下積み修行中の冠木のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。


こんにちは、冠木です。
わたくしごとですが、先日鍼灸学科へ入学し、1年生となりました。
一鍼堂へ来て、1年が経とうとしています。
長いようで早かった1年でした。
これからの3年間は、鍼灸学生として頑張っていきます。


人参
人参

[処方用名]
人参/野山人参/野山参/園参/養参
朝鮮人参/高麗参など

[基原]
ウコギ科
加工調整法の違いにより種々の異なった生薬名を有する。

基原植物は朝鮮半島の長白山脈あたりと考えられるが、
昔は中国東北部から華北の山西省あたりまで
分布していたようである。
現在の中国に野生はほとんどなく、
庶民にとっては幻の薬であった。

[性味]
甘・微苦/微温

[帰経]
肺/脾


[効能と応用]
①補気固脱
●大病・久病・大出血・激しい吐瀉などで
元気が虚衰して生じるショック状態で脈が微を呈するときに、
単味を大量に濃煎して服用する。

●亡陽で四肢の冷え・自汗などを呈するときは、附子・乾姜などと使用する。
[方剤例]
参附湯(じんぶとう)
〈組成〉
人参・炮附子
〈主治〉
陽気暴脱
手足の冷え・冷汗が止まらない・呼吸が微弱・脈が微弱など
〈病機〉
陽気がまさに脱衰しそうになったショック状態である。
*回陽救逆剤
心腎の陽気衰微による内外の倶寒の陰寒証に適用し、
陰寒内盛によって生じる陰盛格陽・載陽などの真寒仮熱にも用いる。


②補脾気
●脾気虚による元気がない・疲れやすい・食欲不振
四肢無力・泥状〜水様便などの症候に、
白朮・茯苓・炙甘草などと用いる。

●気虚下陥による内臓下垂・子宮下垂
脱肛・慢性の下痢などの症候に、
黄耆・紫胡・升麻などと使用する。

[方剤例]
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
〈組成〉
黄耆・炙甘草・人参・当帰・陳皮・升麻・柴胡・白朮
〈主治〉
●気虚下陥

元気がない・疲れやすい・動くと息切れがする
四肢がだるく無力・立ちくらみ・頭痛・眩暈など

●気虚発熱
発熱・体の熱感・自汗・悪風・口渇があり熱い飲食を欲する
息切れ・元気がない
〈病機〉
脾気が虚して気機が宣発できずに下陥し、
昇拳と固摂が無力になった状態である。
*補気剤
気虚を改善する方剤で、益気剤ともいう。
常用の補気薬は人参・党参・黄耆・白朮・炙甘草などである。


③益肺気
肺気虚による呼吸困難・咳嗽・息切れ(動くと憎悪する)
自汗などの症候に,
蛤蚧・胡桃肉・五味子などと用いる。

[方剤例]
人参蛤蚧散(にんじんごうかいさん)
〈組成〉
蛤蚧・杏仁・炙甘草・人参・茯苓・貝母・桑白皮・知母
〈主治〉肺気虚兼痰熱
慢性の咳嗽・呼吸困難・粘稠な黄色痰あるいは膿血痰
胸が暑苦しい・顔面の浮腫など
〈病機〉
長期にわたる咳嗽で肺気が不足し、
肺気上逆とともに子病及び母による
脾虚生痰・化熱をともなった状態である。


④生津止渇
●熱性の気津両傷で高熱・口渇・多汗
原気がない・脈が大で無力などを呈するときに、
石膏・知母などと用いる。

●気津両傷による元気がない・息切れ・口渇
皮膚の乾燥・脈が細で無力などの症候に、
麦門冬・五味子などと用いる。

[方剤例]
加減復脈湯(かげんふくみゃくとう)
〈組成〉
炙甘草・生地黄・生白芍・麦門冬・阿膠・麻子仁
〈主治〉肝腎陰傷
微熱・手のひらと足の裏のほてり・口乾・動悸・元気がない
聴力減退・舌のこわばりなど
〈病機〉
湿熱病の後期で、湿熱の邪が肝腎の陰血および
真陰を消耗し虚熱内盛になった状態である。
*補陰剤
陰虚に対する方剤であり、
滋陰剤・養陰剤・育陰剤・などとも称する。
陰虚が悪化あるいは、持続すると
真陰(命門の陰)も不足する。

●消渇証の口渇・多尿に、生地黄・麦門冬
天花粉・山薬などと使用する。


⑤安神益智
気血不足による心神不安の不眠・動悸・健忘
不安感などの症候に、
竜眼肉・茯神・遠志などと使用する。


⑥その他
血虚に対し補血薬と用いて益気生血し、
陽虚に対し補陽薬と使用して益気壮陽し、
補血・壮陽の効果を強める。
正虚の表証や裏実正虚に、
解表薬や攻裏薬とともに少量を使用する。

【まとめ】
人参は甘・微苦・微温で、脾肺の気を補い、生化の源である
脾気と一身の気を主る肺気を満たすことにより、
一身の気を旺盛にし、大補元気の効能を持つ。
元気が満たされると、益血生津し安神し智恵を増すので、
生津止渇・安神益智にも働く。
そのため、気血津液の不足すべてに使用できる。

【使用上の注意】
陰虚陽亢の骨蒸潮熱・肺熱の痰多気急咳嗽
肝陽上亢の頭眩目赤・火鬱内熱などには禁忌。

*陰虚陽亢
身体の精・血・津液が消耗することにより、
陰が陽を制することができなくなること。
陰虚(陰不足)になると陽を抑えることができなくなり
陽の勢いが強くなり、
陰液をいっそう消耗させる。
火と水で例えると、
水の量が減り、火の勢いが強く水で鎮火できなくなる。

*肝陽上亢
肝腎陰虚により陰が陽を制御できなくなり
肝陽が勢いを増す状態。

このように陰が不足し陽が勢いを増している状態では、
さらに陽が強くなってしまうため使用してはならない。


参考文献:
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『中医臨床のための中薬学』
『中医臨床のための方剤学』 神戸中医学研究会
『読みもの 漢方生薬学』 たにぐち書店

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

冠木

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