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琵琶湖
琵琶湖より(知人が旅行先から写真を送ってくれました。山や水面が綺麗ですね!)

こんにちは、大原です。
前回は小建中湯の働きを
金匱要略の条文に沿ってみていきました。
(前回:【方剤学】小建中湯①(虚労 その4)
虚労の黄疸に用いるとあります。)

今回は、さらに別の条文から
小建中湯の働きをみていきたいと思います。

<②金匱要略 血痺、虚労病の脈証ならびに(第六)15条>
虚労裏急りきゅうじく
腹中痛、夢失精ゆめしっせい、四肢痠疼さんとう
手足煩熱はんねつ咽乾口燥いんかんこうそうするは、
小建中湯之を主る。

→意味:虚労病で、裏急(腹のひきつり)、動悸、鼻血、
腹痛、夢で失精し、四肢が痛み、
手足がほてり、口や咽が乾燥するときは
小建中湯の主治である。

この条文には色々な症状が出てきていますが、
裏急(腹のひきつり)、腹中痛、四肢疼痛は
陽気の不足を、
動悸、衄(鼻血)、夢失精(夢精)、
手足煩熱(ほてり)、口や咽の乾きは
陰液の不足を示すそうです。

気血を生み出すのは中焦ですが、
その中焦の働きを高める小建中湯で、
陰陽気血の源を補充するという考え方です。

金匱要略には、もう一つ
小建中湯が出てくる条文があります。

<③金匱要略 婦人雑病の脈証ならびに(第二十二)18条>
婦人、腹中痛むは、小建中湯之を主る

→婦人が腹中を痛むときは小建中湯の主治である。

シンプルな条文ですね。

これまでの条文の解釈から考えるに、
中焦の弱りや冷え(虚寒)による腹痛に
小建中湯が有効ですよ、
ということでしょう。
もしかすると、
この書物が記された時代の女性の腹痛とは、
虚寒によるものが主だった
ということかも知れませんね。


参考文献:
『入門 金匱要略』 南山堂
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』
『傷寒雑病論』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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