先日、知人の安産を祈願しに
奈良にある「帯解寺」に行ってきました。
平日ながら多くの妊婦さんが来られており、
砂利道で転ばないか内心ヒヤヒヤしておりましたが、
お腹の大きな奥さんが怪我をしないよう、
ご主人さんがしっかりサポートされている姿を見て、
何かとても良い気分になりました。

では難経の記事に参ります。


十難曰、
一脈為十変者、何謂也。

然。
五邪剛柔相逢之意也。
仮令心脈急甚者、肝邪干心也。
心脈微急者、胆邪干小腸也。
心脈大甚者、心邪自干心也。
心脈微大者、小腸邪自干小腸也。
心脈緩甚者、脾邪干心也。
心脈微緩者、胃邪干小腸也。
心脈渋甚者、肺邪干心也。
心脈微渋者、大腸邪干小腸也。
心脈沈甚者、腎邪干心也。
心脈微沈者、膀胱邪干小腸也。
五蔵各有剛柔邪、故令一脈輒変為十也。


一臓を反映する脈象には十種類の変化がある様だが、
それはどういった状況なのか。

答え。
五臓五腑の病邪は、相互に影響し伝変する。
左手寸位の心脈を例に挙げてみると
・甚だしく急の場合は、肝邪が心を侵犯。
・微かに急の場合は、胆邪が小腸を侵犯。
・甚だしく大の場合は、心邪が心自体を侵犯。
・微かに大の場合は、小腸邪が小腸自体を侵犯。
・甚だしく緩の場合は、脾邪が心を侵犯。
・微かに緩の場合は、胃邪が小腸を侵犯。
・甚だしく渋の場合は、肺邪が心を侵犯。
・微かに渋の場合は、大腸邪が小腸を侵犯。
・甚だしく沈の場合は、腎邪が心を侵犯。
・微かに沈の場合は、膀胱邪が小腸を侵犯。
五臓すべてが臓腑の邪の影響を受けるため、
一臓の脈象には十種類の変化が生じるのである。


<解説>
本難では臓腑の邪気を「五邪」と略称し、
病変過程における臓腑の病邪の伝変関係を表している。
臓邪が臓を侵犯した時、脈は甚だしくなり
腑邪が腑を侵犯した時はその脈は微である。

ここでは「心」と「小腸」が挙げられているが、
これは共に表裏をなしている為である。


<参考文献>
「難経解説」 東洋学術出版社
「難経鉄鑑」 たにぐち書店

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