垂水の風景
垂水の風景

どうも、新川です。

先日、兵庫県の垂水に足を運んだ際に、
街の風景が気になったのでおさめてみました。

海辺に近いこともあり、
風が吹くと潮の香りを感じることが出来ます。
少しリゾート風の建物、昔からある商店街、
アウトレット、漁港など
さまざまなモノがある街でした。
大阪から垂水へ行く途中、
山陽電車からの海や山の風景が鮮やかです!

さて今回は、
腹中論篇についてです。


今回は、腹中論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。


【腹中論篇 第四十】

【鼓脹】

黄帝がいう。
「一種の胃脘腹部が脹満する病があり、
早朝には食物を食べられるが、
夜になるともう食べることができなくなる。
これはどのような病であろうか。」
岐伯が答える。
「この種の病は※1鼓脹とよびます。」
黄帝がまた問う。
「どのように治療をするか。」
岐伯がいう。
「治療には※2鶏矢醴を用います。
一剤で効果が現れ、二剤で治すことができます。」

黄帝がいう。
「この病はときには再発することがあるが、なぜか。」
岐伯がいう。
「それは飲食の不注意によるのです。
そのためにときに再発するのです。
実際には、この種の病の治療経過では、
表面上はすっかり治ったように見えても、
病根がなお残っていることがあって、
飲食不摂生があればすぐに病の邪気が腹中に集まります。
このためにしばらくしてまた再発するのです。」

※1鼓脹
→腹部が太鼓のように膨張し、
腹皮に青筋が浮き出ることを特徴とする病証。
症状としては、腹部が脹大する・青筋がはっきり浮き出る
皮膚は蒼黄色・四肢には浮腫がないといった特徴。
本病証は、ストレスや飲食の不摂生・過度の飲酒
長期間の虫積によって肝脾を損傷し、
脾胃が受傷して気機が阻滞して、
気滞血瘀となり、水湿が不化となって起こる。

※2鶏矢醴〔ケイシレイ〕
→薬酒名。
張景岳 の説
「鶏矢(屎)の性は、積を消し気を下し、大小二便を通利する作用がある。
実邪を攻め下す薬物であろう。」

【血枯】

黄帝がいう。
「一種の胸脇が脹満する病があり、飲食を妨げ、
発病時にはまず生臭いにおいを感じ、
口中に清水があふれ、まず血を吐き、続いて手足が冷え、目がまわり、
大小便にもしばしば血が混じる。
これは何病であろうか。また、原因は何であろうか。」
岐伯がいう。
「この種の病を血枯とよびます。
これは若いときに大出血をしたことがあって、
その病根が残っているのです。
あるいは酒に酔って房事を行い、精気を消耗し、
肝臓を傷めて、月経が滞り、甚だしいときは無月経となったからです。」
黄帝がいう。
「治療はどうするか。どのような方法で回復させるか。」
岐伯がいう。
「四分の※1烏鰂骨と、一分の※2藘茹(茜草)の二物を混ぜ、
雀卵でねって小豆大の丸薬を作り、
この五丸を食前に干魚の汁で服用させます。
これによって腸中を通利し、傷〔ソコナ〕われた肝臓を回復させます。」

※1烏鰂骨
→イカの骨
『本草綱目』に
「女子の血枯病、傷肝、唾血、下血を主る」とある。
※2藘茹〔リョジョ〕
→茜草
『本草綱目』に
「経脈を通じ、血をいきいきさせ、血を行らす」とある。
現代では、茜草根〔センソウコン〕があり、
効能として、止血化瘀・凉血行瘀があげられる。

婦人の脾胃久しく虚し、あるいは形痩せ気血ともに衰えて、経水は断絶不行を致す。
あるいは中消胃熱を病み、よく食して漸痩し、津液は生ぜず。
それ経は血脈津液の化すところ、津液すでに絶え、
熱の灼するところとなれば、肌肉は消痩し、
時に渇燥あらわれ、血海は枯渇す。病名は血枯経絶という。
〔蘭室秘蔵・婦人門〕より

