鍼灸科と鍼灸マッサージ科の選択について【相談No.1】

2012年3月4日

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【タイトル】鍼灸科と鍼灸マッサージ科の選択について

【相談日】2012年3月4日

【相談内容】
こんばんは。私、
今年の４月に鍼灸学校への入学を考えているHと申します（東京の東洋
鍼灸専門学校を検討しています）。方針としては、鍼灸のみでやっていく意思なので
すが、現在いくつかの点で、鍼灸科と鍼灸マッサージ科とどちらにするか迷っている
状況です。それについてアドバイスをいただければと思い、連絡を致しました。

?手をつくることに関して
鍼灸師もあんま十年ということばがあると知り、実際に開業されている方にお話を伺っ
たら、少しでもたくさん揉んでいくことで手の感覚が養われるから、鍼灸だけをする
にしてもあはき師の資格を取り少しでも揉む経験を積むことが大切と強く言われまし
た。鍼灸師としての手をつくる上で、本当に鍼灸マッサージ師として揉むことが本当
に必要なことなのでしょうか。
マッサージの方が需要がある上に、それによるリラクゼーションで紛らわすことが少
なからずできると思うので、それが逃げの手段になり鍼灸の技術が向上しないことは
したくありません。

?選択肢の一つとして、鍼灸ではなくて、あんま・マッサージ・指圧だからこその長
所はあるでしょうか。
例えば、私の将来の展望として、ターミナルケアも一つの選択肢として考えています。
このような施術に関しては、マッサージなどの触れるという行為がより大きな意味を
もつと思っています。その意味で、あはき師としてやっていくことの価値が一つある
のではと考えています。

?生計を立てることに関して
最低限のセーフティネットを考えておくと、あはき師を持つことが絶対ということを
度々耳にしました。結局は自分次第なのは承知しておりますが、現実を知っている一
鍼灸師として、率直なご意見を聞かせていただければと思います。

以上三つになります。もし、鍼灸マッサージ科を考えるのであれば来年度の応募で考
え直さなくてはいけませんし、この３月に大学を卒業することもあり、一つの岐路と
して後悔ない決断をしたいと思っています。
お忙しいとはお思いますが、どうかよろしくお願いします。

【回答】
鍼灸専科かマッサージ併用か。

まず、
手を作る事に関しては本人がやる気になれば
どのような環境にあっても同じです。

お悩みの根本をお話しすると、

【免許の種類について】
①鍼灸一本で行くのか
②按摩一本のプロになりたいのか。
③慰安的な憩いの場で多くのサービスを提供する方向で行くのか

①、②であれば
看板は一つで十分です。
①ならば鍼師で結構。まあ、あんま・マッサージ・

指圧師を持っていても
問題はありませんが、使う事はないのかな、と思います。
②であればあんま・マッサージ・指圧師を取れば良い、
それだけ取得は無理かも知れませんので、
仰られる鍼灸マッサージ科が該当するかと思います。
③ならば鍼灸師とともにあんま・マッサージ・指圧師を取るのが有利でしょうね。
相談内容にもあります、ターミナルケアというのであれば、
やはり持っていて損はないのでしょうが。

【生計を立てる事に関して】
生活のために多くの免許を持っていた方が
有利であるのではという問いが通用するのは、③の道に進んだ場合でしょうね。
①、②の場合は技術屋ですので、はっきりと申しまして技術力です。
あとは、売り方という側面もありますが、
どのように売っても売っている商品が悪ければ意味がありません。
一生懸命、患者に選んでもらえるように技術を習得するしかありません。

お悩みの内容を見ると、
方向性と、
生活など、複数の要素が絡んで訳がわからなくなってしまいますので、
まずは、
どうなりたいか。
そこから、生活の事を考えられるのがいいのではないかと思います。
どのみち、儲かるような仕事ではないので、
誇りを持って生涯進めるものを選んで欲しいです。
生活はその先についてきます。

アドバイスとしては、
社会の流れとして、鍼灸師やあんま・マッサージ・指圧師になりたい。
なれば安泰と考えておられる方も多いかもしれませんが、
実際には免許持ちが大勢溢れていますので、
余っている状況です。
また、鍼灸の学校に入り、
専門的な勉強をしても。
一クラス、30人いても、
鍼だけで進む者はその中に1人いるか、いないかというのが現実です。
その中で食える鍼師がどれだけいるのかは、
そう多くないです。
他の方は多くが、美容業界や整形外科や接骨院、病院勤務の道を選ぶようです。
それが現実です。
学校はそのような現状を示してはくれません。
しかし、そんな中にありながらも
鍼師になることは一生修行ですのでやりがいがあります。
本当に苦しく楽しい仕事です。
自分の生涯をかける技術屋になりたいのならお勧めする業界ですが、
この先の食いぶちを求めるというのであれば
全く割に合わない仕事と言えるかも知れません。