足太陰脾経    


   
脾経流注写真
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<隠白~三陰交>    <隠白~陰陵泉>    <血海~腹哀>     <腹結~大包> 
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経穴学
○隠白(井木穴)
取穴部位
足の第1指内側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る。
由来
本穴は足にあることから「隠」といい、また赤白肉際にあることから「白」という。
このため隠白と命名されている。
○大都(滎火穴)
取穴部位 
足の第1中足指節関節の前、内側陥凹部に取る。
由来
もともと都は大きな城という意味である。
この部位の肌肉が大きく盛り上がっているため、大都と名付けられた。
○太白(兪土穴)(原穴)
取穴部位
足の第1中足指節関節の後、内側陥凹部に取る。
由来
これは星の名前で、金星のことである。
脾は土に属し金を生じることから、太白と命名されている。
○公孫(絡穴)
取穴部位
太白穴の後1寸に取る。
由来
古代諸侯の孫を「公孫」と呼んだ。
この部位は脾の絡脈の分枝があることから、公孫と名付けられた。
○商丘(経金穴)
取穴部位
内果の前下方陥凹部に取る。
由来
「商」は二十八宿の1つの心宿である。
「丘」は小さな丘のように隆起した内果の下にあるということを指している。
本穴と外果の下にあって、からすき星の象徴がある僕参とは相対している。
○三陰交
取穴部位
内果の上3寸、脛骨内側縁の骨際に取る。
由来
足三陰経がここで交会していることから、三陰交と命名されている。
○漏谷
取穴部位
内果の上6寸、脛骨内側縁の骨際に取る。
由来
滲出することを「漏」といい、陥凹を「谷」という。
本穴は小便を滲利させることができ、湿痺を主治する。また骨の下の
陥凹にあることから、漏谷と名付けられた。
○地機(郄穴)
取穴部位
内果の上8寸、脛骨内側縁の骨際に取る。
由来
一身を上中下の三部に分ける。足から臍に到るまでを「地」部という。
「機」とは機関のことである。本穴は地の中部にあり、膝の運動の機関であることから、地機と名付けられた。
○陰陵泉(合水穴)
取穴部位
脛骨内側顆の下、脛骨内側の骨際、陥凹部に取る。
由来
膝の内側を「陰」といい、脛骨の内側顆の高い突起は「陵」のようであり、
顆下の陥凹は「泉」のようであることから、陰陵泉と名付けられた。
○血海
取穴部位
大腿前内側にあり、膝蓋骨内上角の上2寸に取る。
由来
血と関係のある疾病を治療することから、血海と名付けられた。
○箕門
取穴部位
大腿前内側にあり、膝蓋骨内上角の上8寸、縫工筋と大腿直筋の間に取る。
由来
座るとき両膝を外転させると、ちょうど「箕」のようであり、
「足を前に伸ばして広げて箕の形のように座る」といわれた。
本穴は大腿内側にあり、取穴するときの姿勢から、箕門と名付けられた。
○衝門
取穴部位
曲骨穴の外3寸5分、鼡径溝中の動脈拍動部に取る。
由来
本穴は動脈の拍動を触れるところであり、脾経がここより腹腔に入っていく大きな門であることから、衝門と名付けられた。
○府舎
取穴部位
大横穴の下4寸3分、衝門穴の上7分に取る。
由来
「府」は六腑のことであり、腹部は六腑あるところ「舎」であるところから、府舎と名付けられた。
○腹結
取穴部位
大横穴の下1寸3分に取る。
由来
「腹気の結聚するところ」ということから、腹結と命名されている。
○大横
取穴部位
臍の外3寸5分に取る。
由来
「横」は平らなことをいう。本穴が臍の傍らを平らにのばしたところにあり、また大腸疾患を主治することから、大横と名付けられた。
○腹哀
取穴部位
大横穴の上3寸、建里穴の外3寸5分に取る。
由来
「哀」は腹鳴を指す。本穴の部位は「腹」にあり、腹痛、腹鳴を主治することから、腹哀と命名されている。
○食竇
取穴部位
中庭穴の外6寸、乳根穴の外2寸、第5肋間に取る。
由来
水道の穴を「竇」という。本穴は胸脇支満、腸間雷鳴、常に水の音がするなどを主治する。またちょうどこの部位を水穀が通過し、本穴が食物の運化・輸布を助けることから、食竇と名付けられた。
○天谿
取穴部位
膻中穴の外6寸、乳中穴の外2寸、第4肋間に取る。
由来
本穴は天池の外側にある。「池」、「谿」はともに乳汁の流れるところという
意味である。
○胸郷
取穴部位
玉堂穴の外6寸、膺窓穴の外2寸、第3肋間に取る。
由来
人が住んでいるところを「郷」という。本穴は胸の傍らにあることから、胸郷と命名されている。
○周栄
取穴部位
紫宮穴の外6寸、屋翳穴の外2寸、第2肋間に取る。
由来
「栄」は「営」と通じる。本穴は上部で中府と接しており、営養が全身(周身)に運ばれるのと関係している。そのため周栄と名付けられた。
○大包(脾の大絡)
取穴部位
腋窩中央の下6寸、中腋窩線上の肋間に取る。
由来
「大」は総覧、「包」は概括のことである。本穴は脾の大絡であり、陰陽の諸経を総括しており、脾が五臓四肢を灌漑していることから、大包と命名されている。
参考文献:『針灸学[経穴篇]』東洋学術出版社


古典記載
『黄帝内経霊枢経脈篇』
経脈流注
脾足太陰之脈.起於大指之端.循指内側白肉際.過核骨後.上内踝前廉.上内.循脛骨後.交出厥陰之前.上循膝股内前廉.入腹属脾絡胃.上膈挟咽.連舌本.散舌下.
其支者.復従胃別上膈.注心中.

経別流注
足太陰之正.上至髀.合于陽明.與別倶行.上結于咽.貫舌中.此爲三合也.
十五絡流注
足太陰之別.名曰公孫.去本節之後一寸.別走陽明.
其別者.入絡腸胃.

「続く」 

2 コメント

  1. お久しぶりです。
    時々、覗いてはいましたよ^^
    いつも思っていましたが、この経絡経穴シリーズへの労力は凄いですね。
    これ作るの大変でしょう。
    ここで公開しているのは点天さんの取穴ですか?
    独自のものや変わった取穴部位も見たいですね^^

  2. 僕はこんな取穴しません(笑)
    うちに鍼灸学生が勉強に来てますが、
    学生用に空き時間で自分達で取穴して作るように言っています。
    朝、治療所に入って挨拶をするとき、
    決まって一人が変な姿で出てきますね(笑)
    見てるだけでは、もったあないのでなるべく自主的にするように心掛けています。
    取穴に関しては、突っ込みどころが沢山ありますが、
    口うるさく言うと先に進まないので、
    彼らにほとんど任せています。
    取穴はいわゆる教科書的な取穴です。
    どうせ覚えなければならないのだから
    体で覚えろということで。
    彼らにとってもいい思い出になるでしょうね。
    変わった取穴なんかも載せるように言っていますが、
    経別や経筋、奇経なんかもやって行きたいです。
    少しずつね。
    あ、kkskrさんのお弟子さんにもどうですか?

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