ふと見たテレビで「むずむず脚症候群」というものを特集でやっておりました。
原因がよくわからいが脚がむずむずして、いても立ってもおられん、眠れないということでした。
こういう症状に対して西洋医学で一風変わった病名をつけているようですが、
東洋医学的にこういう症状は結構多いのですね、
何も目新しいものではなく、昔から
内熱、つまり体に熱をこもらす状態の症状によくみられるものです。
東洋医学ではこれを「煩躁」といいます。
胸中が熱苦しくていらいらする自覚症状が「煩」で、
手足をよく動かして落ち着かないものを「躁」、
両者は同時に出現するので「煩躁」と称するものです。
火熱の欝滞によることが多い。と中医書にはあります。
脚に熱がこもって不愉快であるので「むずむず」してくるのですね。
何故、この熱が出てくるかと言うと、
陰陽の内、陰分が弱る、体の水分が減ることによって、
体の陽が亢進するがために起こると考えます。
体は陰である水分が不足すると、乾いて熱を発するのですね。
これを陰虚内熱と言います。
中医書には火熱とのみありますが、
実際には邪実よりも陰虚に起因することが圧倒的に多いと感じています。
実熱は激しいもので、虚熱はしくしくと取れにくい熱であることが
多いからです。
また、この状態であると体にふつふつと熱がおこり、
全然取れない不愉快な状態となり、これが「むずむず」の原因であると、
テレビを見ていて直感しました。
治療は、陰を補うことによって過剰な熱をさばくことになります。
こういった、「むずむず脚症候群」つまり「煩躁」ですが、
東洋医学では、しかるべき病態において出現するいち症状に過ぎず、
これから原因をしっかりと判断しうる材料であり、
現代医学が症状をひとつひとつに病名をつけるものは、
細分化して全体像を把握できていない現代医学の弊害であろうと
考えています。
例えば、陰虚内熱という状態にあれば、
煩躁もでるし、口渇も現れる、微熱も現れる、
それらにいちいち病名を付けていたのでは、万の病名でも、
億の病名でも埋まることはないのですね。
全ての色が光の三原色で表現出来るように、
あらゆる色にあらゆる色名をつけることで深みにはまる。
臓腑の色の組み合わせであらゆる病の色をつくることが出来る、
これが真実で非常に重要なことです。 
色のバランスがわかればそのようなものをつける必要さえない。
マニュアル化するのみです。
そう思っています。
鍼灸家がこの症状の患者を前にしたとき、
「むぅ、目新しいな。
これに病名を付けよう。」と、やっている場合ではありません。
すでに研究され、多くの医書に詳しく書かれているのだから、
はっきりと把握して治療のいち情報にして、
「むずむず」など取り去ってやらなければならないのです。
当たり前のように。
わからなければ中医学を学べばいいだけです。
東洋医学は先へ、もっと先へ進みましょう。
諸問題は歴史が解決してくれると信じています。

2 コメント

  1. 私は今年の5月からアトピー性皮膚炎で週三回鍼灸院に通っているのですが6月に足がむずむずしだし、7月半ばからむずむずが顔にも表れ現在ほぼ1日中顔に不快なむずむずが出ています。アトピーもあまり改善されてるとは思えず少し不信感すら抱いてしまっています。
    むずむずは一般的にどれくらいで治るものなのでしょうか?

  2. お体拝見しておりませんので
    なんとも言えませんが、
    10診、20診と重ねてある時にピタリと
    治るというものではなく、
    きちんと診立てが合っていれば
    治療をするたびに症状は取れてきますので、
    明確に楽になったという感覚をもって
    治療を重ねていくものであると思いますよ。
    よく
    半年後、2年後には効きますなどと
    言われる人がいらっしゃいますが
    あれは嘘だと僕は思います。
    うちの場合は大体、
    治療して治療直後か半日~1日後
    ぐらいには何らかの変化が出てきます。
    四診といって伝統的な診断方法によっても
    変化を診て行きますが。
    変化がなければ 
    大体診立て違いとし、治療方針を立て直します。
    そんな作業を行い固めていきます。
    ただ、診立てや治療法も其の方、その方で
    全く異なるものを組み立てていきますので
    現在3診という事ですが、
    出来れば5診まで猶予をもってされては
    どうかとも思います。
    治療家側が、
    目的意識のないまま鍼をされているのであれば
    止めた方がいいとは思いますが。
    どうしようもなければ
    一度来院下さい。
    断言するわけには行きませんが
    同様の症状の方も数多く診ておりますし、
    苦手な方ではありません故、
    大方、楽に出来ると思います。
    こんな事でも
    お役に立てれば
      林玄一

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