こんにちは、為沢です。

では、今回も『格致餘論』の続きを紹介して参ります。


格致餘論:治病必求其本論 其之三


又一鄰人年三十餘,性狡而躁,
素患下疳瘡,或作或止。
夏初患自利,鬲上微悶,醫與治中湯二帖,昏悶若死,片時而蘇。
予脈之兩手皆澀,重取略弦似數。
予曰:此下疳瘡之深重者。
與當歸龍薈丸去麝,四帖而利減;
又與小柴胡去半夏,加黃連、芍藥、川芎、生姜,煎五六帖而安。
彼三人者,俱是澀脈,或弦或不弦,而治法迥別。
不求其本,何以議藥?

『格致餘論注釈』訳を使用:
また、ある隣人、歳は三十過ぎで性格は抜け目がなくせっかちであった。
日頃から陰部に出来物ができており、それができたり消えたりしていた。
夏の初め、下痢を患い、膈の上がわずかに苦しくなった。
医者が治中湯を二服与えたところ、気が遠くなり、
死んだかのようになったが、しばらくして蘇った。
私が脈を診たところ、両手とも濇で、強く押すとほぼ弦で数に似ていた。
私は「これは下疳瘡が深いところで重症になっているのである」と言った。
そして麝香抜きの当帰龍薈丸を四服与えると下痢が減じた。
また小柴胡から半夏を抜き、黄蓮・芍薬・川芎・生姜を加え
煎じたものを五〜六服与えると治った。
彼ら三人の脈は皆、濇であったが、あるものは弦であり、
あるものは弦ではなかったので、治療法は はるかに違ってくる。
その本を求めずして、どうして薬のことを論じることができようか。


参考文献:
『格致餘論注釈』 医聖社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

水面
水面

私の心癒されるところでございやす

為沢

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