12月27日(水)

(141条)
病在陽、応以汗解之。
反以冷水潠之。若灌之、其熱被劫、不得去、彌更益煩、肉上粟起、
意欲飲水、反不渇者、服文蛤散。
若不差者、与五苓散。寒実結胸、無熱証者、与三物小陥胸湯。
白散亦可服。

条文の内容としては以下のようになる。
病が「」(表裏でいうと表)にあれば汗をかかせて治すべきで、
熱を冷ますために冷水をあびせて治そうとすると熱がこもってしまい、
煩が強まり、とりはだが立ち、
水を飲みたくなるが口は渇かないという場合は、
文蛤散(ぶんこうさん)を服す。
もし癒えなければ五苓散を与える。
寒邪による結胸で熱証の無い場合は三物小陥胸湯を与える。
白散も服すと良い。

口渇については、以前に五苓散の証(71条)あたりで議論になった。
臨床において、口渇があるかどうかは
問診で確かめることができない場合が多く感じ、
課題である。

文蛤散とは蛤(ハマグリ)の殻一味だけで作られる方剤であり、
表在の鬱熱を消し、皮下の結水をめぐらせ、
表の水熱互結の証を治す効果がある。
すなわち、冷水をあびせて熱をこもらせてしまったものを
発散させるという治し方である。
これで治らなければ、表の問題だけでなく、
胃気の問題を解決する五苓散を与える。

類聚方広義によると、条文中の「文蛤散
「文蛤湯」ではないかと書かれている。
「文蛤湯」は、大青竜湯(麻黄、桂枝、炙甘草、杏仁、生姜、大棗、石膏)から、
桂枝を除いて文蛤を加えたものであり、発汗を促して、表の寒熱を取り去る。
金匱要略には、文蛤散と文蛤湯がそれぞれ記されており、参考にすべきであろう。
(金匱要略
消渇小便利淋病脉證并治 第十三より 「渇欲飮水不止者、文蛤散主之。
嘔吐噦下利病脉證治 第十七より 「吐後、渇欲得水、而貪飮者、文蛤湯主之。」)


参加者:下野、新川、大原、盧

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