宮村です。
以前にも書籍を紹介させて頂いたのですが、
今回も東洋医学の話を一旦ブレイクしまして
お気に入りの本を紹介したいと思います。

『ガダラの豚』実業之日本社 
『ガダラの豚』実業之日本社

今回紹介するのは『ガダラの豚』という小説です。
これは小説家の中島らも氏によって書かれた小説で、
1993年に実業之日本社から出版されています。

最初に読んだのが
大学時代、図書館で借りて読んだのですが
表紙の雰囲気が気になったので
手に取ったのを朧げながら覚えています。

この作品は日本とアフリカを舞台に
学者、手品師、詐欺師、呪術師等々
怪しく個性溢れる登場人物達がおりなす
一大エンターテイメントになります。
ジャンルとしてはミステリーに近いかもしれませんが、
そんな枠ではくくれない面白さがあります。

私はアフリカやアマゾンを舞台にした
独特のホコリっぽく粘り着くような世界観が
たまらなく好きなのですが、
『ガダラの豚』は3部構成で
2部のアフリカを舞台にした話が特にお気に入りです。

そこは呪術がほんとうに存在する世界。
(もしくはあると信じている世界)
古い土着の信仰がまだまだ根強い地域で
昔はアフリカだけでなく世界中で
そういった時代が存在したはずです。

現代の日本では人が人を裁きますが、
そこでは呪(まじない)が法律であり、
人間ではない超常的な存在(神?、悪魔?)に裁きを
委ねてしまおうという考え方です。
これは今で言う「悪い事したらバチがあたる」とか
「地獄に落ちるぞ」というのに近いですが、
ただ違いは住民はそれを本当にあるものだと
信じ込んでいるという点です。

小説の中に出てくる逸話に
アフリカの原住民が実際に行った
カラバル豆を使った裁判方法の話がある。
これは毒のある豆を原告と被告両方に食べさせ
死んだら有罪、生き残ったら無罪という
ひどくシンプルなものであるが
これらにも科学的な見解や解説がなされ、
(ぜひ実際に読んで確かめてみて下さい。)
読んでいるといい方法かもしれないと
思えてきて不思議です。

最初はかなり分厚い本で圧倒されるかもしれませんが、
のめり込んで一気に読めてしまう作品です。
オススメの本なので興味があればぜひ手にとって読んでみて下さい。

宮村

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