【伏梁】

黄帝がいう。
下腹が堅くなり盛り上がる病があり、
その上下左右すべてに根があるが、これは何の病か。
治せるかどうか。」
岐伯がいう。
「病名は※1伏梁とよんでいます。」
黄帝がいう。
「伏梁病はどのような原因で起こるのか。」
岐伯がいう。
「この病は下腹部で大量の膿血が袋に包まれた状態になっていて、
腸胃の外側に盤踞していて、治すことができません。
診察や治療の際に力を加えて按じてはいけません。
重按すると死に至ります。」
黄帝がいう。
「なぜそうなるのか。」
岐伯がいう。
「この病が下に向えば、下腹部から二陰、つまり肛門や外生殖器に及び、必ず膿血が下ります。
上に向えば胃脘部の間に膿癰を形成します。
この種の病気は、根が深く慢性化して治し難いのです。
これがもし臍の上にできた場合には更に危険です。
臍の下にできた場合にはいくらかよいのですが、
決して性急に按摩したりして真気を奪うようなことをしてはなりません。
この種の病に対する詳しい討論は『刺法』中にあります。
※1伏梁〔フクリョウ〕
→脘腹部に塊状の痞満(胸脘部がつまって通じないこと)がある病証をさす。
主に臍上から心窩部にかけて腫塊があり、
それが上下左右に移動して治りにくい。
寒熱互結、気血阻滞によっておこることが多い。

黄帝がいう。
「髀〔大腿〕・股・䯒〔下腿〕などすべて腫れ、
しかも臍のまわりが痛む病があるが、
これは何の病であるか。」
岐伯がいう。
「これ〔も〕病名を伏梁とよんでいます。
これはもともと長い間風寒を受けて起きるものです。
風寒の邪気が大腸に充満し溢れて肓膜にくっつきますと、
肓膜の原〔モト〕は臍下の気海ですから、臍のまわりが痛むのです。
〔軽率に〕攻下の方法を用いてその気を振動させてはいけません。
もし誤って攻下すれば、小便が渋って出にくい病を引きおこします。」

【熱中・消中】

黄帝がいう。
「あなたはしばしば、※1熱中や消中の病の際には、
濃厚な味の食物を食べてはならないし、
芳香性の薬草や鉱物性薬物を服用してはならないといっている。
なぜなら鉱物性薬物は癲〔一種の抑鬱性の精神病〕を起こしやすいし、
芳香性の薬草は狂〔一種の興奮性の精神病〕を起こしやすいからである。
しかし熱中や消中の病になるのは、多くは富貴な人であるから、
ご馳走を制限したら精神的に不満がつのるであろうし、
また芳香性薬草や鉱物性薬物を用いなくては、
充分な治療ができないのではなかろうか。
この二つの難問をどのように処理したらよいか、意見を聞きたい。」
岐伯がいう。
「芳香性の薬草の気は辛で激しく、
鉱物性薬物の気も猛烈で、この両種の薬物はすべて急激で強堅な気を持っています。
性情が温和な人でなければ、軽々しく服用してはなりません。」
黄帝がいう。
「どうしてこの両種の薬物を服用してはならないのか。」
岐伯がいう。
「〔身体の〕熱気はもともと激しいものですし、薬物の気もまた激しいので、
両者が体内でぶつかり合うと、恐らく脾気を損傷するでしょう。
脾気は土に属し、土は木の剋するのを悪みます。
もしこの種の薬物を服用すると、
甲〔キノエ〕と乙〔キノト〕の日に至って病はさらに悪化するでしょう。
〔木性の甲・乙の日に相剋が現れるという意味である。〕
黄帝がいう。
「よくわかった。」

※1熱中や消中
→消渇
「消」には
①消痩
②消灼・消耗
の2種類の意味がある。
「消渇」とは、渇いて多飲・多食・多尿するがかえって痩せて体重が減少するという、
「三多一少」と称される一連の症状を伴う病証を指す。

