こんにちは、大原です。
『中医内科学(第2版)』という本より、
基本的な病症において、
その中のポイントをピックアップしていきます。
中国語で書かれており、
中国語はまだまだ不勉強のため
日本語訳が難しく
不自然な箇所もありますが御了承ください。

さて、今回は、肺の病症の1つ目
「感冒(かんぼう)」についてです。


感冒かんぼうの定義>
感冒とは外感病であり、
風邪ふうじゃを主とする六淫の邪および一過性に流行する病毒によるもので、
これらが肺衛に客し、
鼻が塞がれ、流涕りゅうてい(鼻水)、噴嚔ふんてい(くしゃみ)、咳嗽(せき)、
悪寒発熱おかんはつねつ(寒気を伴う発熱)、頭身疼痛(頭や身体の痛み)を主な症状とする、
よくみられる一種の内科的疾病である。

<概括(範囲)>
西洋医学での上呼吸道感染、流行性感冒とされる。

<病因病機>
一、病因
六淫の邪、流行性の病毒(ウィルス)が人体を侵襲し病に至る。

1.六淫:気候の突然の変化により、
人体の衛外の気がいまだ外界の変化についていけず、虚邪賊風が人を傷る。

(1)「ふう」は病の主となる
本病の主要要因は、風邪が肺衛・皮毛を侵襲することによる。
「風」は春季の主気といえども、四時八方(あらゆる季節)において流動しており、
常を失すれば淫邪となり人を傷つける。
ゆえに六淫の首となし、外感病において風は先導する作用をもつ。
風は陽邪となし、その性質は軽揚であるがゆえ、その病の多くは上焦を犯す。

(2)「風邪」は他邪と入り混じって病にいたる
季節の不同に随って、風邪は常にその季節の気と相合し(一緒になり)、病となす。
その季節の気とは、春気の温、夏季の暑、長夏の湿、秋季の燥、冬季の寒などであり、
どれも風邪に随いやすく感受して病となす。
臨床上、風寒が最も多くみられる。

2.流行性の病毒(ウィルス)
これは伝染性が備わっているものを指し、多くは季節の不正で天候が激しくなることで、
人に流行する。病の特殊な点として、発病が早く、病状は重く、
広い範囲で流行し、かつ季節に限定されず、
しばしば六淫と相合し(一緒になり)病となる。
四時六気(季節の気)が常を失った状態、
例えば、暖かいはずの春季に寒い、暑いはずの夏季に涼しい、
涼しいはずの秋に暑い、寒いはずの冬に温かいような状態になれば、
流行性の病毒(ウィルス)が生じやすく、
肺衛を直接襲い、感染して病となる。
流行性の病毒(ウィルス)に感染して症状が出る状態になると、
常に裏に入って化火し、臨床上は熱証が多く伝変しやすい。

3.生活起居失当(不適切な日常生活)
寒温の失調、たとえば冷える場所での野宿、
水の中を歩いたり雨にさらされたりする、更衣脱帽
などで外邪が乗襲しやすくなる。

4.正気の虚飢、衛外不固
正気が不足して腠理が緩んで締まらず、
衛外(体表にある衛気の外側)が不固(守れる状態になっていない)で、
邪に抵抗する力が弱まると、外邪が容易に客することになる。
たとえば、陽虚の場合、風寒を受けやすく、
陰虚の場合、風熱を受けやすい。
また、脾虚痰湿が偏盛の場合は外湿を受けやすいといえる。
正気の不足は何をもって引き起こされ、衛気が不固となるのだろうか?
平素より体質が虚であり用心がやや足りなかった場合に、
客した邪は虚に乗じて人を傷り、
あるいは働き過ぎて疲労したり、体力が下降した場合、
自汗して肌腠が密でなくなり営衛が失調して外邪を感受して、
再び肺に宿疾があるかのように肺は痰熱を深くこもらせ、
肺衛はその機能を失調し、
しばしば外邪を引きよせ発病しやすくなる。

二.病機

・・・次回に続きます。

(「伝変」など、聞き慣れない中医学の専門用語が
ところどころありますので、
これらの用語の意味については
『基礎中医学』などの基本書をあたってみてください。)

冬から春に向かって
2月の温かい雨。近所にて。

■参考文献
『中医内科学(第2版)』 人民衛生出版社
『Ex-word XD-N7300』(電子辞書) CASIO
『基礎中医学』 燎原

興味がおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。

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