下積み修行中の木村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


嗜睡

嗜睡とは、昼夜にかかわらず知らないうちに眠ってしまい、
精神的に非常に疲労を感じる症状をいいます。
多寐 ・多睡眠ともいいます。
嗜睡は神昏とは異なるものであります。
神昏は神志不清・人事不省のことをいいます。
嗜睡は神志ははっきりしていますが、
精神不振でしばしば眠ってしまい、
呼べば目を覚ましますが、目覚めた後もまた眠くなってしまいます。
嗜睡の病機は、常に痰湿が内で盛んになり陽虚によって主に陽気が損傷して
陰が盛んになったことによります。
嗜睡に伴う、頭がフラフラと重い・胸悶・上腹部のつかえ・体や四肢が重く感じるという症状は、
痰湿が盛んになったことや清陽がのぼらない事によって起こるものであります。
食後に眠くなり、疲労倦怠感・食少・納呆を伴うときは、
中気が不足し脾 の運化機能に異常をきたしたことによる場合が多いです。

※大病の後、陰陽は回復したがまだ静かに眠っていたくて、
目覚めた後は気分はスッキリするといった症状もありますが、
これは嗜睡とは別のものであります。
※精神が極度に疲労し、意識も朦朧として、だるくて睡気を催しすぐ眠ってしまう・
四肢の冷え・脈が弱いなどが現れている場合は、心腎の陽が虚し
神が温養されないために起きていることが多いです。
この証は嗜睡には属さず、軽度の昏迷状態に含まれます。
また大病の後に精神が疲労して起こる嗜睡は、
正気が完全に回復していないことの表れであります。

湿困脾陽

<症状>
身体がだるくて眠い・頭がしめつけられるように重い・四肢が重だるい
食欲不振・上腹部が張って苦しい・口が粘る・口渇がない・
軟便・下腿の浮腫・舌苔白膩 ・脈は濡緩

<解説>
湿は陰邪であり粘っているので、それが滞留すれば、
気機を阻害し、清陽を覆い、そのために陽気の昇発・散布・温煦・動きまわる、
という機能が失われます。
また湿邪が清陽を覆うという病変は、単一の病変ではなく、
湿気によるその他の病気が共存しています。
それは外湿である雨にうたれる・水中を歩く・湿地で生活する・
生ものや冷たい物を過食するなどの外因や、
脾虚による内湿で、湿邪が脾陽を障害することによって発生します。
特徴は、嗜睡とともに湿邪による陽気阻滞の症状をともなうことで、
頭がしめつけられるように重い・四肢が重だるい・腹が張って苦しい・軟便・
甚しければ下腿の浮腫などがみられ、舌苔も白膩 を呈します。
≪血症論≫で
「身体沈重し、倦怠嗜臥するものは、すなわち、脾経に湿あるなり」
と述べているとおりであります。
湿が長期間停滞して痰を生じ、痰が清陽を阻害すると、
嗜睡はさらに顕著になります。
治法は温中化湿であります。

心脾両虚

<症状>
倦怠感・いつも眠い・顔色につやがない
食欲不振・泥状〜水様便
動悸・息切れ
女性は月経不順があり、経血のの色がうすく量が多い
舌質は淡で嫰・舌苔は白・脈は細弱

<解説>
≪雑病源流犀燭・不寝多寝源流≫より
「多夢は、心脾 病むなり、一は心神の混濁により、自首することあたわず、
一は心火の虚衰により、土を生じて健運することあたわず」
とあるが、多くは病後の消耗・思慮過度・飲食不節・出血などにより
心血の消耗と脾気不足を来たし、心神が栄養されないことによって生じます。
弁証の要点は、倦怠感・いつも眠い・顔色につやがない
食欲不振・泥状〜水様便・動悸・息切れ・舌質が淡で嫰・脈が細弱などの
心血虚と陽気虚の症候がみられることであります。

腎陽虚

<症状>
元気がない・疲労倦怠感・いつも眠い
尿量が少ない・浮腫
腰が冷えていたい・膝以下の冷え・寒がり身体を縮める
口唇や爪が青紫色
舌質が紫暗 ・舌苔が白潤・脈が微細

腎精の不足

<症状>
けだるくいつも眠い・頭がボーっとして思考力が鈍い
仕事を続ける元気がない・物忘れが多い・
耳鳴り・聴力減退・舌質が淡・脈が細弱

<腎陽虚と腎精不足の嗜睡>
いずれも腎虚ではありますが、腎陽虚は陽気不足が主であり、
腎性不足は腎精の不足による髄海(脳)空虚が主であります。
腎陽虚の嗜睡は、病邪が少陰を直接侵犯するか、
失治・誤治により、陽気が消耗して陽虚陰盛となり発生します。
《類証治裁》では
「多寝は、陽虚陰盛の病なり」
と指摘しています。
弁証の要点は、寒がる・腰が冷える・身体が重い・浮腫・下肢の冷え
尿量が少ないあるいは多尿
舌質が胖で淡・舌苔が白などの
虚寒の症状を示すことであります。
治法は温補腎陽です。


参考文献:
『[実践講座]中医弁証』
『針灸学[臨床篇]』
東洋学術出版社
『中医診断と治療 上巻』
燎原書店

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。

木村

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