柴胡
柴胡

張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。

今回の傷寒論は弁少陽病脈証并治 二百七十一章・二百七十二章。
二百七十一章では少陽病が治る時の脉症について。
二百七十二章では少陽病が治る時刻についてそれぞれ詳しく述べております。


二百七十一章

傷寒三日、少陽脉小者、欲已也。

和訓:
傷寒三日、少陽の脉小なるものは、已えんと欲するなり。


・傷寒三日、少陽脉小者、欲已也
傷寒にかかり3日、少陽経気が主る時期である。
仮に邪が盛んであれば弦脈を示すはずであるが、
ここでは小脉であるので、病気はすでに衰え少陽枢機に従い
時間ともに外に追い出されて治っていく。

提要:
少陽病が治る時の脉症について。

『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
傷寒の病に罹って三日経ち、少陽の脉が細小に変化すれば、病はやがて癒える。


二百七十二章

少陽病欲解時、従寅至辰上。

和訓:
少陽病解せんと欲する時、寅従り辰の上に至る。


少陽病欲解時、従寅至辰上
少陽は陽が少ないので、春木の気が発するところに位置する。方位は寅である。
これを昼夜に置き換えると太陽の昇る春木の気が発する時刻と応じるために
寅から辰の少陽の気が旺盛になる時刻に治るのである。

提要:
少陽病が治る時刻について。

『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
少陽病が改善してくる時刻は、通常は午前三時から九時の間であることが多い。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:為沢 画

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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