下積み修行中の紅露くんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


こんにちは紅露です。
いよいよ今年も残り僅かで忘年会シーズンに入りました。
そこで,この時期腰痛を起こす原因を中医学の診断から数点挙げてみました。
やはり、冬の寒さと忘年会等の暴飲暴食で内に溜まる湿や肝腎への負担が合わさる事で
起こりやすいのでは?と考えます。


①風寒の腰痛

{弁証分型}
急激に発生するような背部の強ばった痛みで、引きつるような感じがあり、発熱・悪寒・無汗あるいは自汗、
頭痛・肩背痛・甚だしければ全身の関節が痛む・舌苔は薄白・脈が浮緊等をともなう。

{鑑別分析}
風寒の邪が侵入して肌表を外束し、足太陽膀胱経脈と督脈を閉塞したことによる。
足太陽膀胱経脈の流れから、風寒の邪が侵入すると、軽度であれば腰背が強ばって痛み、
重度であれば腰背が抜けるように痛み、膝周囲や足首が裂けるように痛む。
督脈は全身の陽を総督する。太陽経は督脈と交連する為、風寒の邪はまずこの二経を犯し、
「頭項痛み、腰脊強ばる」いう症候を引き起こす。

治法:辛温解表

②風寒湿痺の腰痛

{弁証分型}
急性あるいは慢性に生じる腰痛尾底骨や下肢の疼痛をともなうことが多く、痛みは増減する。
暖めると軽減し、寒冷や曇天あるいは秋冬に増強する。
一般に腰部の運動に支障は無いかあっても軽度である。
疼痛は鈍痛が多く、強ばった『板を張ったような』感覚を伴う。
寒邪強いときは疼痛が強く固定性で、甚だしければ運動が困難となり、脈は沈で有力を呈する。
湿邪が強いときは、疼痛は強くないが重だるい感じを伴い、曇天や湿気の多い状況で増悪し脈は緩を呈する。
風邪強いときは、遊走性の疼痛で増減する。

{鑑別分析}
風寒湿痺の腰痛は、《素問・痺論》に「風寒湿の三気雑して至り、合して痺をなすなり」とあるように、
風寒湿の邪が共同して経脈の気血を渋滞させ、『通じざれば即ち痛む』の状態を引き起こしたものである。

治法
風邪強い時:祛風湿・止痛
寒邪強い時:祛風湿・温経散寒
湿邪強い時:祛風湿・利湿
☞風寒湿痺の腰痛が慢性化して気血不足を来たした場合:扶正祛邪

※風寒と風寒湿痺の腰痛の鑑別要点
風寒:発症が急激で発熱・悪寒という表証を伴う
風寒湿痺:発病が緩慢で表証を伴わない

③肝腎陰虚の腰膝無力(虚症)

{弁証分型}
腰や膝が無力で、腰がだるい・腰痛・膝の冷えを伴い慢性に経過し、休息すれば軽減、過労により増強する。
手足の冷え・寒がる・温暖を好む・聴力減退・耳鳴り・尿量が薄いor頻尿・軟便or水様便・脱毛・歯の同様
疲労倦怠感・息切れがあり、労働により増強する。舌質淡・脈沈細。

{鑑別分析}
腰膝の軟弱無力は腎虚の主症状の一つである。
肝腎は同源であり、腎気が虚すと肝血は不足して筋を栄養出来なくなるので腰膝の軟弱無力が生じる。
『肝は筋を主る』『腎は骨を主る』

治法:養肝血・補腎気
※肝腎両虚に湿邪(寒湿or湿熱)が加わった場合は、温化寒湿or清火湿熱の治法も加える。

④寒湿と湿熱の腰膝無力

{弁証分型}
寒湿腰や膝が軟弱無力で、冷えor重だるい痛みを伴い、冷えや湿気で増強し暖めれば軽減。
舌象は正常or舌苔白・脈沈細or緩

湿熱:腰や膝が無力で、特に下肢が無力なために長時間の歩行や起立が出来ず、
腰や足の発赤・腫脹・疼痛を伴うことがあり、尿量が少なく濃い・便秘・舌苔は厚膩・脈数等。

{鑑別診断}
寒湿:寒湿の邪が腰膝に停滞して発生し、湿邪が強いところから「湿痺」に属する。
陰湿の寒邪は身体下部の腰膝を侵襲することが多い。
治法:除湿通痺(初期の実証の時期)
益肝腎・補気血・強腰膝・祛寒湿(慢性化して肝腎両虚・気血不足を伴った際)

湿熱:湿熱の邪が下焦に流注して発生するもので、「痿証」「脚気」の範疇に属する。
陰虚を伴うと、発熱・五心煩熱・盗汗・口内の乾燥・舌質紅・脈細数等がみられる。
治法:清熱化湿(実証)
滋陰清熱・化湿陰虚)

寒湿:湿が下焦に停滞して生じるもので実証である。
湿熱:湿が下焦に流注して生じるもので、虚実挟雑が多い。

⑤肝経湿熱の腰如縄束(腰部の緊束感)

腰如縄束(ようじょじょうそく)とは、腰部に縄で締め付けられるような緊束感があることである。
本症は帯脈の病変による一症状である。帯脈は腰を横囲しているので十二経脈、
奇経の病変は全て帯脈に影響する。
《傅青主女科》で「帯脈は、ゆえに胞胎を約束する系なり」と述べているように、
腰如縄束は習慣性流産・帯下などの婦人科疾患においてみられる。

{弁証分型}
腰部の緊束感・腰部を一週する皮膚や筋肉の刺すような灼熱痛があり、触れると疼痛が増強し運動出来ない。
脇痛・口苦・顔面紅潮・難聴・尿が濃いor排尿痛・便秘・舌苔黄or厚膩・脈弦or数 等を伴う。

{鑑別分析}
肝経の湿熱が帯脈に侵入したもので、腰部の緊束感・腰周囲の皮膚の痛みと灼熱感に、
肝経の湿熱症候を伴うのが特徴である。

治法:清瀉肝経湿熱

紅露


参考文献:『症状による中医診断と治療(上巻)』 燎原書店
『ISSHINDO』ブログ出版局
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社

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