手陽明大腸経


  
大腸経流注写真
 
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 <商陽~肘髎>
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 <合谷取穴部位> 
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 <陽谿取穴部位> 
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 <曲池取穴部位>
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 <肩髃取穴部位> 
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経穴学 
○商陽(井金穴) 
取穴部位
示指橈側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る。
由来
『素問』六元正紀大論では、「大」「小」から陰陽の
区別をしている。「商」は金の音である。手の陽明経と
手の太陰経は表裏関係にあり、金に属している。
また手の陽明経は陽に属することから商陽と命名された。
○二間(滎水穴)
取穴部位
第2中手指節関節の下、橈側陥凹部に取る。
由来
「間」とは間隙のこと。本穴は第2中手指節関節の下の
陥凹にある。また本経の2番目の経穴であることから
二間と命名された。
○三間(兪木穴)
取穴部位
第2中手指節関節の上、橈側陥凹部に取る。
由来
「間」とは間隙のことである。本穴は第2中手指節関節の上の
陥凹にある。また本経の3番目の経穴であることから
三間と命名された。
○合谷(原穴)
取穴部位
第1・第2中手骨底間の下、陥凹部、第2中手骨よりに取る。
由来
『素問』気穴論では肉の大会するを「谷」とし、小会するを「谿」
としている。本穴は母指と示指が会うところであり、指を開いたときの
形が深い谷のようであることから合谷と命名された。
○陽谿(経火穴)
取穴部位
手関節後橈側にあり、母指を伸展してできる長・短母指伸筋腱の間の
陥凹部に取る。
由来
手背は「陽」であり、両筋の間の陥凹を「谿」という。
このため陽谿と名付けられた。
○偏歴(絡穴)
取穴部位
前腕後橈側にあり、陽谿穴から曲池穴に向かい上3寸に取る。
由来
不正を「偏」といい、通過を「歴」という。
大腸の経別はここより斜めに行き腕を通過し、また別れて手の太陰経に
走ることから、偏歴と名付けられた。
○温溜(郄穴)
取穴部位
前腕後橈側にあり、陽谿穴から曲池穴に向かい上5寸、
長・短橈側手根伸筋の間に取る。
由来
「温」とは陽気を指し、「溜」は「流」に通じている。
陽気が流れるという意味で温溜と名付けられた。
○下廉
取穴部位
前腕後橈側にあり、曲池穴の下4寸、長・短橈側手根伸筋の間に取る。
由来
「廉」とは菱形の角の意味である。本穴は曲池の下4寸にある。
肘を屈曲し拳をにぎると、この部分の筋肉が菱形に隆起することから
下廉と命名されている。
○上廉
取穴部位
前腕後橈側にあり、曲池穴の下3寸、長・短橈側手根伸筋の間に取る。
由来
「廉」とは菱形の角の意味である。肘を屈曲し拳をにぎると、この部分
の筋肉が菱形に隆起する。本穴は下廉の上1寸にあることから上廉と名付けられた。
○手三里
取穴部位
前腕後橈側にあり、曲池穴の下2寸、長・短橈側手根伸筋の間に取る。
由来
「里」は邑、居るの意味である。本穴は肘髎より3寸離れており、
大脈で居るところであるから手三里と名付けられた。
○曲池(合土穴)
取穴部位
肘を屈曲してできる肘窩横紋の外方で、上腕骨外側上顆の前に取る。
由来
肘を屈曲させたとき、本穴の部位に陥凹ができる。
この形が浅い池に似ていることから、曲池と名付けられた。
○肘髎
取穴部位
上腕骨外側上顆の上際で、上腕三頭筋外縁の陥凹部に取る。
由来
「肘」は肘尖を指し、「髎」とは骨の間隙を指している。
本穴は肘の骨の尖端にあるので、肘髎と名付けられた。
○手五里
取穴部位
曲池穴から肩髃穴に向かい上3寸に取る。
由来
「里」は邑、居るの意味である。本穴は肘関節外側上顆の上5寸に
あり、ちょうど大脈の中央にあることから、このように名付けられた。 
○臂臑
取穴部位
肩髃穴から曲池穴に向かい下3寸、三角筋の前縁に取る。
由来
上肢を「臂」といい、上臂を「臑」という。その所在する部位にもとづき
臂臑と命名された。
○肩髃
取穴部位
肩関節の前方、肩峰と上腕骨頭の間に取る。
(便法)患者の上肢を水平に持ち上げ、肩関節部の前後にあらわれる凹みのうち、
前の凹みに取る。
由来
「髃」とは肩端骨を指す。すなわち肩甲骨の肩峰端のことである。
本穴はその下方にあるため、肩髃と名付けられた。
○巨骨
取穴部位
鎖骨外端と肩甲棘の間の陥凹部に取る。
由来
「巨骨」とはもともと鎖骨を指している。本穴はその後方にあるため
巨骨と命名された。
○天鼎
取穴部位
扶突穴の後下方1寸、胸鎖乳突筋後縁に取る。
由来
高いところを「天」という。「鼎」は古代の銅器であり、足が3本あるものをいう。
本穴は缺盆、気舎と三角をなすことから、天鼎と命名されている。
○扶突
取穴部位
喉頭隆起の外方3寸で下顎骨の下方1寸に取る。
由来
高く隆起しているところを「突」という。ここでは喉頭隆起を指している。
「扶」とは現在の4横指のことで、同身寸の3寸にあたる。本穴は喉頭隆起から
3寸離れているため、扶突と名付けられた。
○禾髎
取穴部位
水溝穴の外5分に取る。
由来
唇にある髭は「禾」と形容される。また「髎」とは間隙のことである。
本穴は犬歯窩部にあるため、禾髎と名付けられた。
○迎香
取穴部位
鼻孔の外5分、鼻唇溝中に取る。
由来
本穴は鼻づまりがあり、臭いを嗅ぎとれないものを治療することができる
ことから迎香と名付けられた。
参考文献:『針灸学[経穴篇]』東洋学術出版社


古典記載 
『黄帝内経霊枢経脈篇』より
経脈流注
大腸手陽明之脈。起於大指次指之端。循指上廉。出合谷両骨之間。上入両筋之中。循臂上廉。入肘外廉。上臑外前廉。上肩出骨之前廉。上出於柱骨之会上。下入缺盆。絡肺下膈、属大腸。其支者。従缺盆。上頚。貫頬。入下歯中。還出挟口。交人中。左之右。右之左。上挟鼻孔。
経別流注
手陽明之正。從手循膺乳。別于肩髃。入柱骨。下走大腸。屬于肺。
上循喉嚨。出缺盆。合于陽明也。

十五絡流注
手陽明之別。名曰偏歴。去腕三寸。別入太陰。其別者。上循臂。乘肩髃。上曲頰偏齒。其別者。入耳合于宗脈。
経筋流注
手陽明之筋。起于大指次指之端。結于腕。上循臂。上結于肘外。上臑。結于髃。其支者。繞骨胛。挾脊。直者。從肩髃上頸。其支者。上頰。結于キュウ。直者上出手太陽之前。上左角。絡頭。下右頷。
経脈病証
是動則病齒痛頸腫。是主津液所生病者。目黄口乾。鼽衄喉痹。肩前臑痛。
大指次指痛不用。氣有餘當脈所過者熱腫。虚則寒慄不復。
十五絡病証
實則齲聾。虚則齒寒痹隔。
経筋病証
其病當所過者支痛及轉筋。肩不挙。頸不可左右視。

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