『いいビルの写真集west』/ PIE internationalより
『いいビルの写真集west』/ PIE internationalより

こんにちは、為沢です。
鍼灸と関係ありませんが、書籍紹介です。

『いいビルの写真集west』/ BMC(ビルマニアカフェ) 著、写真

私、個人的に1950年〜70年代の高度経済成長期に
ボンボンおっ建てられた近代的なビルやお店が好きなんですが、
この書籍は大阪を中心にした、
そんな熱意ある建物(私見です)が収録された写真集です。
ビルの外観だけではなく、屋上や内装、
螺旋階段、窓、喫茶店など味わい深いものが多数収録しております。

書籍内でも御紹介されている本町にある純喫茶・三輪さんは
70年代にタイムスリップしたかのような内装で、その内容は
紅い絨毯に紅いソファ。薄暗い店内に光るキラキラした照明。
そして、全員紅いドレスの年配ウェイトレスさん達。
初めて行った18歳の頃、大変衝撃を受けたのを覚えております(笑)
今も営業してるんかな?今度久々に行ってみようかと思います。
長々とすみません。趣味の話でした。興味のある方は是非どうぞ。


では、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(中)八十三章・八十四章・八十五章。
それぞれ発汗の禁忌例を詳しく述べております。


弁太陽病脈証并治(中)八十三章

咽喉乾燥者、不可發汗。

和訓:
咽喉乾燥するものは、発汗すべからず。


咽喉乾燥者、不可發汗
咽喉が乾燥するということは、
津液が虚して熱があるという場合と同じようであっても、
実は往々にして少陰の精血不足が上方に反映し、十分に潤せなくなって生じるものなのである。
このような場合に発汗法を用いれば精血はさらに不足して、
内熱が盛んとなり壊証が生じやすくなるのである。

提要:
陰虚で咽が渇く場合は発汗法を行うのは禁ずると述べている。

訳:
咽喉に乾燥を感じる者には、発汗法を用いてはならない。


八十四章

淋家、不可發汗、發汗必便血。

和訓:
淋家は、發汗すべからず。發汗すれば必ず便血す。


淋家、不可發汗、發汗必便血
淋家とは、平素より尿が淋瀝(りんれき…膀胱や尿道などの下焦に炎症があって
この炎症が原因で尿意があっても尿が勢いよく出ずにポタポタと雫が落ちるように出たり、
尿が出にくくなったり、排尿痛などの状態のことをいう)して出にくい人のこと。

一般に淋家の人は下焦の陰を久しく傷つけ、熱がこもったことにより生じる。
血と汗は同源であるから、もし誤って陰虚の者に発汗させれば、
熱が陰絡脈を傷つけ血尿が生じるので、発汗法を用いてはいけない。

提要:
淋家の者には発汗法を禁ずると述べている。

訳:
平素より小便が淋瀝(りんれき)する者は、発汗法を行ってはならない。
もし誤って発汗させると血尿が出る場合がある。


八十五章

瘡家、雖身疼痛、不可發汗、汗出則痓。

和訓:
瘡家は、身疼痛すと雖も、發汗すべからず。汗出ずれば則ち痓す。


瘡家、雖身疼痛、不可發汗、汗出則痓
瘡家とは、瘡癰(そうよう…「瘡」には創傷・損傷という意味があり、
一般には各種原因によって皮膚の表層部に発生した丘疹・紅斑・水疱・膿疱・びらん・表皮剥離などの
皮膚疾患を指す。瘡癰とは毒熱邪気を原因とする皮膚の化膿性疾患)を病んでいる人のこと。

久しく腫物や潰瘍を患う者の場合、よく膿血が流出するので
肌肉・筋肉の気血がともに虚している。このような病人が、もし仮に身疼痛といった
表証を現わしたとしても、発汗法は行ってはならない。
発汗させればさらに津血が傷ついて、筋脈が潤いを失って引きつったり強ばったりし
痙攣を起こすのである。

提要:
瘡家の者には発汗法は禁ずると述べている。

訳:
平素より瘡癰(そうよう)がある者は、身体に痛みがあっても、
発汗法で治療してはならず、もし誤って発汗させると痙症を引きおこすことがある。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。

為沢

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