其政悶悶、其民淳淳。
其政察察、其民缺缺。
禍兮福之所伏。孰知其極。
其無正、正復爲奇、善復爲妖。人之迷、其日固久。
是以聖人方而不割、廉而不劌、直而不肆、光而不耀。

 

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政治がぼーっと大まかであれば、
人民は純朴である。
政治が厳しくこまかいと、
人民はずるがしこい。
災禍には幸福が寄りそっており、
幸福には災禍がひそんでいる。
だれがその窮極を知っていようか。
そもそも絶対的正常などはないのだ。
正常はまた異常になり、
善事また妖(マガゴト)になる。
人々がこの相対の道に迷っているのも、まことに久しいことだ。
そういうわけで聖人は、
方正であっても人を傷つけず、
切れ味するどくても人を刺さず、
まっすぐであってもそれを押し通さず、
光っていても人の目を眩まさない。

 

『老子 峰屋邦夫訳注/岩波文庫』より抜粋
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