下積み修行中の木村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


腰脊痛(腰痛・腰背痛)②

腎虚の腰痛

<症状>
腰痛が慢性的に持続し、休息するとやや軽減し、
少し疲労すると増強する。
息切れ・身体が重い・頭のふらつき
耳鳴り・脱毛・歯の動揺
膝がだるく力が入らない
踵の痛み・夢精
滑精・インポテツ・月経不順など

<解説>
腰は腎の外候であり、
諸経はみな腎を貫き腰に絡すので、
腎気が虚すと必ず腰が痛みます。
≪素問・脈要精微論≫に
「腰は腎の府、転揺することあたわざるは、
腎まさに憊(ツカ:疲れきる)る」
とあるのは、腎虚の腰痛のことを述べています。
腎虚とは腎の精気の不足で、原因としては
≪素問・上古天真論≫に
「腎の蔵衰え、形体はみな極る」
とあるように老化による腎気の衰弱は、
機能が減退する生理的現象であり、
老人に腰痛が多いのはこの為であります。
加齢によらない腎虚の腰痛は、
労損が原因であることが多く、
長時間の過度の労働や、
長時間にわたる無理な姿勢、
特に座ったまま・立ったまま、
腰を屈曲したままなどの
長時間の同一姿勢の持続によって発生します。
さらに多い原因は、
生活の不規則や性生活の過度(房労)によるもので、
≪素問・上古天真論≫に
「妄をもって常となし、酔いて房に入り、
欲をもってその精を竭し、もってその真(真気・腎気)を耗散す」
とあり、張景岳も
「欲はもって縦にすべからず、縦にすればすなわち精竭す」
と指摘している通りであります。
特徴は、鈍痛が慢性的に持続し、
腰を使うと増強し、休めると軽減し、
さらに腰や膝がだるく無力、頭のふらつき
耳鳴りなどの腎虚の証候を伴う事もあります。
治法は補腎益精です。
腎虚の腰痛はさらに陽虚と陰虚の違いがあります。
腎陽虚では、寒がる・四肢の冷え・温暖を好む
軟便或いは夜明け前の下痢(五更泄瀉)・尿量が多い或いは頻尿
舌質が淡・脈が沈細などの虚寒の証候をともないます。
治法は温補腎陰です。
腎陰虚では、微熱・五心煩熱・盗汗・尿が濃い・
口乾・舌質が紅・細数などの虚熱の証候がみられます。
治法は滋補腎陰です。


瘀血の腰痛

<症状>
外傷の後につよい腰痛が生じ、
外傷の部位により背痛
腰痛・腰腿痛などを呈し、
腰部の運動障害をともない、
動かすと痛みが増強します。
ねんざの場合には腫脹がみられませんが、
挫傷では内出血による腫脹が認められます。

<解説>
ねんざによるものは、
突然発症し明らかな既往がみられます。
「閃腰腰痛」とも言われ、
≪素門・刺腰痛論≫に
「重きを挙げ腰を傷め、・・・悪血はこれに帰す」
とある通りであります。
ねんざによって経脈が気滞不通になったものであるから、
腰に腫脹はなく、
体位変換・深呼吸・咳嗽・くしゃみなどで
強い刺すような疼痛が生じます。
治法は行気止痛が主体です。
打撲・外傷による腰痛では、
受傷部位に内出血(瘀血)による腫脹がみられたり、
青紫色を呈し、圧痛が顕著で運動障害もつよいです。
治法は活血化瘀・止痛が主体です。

・腰痛について

腰痛は、新病は実証が多く、
久病は虚証が多いです。
風寒湿邪や外傷による腰痛も、
慢性化すると腎虚をともないます。
逆に、腎虚のものは風寒湿邪や外傷を受けやすいです。
腰痛が、
「悠々戚々とし、しばしば発して己まず」
というが、腎虚の腰痛の主な症状であります。
≪景岳全書≫に「腰痛の虚証は十に八九あり」
「その実邪を有して腰痛をなすもの、また十中の二三をすぎざるのみ」
とあるように、腰痛では腎の陽気が虚したものが多いです。
陽気が虚すと、風寒湿の邪が虚に乗じて経脈に侵入し、
気血を阻滞するので、
慢性化した腰痛では気滞血瘀をともなうことが多いです。
それゆえ、温補腎陽・行気活血が腰痛治療の原則にもなります。
≪沈氏尊生書≫に
「諸般の腰痛、その源はみな腎虚に属し、
もし外邪あらば、すべからくその邪を除き、
もしなくば、一に補腎によりて已む」
とある通りであります。


参考文献:

『針灸学[臨床篇]』
東洋学術出版社
『中医診断と治療 上巻』
燎原書店

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。

木村

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