温の桂枝で、通陽散寒により風寒を発散して除き、「衛強」を解消する。
酸収の白芍は、益陰斂営に働いて営陰の外泄を止め、「営弱」を防止する。
辛温 の生薑は、辛散により表邪の発散をつよめて桂枝を補助するとともに、
胃気を下降させて止嘔する。甘平の大棗は滋営により白芍を助ける。
生薑・大棗の配合は、脾胃を昇発し営衛を補充し振奮させる。
灸甘草は諸薬を調和すると同時に、辛味の桂枝・生薑とともに辛甘扶陽に、
酸味の白芍とともに酸甘化陰に働き、陰陽を補充して調和させる。
全体で風寒を散じ営陰を斂摂し、営衛を補充・振奮して調和させ、
「仲景郡方の魁たり、すなわち滋陰和陽し、営衛を調和し、解肌発汗の総方なり」と称される。

提要
桂枝湯の主治と証について。


太陽中風証を罹ると、脈象は軽取では浮、沈取では弱である。
脈が浮なので発熱し、脈が弱なので自汗が出る。症状に悪寒、風を嫌う、軽い発熱、
鼻鳴やカラえずきがあれば、桂枝湯を用いて治療しなければならない。
処方を記載。第一法。
桂枝
三両 、皮を除く 芍薬三両 甘草二両、炙る 生姜三両、切る 大棗十二個、裂く
右の五味の、三味は搗き砕き、七升の水で、三升になるまでとろ火で煮て、滓を除き、適寒にしたものを、一升服用する。
服用し終えてしばらくしてから、熱い粥を一升余りすすって、薬の力を助ける。
二時間ほど温かく覆って、全身がしっとり汗ばむようであればよく、流れるほどに発汗させてはならず、そのようにしては病は決して除かれない。
もし一服飲んで汗が出て病が癒えたなら、その後の服用は止め、一剤全部を服用する必要はない。
もし汗が出ない場合は、前法に基づいて更に服用する。
それでもなお汗が出ないならば、服用間隔を少し縮めて服用する。半日ほどの間に、三服を飲み終える。
もし病が重い場合は、昼も夜も服用して、二十四時間観察する。一剤を服用し終わっても、まだ病証があれば、
また薬を作って服用する。もし汗が出ないなら、二三剤まで服用する。生ものや冷たい食品、ぬるぬるした食品、
肉や麺類、刺激物、酒や
乳製品、異臭悪臭のある食品などを摂ってはならない。

 


十三章

太陽病、頭痛、發熱、汗出、惡風者、桂枝湯主之。方二。

和訓:
太陽病、頭痛、発熱、汗出で、悪風する者は、桂枝湯之を主る。方二。


提要
太陽病の主治と証について。

 

 


太陽病に罹って、頭痛、発熱し、汗が出て、
悪風するなどの症状があるものは桂枝湯で治療する。第二法。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

為沢

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