宮村です。
今回は臓腑弁証の腎・膀胱病弁証の
腎陽虚衰について勉強した内容を書いていきます。

腎陽虚衰
腎陽は陽気の根本であり、
もし先天的に腎陽が不足していたり
不節制や寒涼剤の飲み過ぎにより腎陽を消耗すれば、
腎陽虚衰になり命門の火が衰えて以下のような病変が発生する。

・腎陽が衰えれば気血形体を温煦することができなくなるので
悪寒がしついには寒厥になる。

・精が貯蔵されないのでインポテンツ、遺精、
子宮の冷え、不妊症などが起きる。

・腎の温煦気化機能が減退し
気や水を巡らせることができないので
排尿困難、澄んだ小便が大量に出るなどの症状が現れる
また腎という関所が閉じないために
遺尿、小便失禁、水腫などが現れ、溢れた水が痰になれば
脾土を傷つけ水穀精微の輸送、陰精や血の転化などの
機能が減退し緩慢になるので
水様便、虚寒泄瀉、精神萎縮、営血虚少などの病変が現れる。

・腎陽が欠虚すれば陰精を腎気に転化する作用が
減退するので腎気もまた虚する。

・腎陽が不足し血脈を温煦し
気血津液を流通させることができないので
陰寒の邪が凝結したり
寒邪が経脈に凝結したりするので
寒性膿瘍や言語障害などの病変が起きる

腎陰と腎陽は互いに支えあい、
相互に転化しあうので、
その病理や病変も互いに影響し転化しあう。
陰虚が長引いて陽虚になったり、
陽虚が長引いて陰虚になったりし
やがて陰陽ともに虚するという転帰を迎える。
これは陰損が陽に波及するという病理と
陽損が陰に波及するという病理変化である。


参考文献:
『東洋医学概論』 医道の日本社
『針灸学 基礎編』  東洋学術出版
『中医病因病機学』  東洋学術出版

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

宮村

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