1月開院予定の心斎橋院について
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【お知らせ】
本日、1月28日(月)は
心斎橋本院の開院準備のため休診させて頂きます。
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こんにちは、大原です。
前回の続きです。
(前回:『医界之鉄椎』より 其の三
今回は「第四 草根木皮及薬物ノ自然性」という段落です。

二十五頁
二十五頁
二十六頁
二十六頁

この段落は、
著書の和田先生が漢方の薬物について
の見解を示された内容になります。

ご存じの方も多いと思いますが、
漢方薬は、様々な生薬が配合されています。
その生薬の種類は、ある資料によると
平成二十年の時点で248種類とのことです。
(参考:「原料生薬使用量等調査報告書」日本漢方生薬製剤協会

今回の内容の「第四 草根木皮及薬物ノ自然性」では、
生薬を次の3種類に区別されています。
・動物性薬物
・植物性薬物
・鉱物性薬物

その中の植物性生薬について、次のような記述がありました。

普通の食用の植物というのは正性であり、
薬用の植物は偏性(人体に常用してはいけない性質)である。
生活習慣などが乱れたり
季節の変わり目や天候の変化で寒熱の変調があったりした場合、
まずはその変調を受けた原因にさかのぼることが必要である。
そしてその変調が自覚するほどに起こっているので、
偏性のある植物、すなわち生薬を用いて調えなければならない。

つまり、生薬にはその偏性があるからこそ
人体の変調を取り除くことができるとあります。
また、続いて

ある人は
「複数の生薬(草・根・木・皮)を複雑な調剤法を用いて調剤するのは
幼稚にして不確実なる配合だと非難し、

複数の生薬ではなく一つの生薬を用いるべきだ」とみなしている。
しかしその「一味主義」を唱える西洋医学の医者も
一味の薬を一度に数種の薬剤(水薬、散剤、丸薬、頓服薬等)を投ずる場合が多い。
これで本当に「一味」であるといえるのだろうか?疑問である。

漢方薬は、現代では
多くの生薬が配合されているから効果があるということが
常識のようになっていますが、
当時においては議論があったことがうかがえます。

さらに、25ページ目最後に、
越幾斬」という見慣れない漢字があります。
これはオランダ語の「extract」すなわち
「エキス」の当て字だそうです。
現代の、ドラッグストアなどで市販されている漢方薬を
「エキス剤」などと呼称されていますが、
その概念に近いものだと思います。


参考文献
『復刻 医界之鉄椎』たにぐち書店

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

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