こんにちは、大原です。
お正月休みもすっかり終わり、
日常の空気に戻りつつある今日この頃だと思いますが、
皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて、この時期は
鍼灸学校の3年生の方は
2月の国家試験本番に向けて
追い込みをかけているところでしょうか?
国家試験を受験した当時のことを
思い出す治療家も多くいらっしゃると思います。

今回は、国家試験の
去年の過去問を解いてみたいと思います。

<はり師きゅう師国家試験問題>
第25回 午後問題  (2017年の問題です。)

問題100〜101

「31歳女性。主訴は頭痛と肩こり。
月経は不定期で月経時に頭痛が増悪し、下腹部痛も出現する。
月経時に血塊がみられ、舌下静脈の怒張もみられる。」

問題100 本患者の痛みの特徴はどれか。
1.夜間に痛みが増悪する。
2.だるい感じの痛みが現れる。
3.冷やすと疼痛が軽減する。
4.痛む部位が移動する。

問題101 本患者の病証でみられる脈状はどれか。
1.浮いていて細軟の脈
2.ざらざらとして渋滞したような脈
3.弾力に富み、琴の弦を按じるような脈
4.絹糸のように細くて力があり、按じて左右に移る脈

———————————————————————————

さて解いてみましょう。

いかがでしょう、
解けましたか?

———————————————————————————

この問題は、東洋医学臨床論という科目の分野になります。
問題を解いてみますと
月経時に血塊がみられ、舌下静脈の怒張がみられる
という条件から、
「瘀血(おけつ)証」であることが推測されます。
瘀血証の場合に、
・どのような痛みの特徴がみられるか
・脈はどのようになるのか
ということが、問100、問101で問われています。

問題100の選択肢の痛みが、
それぞれどのような原因によるものなのかを
教科書ベースでみていきます。

1.夜間に痛みが増悪する。→夜間痛:瘀血や寒邪、湿邪によるものが多い
2.だるい感じの痛みが現れる。→酸痛:気血不足や湿邪が経絡に滞ることによって起こるものが多い
3.冷やすと疼痛が軽減する。→灼痛:火邪や陰虚陽亢によるものが多い
4.痛む部位が移動する。→遊走痛:気滞や風邪によるものが多い
(『新版東洋医学概論』 疼痛の性質、特徴の項を参照)

瘀血証であることから、
問100の解答は「」でしょう。

次に、問題101の選択肢の脈の状態が、
それぞれどのような身体の状態にあるものかを
同様に教科書ベースでみていきます。

1.浮いていて細軟の脈 →濡(なん)脈:湿証、虚証
2.ざらざらとして渋滞したような脈 →濇(しょく)脈:血瘀
3.弾力に富み、琴の弦を按じるような脈 →弦脈:肝胆病、痛証、痰飲
4.絹糸のように細くて力があり、按じて左右に移る脈 →緊脈:実寒、痛証
(『新版東洋医学概論』 脈状診の進め方の項を参照)

前問同様、瘀血証であることから、
問101の解答は「」でしょう。

———————————————————————————
皆さん解けましたでしょうか?

瘀血証であることが読み取れれば
解ける問題だと思います。

また、瘀血証以外の、各選択肢それぞれが
どのような身体の状態を表すかというところまでわかれば、
この手の問題は必ず得点できると思います。

———————————————————————————

さて、臨床現場においては
必ずこのようになるということはありません。

例えば脈状において、
瘀血証であっても
痛みがきつければ渋脈ではなく弦脈など他の脈になり、
もともと脈力が弱ければ渋脈ではなくさらに弱い脈になったりします。
そのようなことを考えていくと、
回答は1〜4すべてどれもあり得るということになります。
痛みの特徴も同様で、あらゆる種類の痛みが出てきます。

このように考えてしまうと
択一式の問題にならず試験になりません(笑)ので、
受験のときは、
合格するために教科書ベースで回答してください。

受験生の皆さん、
風邪など引いてしまうと
大きな時間のロスになってしまいますので
体調管理を第一に、試験勉強を頑張ってください!!

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here