こんにちは、為沢です。
張仲景の古医書『傷寒論しょうかんろん』の解説です。

今回の傷寒論は弁厥陰病脈証并治 三百七十四章。
この章では、厥陰化熱証が実した場合の証治について詳しく述べております。



下利譫語者、有燥屎也、宜小承気湯
下痢をして譫語をみる場合は、胃腸の燥熱が実している。
この下痢は燥屎が腸中に結し、
燥熱が津にひっぱくして下降したことにより生じたのである。
これは厥陰風火と陽明燥気が相合し、陽明腑実証が形成されたことによる。
しかし通常の腑実証とは異なり、厥陰病における変証の一つであるから、
下法は特に注意して行わなければならない。
従って小承気湯を用いて微和・胃気を行い治療する。

小承気湯
こちらを参照→【古医書】傷寒論: 弁陽明病脈証并治 二百十三章・二百十四章

提要:
厥陰化熱証が実した場合の証治について。

『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
下痢があってしかも譫語を発していれば、体内に燥屎がある証拠で小承気湯で治療する。
大黄四両、酒で洗う  枳実三個、炙る  厚朴二両、皮を除く、炙る 
右の三味を、四升の水で、一升二合になるまで煮て、滓を除き、二回に分けて服用する。
初めの一服で譫語が止み、或いは排便があれば、二服目は服用しない。
そうでない場合は、二服目も服用する。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社

『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房

『増補 傷寒論真髄』  績文堂

『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:為沢 画

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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