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こんにちは、為沢です。

では、『格致餘論』の続きを紹介して参ります。


格致餘論:慈幼論 其之三


或曰:可以已矣!曰:未也。
古之胎教,具在方冊,愚不必贅。
若夫胎孕致病,事起茫昧,人多玩忽,醫所不知。
兒之在胎,與母同體,得熱則俱熱,
得寒則俱寒,病則俱病,安則俱安。母之飲食起居,尤當慎密。

東陽張進士次子二歲,
滿頭有瘡,一日瘡忽自平,遂患痰喘。
予視之曰:此胎毒也。慎勿與解利藥。
眾皆愕然。予又曰:乃母孕時所喜何物?
張曰:辛辣熱物是其所喜。
因口授一方,用人參、連翹、芎、連、生甘草、陳皮、
芍藥、木通,濃煎。沸湯入竹瀝與之,數日而安。
或曰:何以知之?
曰:見其精神昏倦,病受得深,決無外感,非胎毒而何?

『格致餘論注釈』訳を使用:
ある人が「これで終わりですか」と言った。
答えて「まだです。昔の胎教については、書物にくわしく載っているので、
わたしがくどくど述べる必要はないだろう。
妊娠中に病気になるのは、(婦人が)愚味であることによって起こるのだが、
多くの人は(妊娠中の注意を)軽んじてゆるがせにしてしまうのであって、
(そのような状況は)医者のあずかり知らないところなのである。
胎児が母胎にある間は、母親と同体であり、
(母親が)発熱すればともに発熱し、寒を得ればともに寒になり、
病気になればともに病気になるし、治癒すればともに治癒するので、
母の飲食起居は、特に慎むべきである。」と言った。

東陽県の張進士の次男は二歲の時に、頭全体に瘡ができた。
ある日瘡が突然治ったが、今度は喘息をわずらった。
わたしはこれを見て「これは胎毒であり、絶対に解利薬を飲ませてはならない」と言った。
みなは愕然としていた。わたしはまた、
「(この子の)母親が妊娠中に好きだったものは何か」とたずねた。
張は「辛くて熱いものが好きでした」と言った。
そこで処方を一つ口授したがそれは、
人参、連翹、川芎、黄連、生甘草、陳皮、
芍薬、木通を用い、濃いめに煎じて沸騰させ、
竹瀝を入れて与えるというもので、数日にして治癒した。
ある人が「どうしてわかったのか」と言った。
わたしは「見たところ、その精神が倦怠しており、
病気は根が深く、しかも外邪に冒されたようすがない以上、
胎毒でなくて何であろう。」と答えた。


参考文献:
『格致餘論注釈』 医聖社

暗雲立ち込める
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最近の言い方でいう”ゲリラ豪雨”前の暗雲です。

為沢

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