下積み修行中の大原さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。

大阪のカフェにて
大阪のカフェにて

修行生の大原です。
先日、ある東洋医学の勉強会で
「胃の気」についての講義を受けました。
講師の先生は、「『胃の気』があれば、
重い病でも好転する可能性がある」ということを、
ご自身の臨床経験をもとにお話され、
大変勉強になりました。
では、「胃の気」とは一体何でしょうか。

多くの古典で「胃の気」について定義されています。
例えば「胃の気の有無は生死を決定する」
ということや「胃の気とは胃の腑の働きであり、
どのような疾病でも第一とされなければならない」
ということです。

六腑の一つである「胃」は、
口から入った飲食物を、受納・腐熟(消化)する
機能をもっています。
腐熟された飲食物は水穀の精微となり、
脾によって吸収されて上輸され、肺が全身を栄養します。
すなわち、後天の気が全身を栄養するための入口が
「胃」であるということです。

さらに、脾は、胃と表裏一体で大変関係が深く、
両方とも中焦に位置します。
脾は昇清を、胃は降濁を担当し、
それぞれの機能は脾胃自体の代謝を高めるだけでなく、
下記のように五臓六腑の昇降出入(気の運動形式、気機)の
かなりの部分も担っています。

肝腎の気は脾気に従って上昇し、心肺に運ばれる。
反対に心肺の気は胃気に従って下降し、肝腎に戻る。
したがって脾胃の昇降運動がなければ、清陽の気は
行き渡らないし、後天の精は収蔵されず、
飲食物の清気は摂取されないし、
痰濁や老廃物は排出されない。
すなわち、脾胃の運化が正常でなければ、
「清陽は上竅に出で、濁陰は下竅に出で、
清陽はそう理に発し、濁陰は五臓に走り、
清陽は四肢を実し、濁陰は六腑に帰す」
(『素問』至真要大論篇)という機能を維持することはできない。
『中医病因病機学(東洋学術出版社)』より抜粋

このように、「胃」は飲食物の入口で
五臓六腑を支える重要な役割があり、
その気が途絶えてしまうと気機失調となり
五臓六腑の通常の機能が失われ、
ひいては生命の維持ができなくなってしまいます。

脈診や舌診など、様々な診断から
「胃の気」を読みとることができるようです。
「胃の気」の有無や変化を感じ取れるよう、
しっかり学んでいきたいと思います。


参考文献:
『基礎中医学』 燎原
『胃の気の脈診』 森ノ宮医療学園出版部
『中医病因病機学』 東洋学術出版社

*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

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