穴性について学んでいきます。
穴性は、1934 年羅兆琚(1895~1945)が初めて提起しました。
(ただし、古典にも経穴の効能のような記載はあります。)

腧穴の性能は,それ以前にも
「大杼・ 膺兪・缺盆・痛便,これら 8 穴は胸中の熱を瀉す」(『素問』水熱穴論),
「中府穴は主に胸中の熱を泄 し肺気を実す」(岳含珍『経穴解』)
というように断片的に記載されているが,
羅氏はそれを体系的にまとめたという点で革新的である。


羅氏は,「実用鍼灸指要」の序で,
「薬性と穴性,その意義は一つである。
およそ薬剤を研究するもので,薬性に熟知していないということはないが,
針灸家で穴性の研究をしているとは聞いたことがない。
本篇では二六二の穴性を集め,経脈の順序どおりに並べ,詳細な説明を加えている」
と述べ, 薬性を意識した穴性を提起している。
穴性はその誕生時から薬性を意識しながら提起されたのがポイントである。

《引用》『中国における穴性をめぐる動向』 著:井ノ上 匠

1980年代頃から、穴性の書籍が多く出版されることとなるが、
同時にそれぞれの穴性の内容は異なっており、
穴性を混乱させている要因ともなっている。

また、腧穴の効能を薬能をモデルに表記することが果たして妥当であるか
などという点において論争が起きているようです。

日本ではまだ穴性が記された書籍が少ないですが、
次回から、一穴ずつ経穴を紹介しながら穴性について
自分なりに調べたことを記していこうと思います。

つづく

類経図翼を勉強しながら模写しました。
類経図翼を勉強しながら模写しました。

 


《参考文献》

『第4回⽇日本中医学会学術総会 シンポジウム5「⽳性問題」シンポジスト』
中国における穴性をめぐる動向
著:井ノ上 匠 (有)東洋学術出版社
『臨床経穴学』 著:李世珍
『穴性学ハンドブック』 著:佐藤弘 伴尚志
『類経図翼』 著:張介賓

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