Tenor Banjo / ペン・鉛筆
Tenor Banjo / ペン・鉛筆

こんにちは、為沢です。
絵はテナーバンジョーという楽器です。
これは私の音楽の師より今年の夏に授かった(正確に言えば買わされた笑)バンジョーでして、
弾くと”ペン ペケペケペケ”とヘンテコでええ音出すんで、良い気分転換になってます。
まだまだ腕は下手っぴですが愛着が湧いてきたので描いてみました。


ここからは、張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。

今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(下)百五十二章。
風邪が水を動かしたことにより、胸脇に水飲が集まった場合の証治について詳しく述べております。


弁太陽病脈証并治(下)百五十二章

太陽中風、下利嘔逆、表解者、乃可攻之。
其人漐漐汗出、發作有時、
頭痛、心下痞、鞕滿、引脇下痛、

乾嘔、短氣、汗出、不惡寒者、
此表解裏未和也、十棗湯主之。

莞花 甘遂 大戟
右三味、等分、各別擣爲散、以水一升半、
先煮大棗肥者十枚、取八合、去滓、内藥末、強人服一錢匕、
羸人服半錢、溫服之、平旦服、若下少、病不除者、明日更服
加半錢得快下利後、麋粥自養。

和訓:
太陽中風、下利嘔逆し、表解するものは、乃ち之を攻むべし。
其の人漐漐として汗出で、發作に時あり、
頭痛、心下痞鞕して満し、脇下に引き痛み、

乾嘔短気し、汗出で悪寒せざるものは、
此れ表解し裏未だ和せざるなり。十棗湯之を主る。

芫花熬る 甘遂  大戟
右三味、等分し、各別に搗きて散と為し、水一升半を以て、
先ず大棗肥なるもの十枚煮て、八合を取り、滓を去り、薬末を内れ、強人は一錢匕を服し、
羸人は半錢を服し、之を溫服し、平旦に服す。若し下ること少なく、病除かざる者は、明日に更に服し、
半錢を加う。快下利を得て後、麋粥にて自ら養う。


太陽中風、下利嘔逆、表解者、乃可攻之
太陽中風証の症状があり、
下痢・嘔逆は素よりある裏証である。
下行すれば下痢。上逆すれば嘔逆となる。
治法は先表後裏の治療原則に従い、まず表邪を解消させるべきで、
先に裏の飲邪を攻めると表邪が内陥して壊証が生じる。
解表したのを確認すれば、裏を攻めるとよい。

其人漐漐汗出、發作有時、頭痛、心下痞、鞕滿、引脇下痛、
乾嘔、短氣、汗出、不惡寒者、此表解裏未和也、十棗湯主之
水飲が胸脇部に結集するので、三焦部位の気が流通悪くなるため、
汗が出たり、頭痛、乾嘔(空えずき)短気(呼吸切迫)などがみられる。
十棗湯がこれを主治する。
十棗湯は水飲だけが疾病の原因であり、熱邪は関係ない。
瀉熱剤は用いず、芫花、甘遂、大戟を用いて水飲を駆逐するのだが
これらだけでは、水飲を劇しく瀉下するので、脾胃を傷つけぬように
大棗を10個を煎じた液で、芫花、甘遂、大戟の粉末を服用するようになっている。
大棗を用いることで、中焦脾土を補い、脾気を扶けて水の運化を制御する
とともに、三薬の毒性も抑える。

十棗湯

 

芫花
芫花

芫花(げんか)
基原:
ジンチョウゲ科のフジモドキの花蕾。

芫花は苦寒で、瀉水逐痰の峻薬である。
とくに消痰飲積聚にすぐれ、
痰飲喘咳・痛引胸脇および水腫腸満・二便不通に適する。

 

甘遂
甘遂

甘遂
基原:
トウダイグサ科のトウダイグサ属植物の根。

甘遂は苦寒で、苦で降泄し寒で除熱し、
二便を通利して瀉水除湿する嵯薬であり、
また逐痰滌飲に働く。

主に水湿壅盛による水腫腸満・
二便不通の形症倶実の陽実水腫に用い

また痰飲積聚の癲癇痰涎壅盛にも使用する。
外用すると消腫散結の効能がある。

 

大戟(たいげき)
基原:
トウダイグサ科のトウダイグサ属植物の根が
古来の正品で京大戟と称する。
現在多くの出まわる紅芽大戟はアカネ科の根であるとされる。

大戟は苦寒下泄し、
二便を通利して瀉水逐痰する嵯薬であり、水腫喘満・痰飲積聚に用いる。
消腫散結にも働き、癰腫瘡毒・瘰癧痰核に内服・外用する。

提要:
風邪が水を動かしたことにより、胸脇に水飲が集まった場合の証治について。

訳:
太陽の中風証に罹り、下痢嘔吐が出現し、
表証はすでになくなっていれば、その時には攻下法を用いてよい。
もし患者が全身にうっすら汗をかき、これが定期的に現れ、
頭痛して、心下部につかえて硬く膨満し、さらに両脇下までひきつれて痛み、
乾嘔し、呼吸が急迫し、汗は出るが悪寒がない場合は
表邪はすでに除かれたが裏気が和していない状態だ。十棗湯で治療する。
莞花焙る  甘遂 大戟
右の三味は、等量ずつ、それぞれを別々に搗いて散にする。
一升半の水で、まず大き目の大棗十個を八合まで煮て、滓を除き、

そこへ薬末を、頑強な人は一銭匕、虚弱な人は半銭を入れ、温めて、明け方に服用する。
もし下痢が充分でなくて、病が治癒したいなら、翌日にもう一度、半銭を追加して服用する。
すっきりと下痢したあとは、よく煮た粥を摂って自然に治るよう養生する。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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