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「養生に志しあらん人は、
心つねに主あるべし。
主あれば、思慮して是非をわきまへ、
怒をおさえ、慾をふさぎて、あやまりすくなし。
心に主なければ、
思慮なくして怒と慾をこらえず、
ほしいままにしてあやまり多し。」

貝原 益軒『養生訓』より

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下野です。
以前に「養生が出来ない者へ」(こちら → https://www.1sshindo.com/blog/zenith13532/
という記事を書き、
そこでは無知がよくないよと説いていましたが、
貝原先生はまた異なった書き方をなさっています。

では早速、
冒頭の文章を現代語訳にしてみましょう。
「養生を志す者は、
心(己)に常に主があると思えばよい。
主があれば、
何事にも慎重に考えてわきまえ、
怒りを抑え、欲をこらえ、間違いが少なくなる。
もし主がない場合は、
己の思いそのままで思慮がなく、
怒りや欲を抑えきれず、間違いが多くなるだろう。」
といったところでしょう。

主と書いてはいますが、
信念と言う言葉で訳されています。
自分の信念があれば
善悪を見分けることが出来きるぞ。
といったもので、
簡単に言ってしまえば、
養生の道には信念が必要だと言い切っております。

本文中にある感情の乱れや
欲に負けるということもあるでしょうが、
世間に流されるといったことも
考えられるのではないでしょうか。
現代で言えば、
・●●には温めなさい
・風邪には葛根湯
・水は1日●ℓ飲みなさい
・花粉症にはヨーグルト 等々
たしかにこれで効果がある方もいますが、
万人に効果があるわけではありません。
当院の患者さんにはお伝えしていますが、
逆に悪化してしまうこともあるわけで。

でもこの信念に関しても、
特別 養生に限ったことではなく、
日常の生活にも通じるものですので
『養生訓』=養生の書物
に限ったものではないなと色々考えてしまいます。

では。

2月下旬 サクラ(蕾)
2月下旬 サクラ(蕾)

まだまだ寒い日が続きますが、
少しずつ春を感じるようになりました。
この季節も勿論 養生が必要ですね。


<参考文献>
『養生訓』 貝原守一博士校訂本
『口語 養生訓』 日本評論社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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