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どうも下野です。
今回は『薬性の歌』の記事になります。


【原文】
牡蠣微寒、渋精止汗、崩帯脇疼、老痰祛散。
練子味苦、膀胱疝気、中湿傷寒、利水之剤。
萆薢甘苦、風寒湿痺、腰背冷疼、添精益気。
寄生甘苦、腰痛頑麻、続筋壮骨、風湿尤佳。
続断味辛、接骨続筋、跌撲折損、且固遺精。

<第四十一に続く>


【解説】
牡蠣は微寒。
精を渋ら自汗を止める。
崩帯、脇疼、痰証に用いる。

練子は味苦。
膀胱の疝気や中湿、傷寒に。
水を利する薬剤である。

萆薢は甘苦。
風寒、湿痺、腰背部の冷疼に。
精を添えて気を益す。

寄生は甘苦。
腰痛、重度の麻痺に用いる。
風湿を捌くのにすぐれている。

続断は味辛。
筋骨折傷や跌打損傷に用いる。
かつ遺精を治す。

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牡蠣ぼれい

牡蠣
牡蠣

イタボガキ科マガキ、その他同属動物の貝殻。
性味:鹹・渋・微寒
帰経:肝・胆・腎
効能:
①鎮驚安神
・心神不寧の驚きやすい、びくびくする、焦燥感、不眠等に。

②益陰潜陽
・熱病傷陰・虚風内動の手足のひきつり、震え等に。
方剤例 → 二甲復脈湯。
・肝陰虚や肝陽上亢のふらつき、頭痛、耳鳴り等に。
方剤例 → 鎮肝熄風湯。

③収斂固脱
・自汗や寝汗に。
方剤例 → 牡蠣散・柏子仁丸。
・遺精・滑精に。
方剤例 → 金鎖固精丸。
・不正性器出血や月経過多、帯下に。
方剤例 → 清帯湯・牡蠣丸。

④軟堅散結
・頚部のリンパ節腫やしこり、肝腫・脾腫に。
方剤例 → 消瘰丸・治肝脾腫大方。

⑤その他
・胃痛呑酸に用いる。

楝子れんし

正名は苦楝子。
センダン科トウセンダンの成熟果実。
性味:苦・寒・小毒
帰経:肝・胃・小腸・膀胱
効能:
①疏泄肝熱・解鬱止痛
・肝鬱気滞・肝鬱化火の胸脇部の痛み、
イライラ、口が苦い等に。
方剤例 → 金鈴子散。
・肝腎陰虚の胸脇部、胃の痛み、口や喉の渇き等に。
方剤例 → 一貫煎。

②行気止痛
・寒疝の下腹部痛、陰嚢収縮に。
方剤例 → 導気湯・天台烏薬散・金萸丸。
・睾丸の腫痛や湿熱下注の疝痛にも。

③殺虫
・虫積の腹痛に。

萆薢ひかい

ヤマイモ科の
オニドコロやタチドコロなどの根茎。
性味:苦・平
帰経:腎・胃
効能:
①利湿祛濁
・下焦湿濁による膏淋や排尿困難、帯下等に。
方剤例 → 萆薢分清散。

②祛風除痺
・風湿痺の痛みに。

④その他
・皮膚湿疹や瘡毒に。

寄生きせい

処方名は桑寄生そうきせい
ヤドリギ科の各種植物の帯葉茎枝。
性味:苦・甘・平
帰経:肝・腎
効能:
①祛風湿・養血・強筋骨
・肝腎不足の風湿痺による腰や膝の無力感、
関節痛や運動障害等に。
方剤例 → 独活寄生湯・筋骨痺痛方。

②補肝腎・安胎
・精血不足の胎動不安、性器出血、習慣性流産等に。
方剤例 → 寿胎丸・桑寄生散。

続断ぞくだん

マツムシソウ科の根。
性味:苦・甘・辛・微温
帰経:肝・腎
効能:
①補肝腎・活絡止痛
・肝腎不足、血脈不利の膝や腰の痛み、下肢の無力感等に。
方剤例 → 続断丸。
・風寒湿痺の関節痛や強張り、痺れに。
方剤例 → 続断丸。

②通血脈・続筋骨
・打撲損傷や挫傷、骨折等に。
方剤例 → 接骨散。

③固経止崩・安胎
・肝腎不足の不正性器出血、妊娠中の性器出血、胎動に。
方剤例 → 寿胎丸・続断丸。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
『中医病因病機学』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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