五臓六腑の図説 腎・膀胱、心包・三焦、肝・胆


腎の胼は重さ一斤一両、背の十四椎に附く、
前後臍と平直なり、形石卵の如く色黒紫、
両枚ありて胃下の両旁に当る、腎は本、
水胼なり、分けて言うときは左は陰水とす
右は陽火とす、王叔和が脉経には
右腎を命門として火に属すといへり、
是を水中の竜火に象る、
人の生を受くるとき先づ二腎を生ず。
是に於て左腎の水が肝木を生じ、
肝木が心火を生じ、
右腎の火が脾土を生じ、脾土が肺金を生ず、
故に五臓の根元なり、
作強の官にして技巧を出す、
父母の腎精より子を生ずるゆへ骨髄を主る、
故に一身の力を出す。

膀胱
膀胱の重さ九両二銖、縦の広さ九寸、
溺を盛ること九升九合、下口の広さ二寸半、
かたち袋のごとし、下口ありて上口なし、
背の十九椎に当って腎下の前大腸の側に居、
小腸の下口はすなはち膀胱の上際なり、
水液これより滲入る。
州都の官にして津液を蔵む。
気化するときんば能く出る、
夫れ上口なくして自ら滲み入るは
皮膚に汗の穴あるがごとし、
人の気化するときは通利すること、
たとへば布を以て漉すに塵芥上に止まって
清水は下へ滲るがごとし、
下前陰につらなる、いばりのいづるところなり。

心包
心包絡は心を包む膜なり、
心下横膜の上竪膜の下にあり、
其形細き筋膜ありて絲のごとし、心肺と相連る。
位、相火にして其所膻中に当る、
臣使の官にして喜楽を出す、
夫れ心は神を蔵して臓腑の主君なり、
此を以て其蔵を裸に見はさず、
別に細き筋膜ありて真心の蔵の外を包む絡ひ、
心の衛となり、君火を相るゆへに相火という、
又手の厥陰君火に代って事を行ふ故に手の心主といふ。

三焦
三焦は水穀の道路、気の終始する所也、
上焦は心下下膈に在り、
胃の上口に出で呼吸を行らし、
栄を導き水穀の精気一身に充ち、
膚を薫し毛を潤す、
納て出さず其治膻中にあり、
中焦は胃の中脘に在り臍の上四寸に当る、
水穀を腐熟し、津液を承化して精微と為し、
上肺脉に注ぎ化して血を為す。
下焦は膀胱の上に当る、其治臍下一寸に有、
別に腸を廻て膀胱に注いで滲入す、
出して納ず故に水穀常に胃に並居、
糟粕を成して倶に大腸に下るなり、
謂ゆる此三気水穀を焦乾し清濁を分別す、
故に三焦と名く。
決涜の官にして水道の出る所なり、
脉訣に云く三焦は状なく空しく名もありと。
正伝に曰く、其体脂膜あり腔子の内にありて
五臓六腑の外を包む羅なり。


肝の臓はおもさ四斤四両背の第九椎に附、
その胼、右の脇右腎の前にあり、
其治左にあり、
其色青くして形木の葉のごとし、
凡て七葉、左の脇に垂ること三葉、
右の脇にたるること四葉なり。
七つは少陽の数なり、少陽膽経は肝の腑、
五行にては木に属するゆへなり、
其系上、肺を絡ふ出入の口なし、
将軍の官にして謀慮を出す胼なり。


膽の府は重さ三両三銖その象ち瓠のごとし、
肝の朕葉の間に蔵れ居る、
背の第十椎に附く、精汁を包むこと三合、
その精汁味ひ苦し、苦きは火に属す、
膽は肝の府にして木に属す、
木の味は酸して反て膽汁の苦きは何となれば、
火は木より生ず、
かるがゆへに膽中に火を孕んで其汁苦し、
精汁とは水穀の精液也。
又水穀の穢濁たるものは受けず、
故に中正の官にして物をさだめ、
決断することを主る、
又出入の口なし故に吐下を忌む。

(鍼灸重宝記より)

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here