九鍼之図説より

鍼経に云く九鍼の宜く各もちゆべき所あり、
長短大小各々施す所あり、其用を得ざれば病らず、
病浅くして針深ければ良肉を傷って皮膚癰をなす、
病深くして針浅ければ邪気かへって後に大病を生ず、
病小にして針大なれば気泻することはなはだしく元気を傷る。
病大にして針小なれば病気漏れずして針その宜しきを失ひ
病気泄れずして針その宜しきを失ひ亦敗をなす。

今日本にもちゆるは、ぢく八分、ふとさ麦の茎ほどにし、
先を三角にして管に入れてはぢく、
腫物の血膿をとり又日腫に痃癖に刺して血をとる、
又邪気あつまり痛をなすとき刺して血をとれば邪気去ってすなはちよし、
俗に三稜針といふ。

(『鍼灸重宝記』より)

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