【厥逆】

※1一種の胸が腫れ頚が痛み、
胸や腹が脹満する病
があるが、これは何の病であるか。
どのような原因で起こるのか。」
岐伯がいう。
「病名は※2厥逆といいます。」
黄帝がいう。
「どのように治療するのか。」
岐伯がいう。
「灸法を用いれば声が出なくなり、
砭石〔石はり〕を用いれば発狂します。
陰陽の気が上下に交流するのを待って、
初めて治療することができます。」
黄帝がいう。
「それはなぜか。」
岐伯がいう。
「陽気が上にのぼり過ぎ、身体の上部に有り余る状態になると、この病が起こります。
もしこのとき灸法を行いますと、火を済うのに火を以てすることになり、
陽が極まって陰に乗じ、声が出なくなります。
もし砭石を用いてこれを刺しますと、陽気は刺したところから外に泄れ、
精神が異常となって発狂します。
この種の病を治療するには、必ずその陰陽の気が上下に交じり合うのを待ち、
落ち着いてから治療をすれば、治すことができます。」
黄帝がいう。
「よくわかった。」

※1一種の胸が腫れ頚が痛み、胸や腹が脹満する病
→膺腫、頸痛、胸満、腹張
馬蒔の説
「膺〔前胸部両側の筋肉が隆起した部分〕・頸・胸・腹はすべて上焦と中焦にある。
いま膺腫、頸痛、胸満、腹張するのは、則ち下気が上逆するのであり、病名を厥逆という。」

※2厥逆
→張景岳 の説
「これは陰が陽に併合され、下気が上逆したものであり、
そこでこの病を厥逆と名づける。」

【熱病】

黄帝がいう。
「一種の発熱して痛みを訴える病があるが、
これはどのような理由によるものか。」
岐伯がいう。
「一般に熱病は陽に属していて、
すべて陽脈に現れます。
三陽の脈が盛んに動くのを見て、
もし人迎脈が寸口脈の一倍ならば、病は少陽にあります。
二倍ならば、病は太陽にあります。
三倍ならば、病は陽明にあります。
もし病邪が陽から陰に入りますと、
病はそこで頭部から腹部にまで及ぶことになり、
腹脹と頭痛が見られるようになります。」
黄帝がいう。
「よくわかった。」


黄帝問曰、有病心腹満、旦食則不能暮食。此為何病。
岐伯対曰、名為鼓脹。
帝曰、治之奈何。
岐伯曰、治之以鶏矢醴、一剤知、二剤已。
帝曰、其時有復発者、何也。
岐伯曰、此飲食不節、故時有病也。雖然其病且已、時故当病、気聚於腹也。

帝曰、有病胸脇支満者、妨於食。病至則先聞腥臊臭、出清液、先唾血、四支清、目眩、時時前後血。病名為何、何以得之。
岐伯曰、病名血枯。此得之年少時有所大脱血。若酔入房中、気竭肝傷。故月事衰少不来也。
帝曰、治之奈何。復以何術。
岐伯曰、以四烏鰂骨一藘茹二物并合之、丸以雀卵、大如小豆。以五丸為後飯、飲以鮑魚汁、利腸中及傷肝也。

帝曰、病有少腹盛、上下左右皆有根。此為何病。可治不。
岐伯曰、病名曰伏梁。
帝曰、伏梁何因而得之。
岐伯曰、裹大膿血、居腸胃之外、不可治。治之毎切按之致死。
帝曰、何以然。
岐伯曰、此下則因陰、必下膿血、上則迫胃脘、生鬲、侠胃脘内癰。此久病也。難治。居斉上為逆、居斉下為従。勿動亟奪。論在刺法中。

帝曰、人有身体髀股䯒皆腫、環斉而痛。是為何病。
岐伯曰、病名伏梁。此風根也。其気溢於大腸、而著於肓。肓之原在斉下。故環斉而痛也。不可動之。動之為水溺渋之病。

帝曰、夫子数言熱中消中、不可服高梁芳草石薬、石薬発瘨、芳草発狂。
夫熱中消中者、皆富貴人也。今禁高梁、是不合其心。禁芳草石薬、是病不愈。願聞其説。
岐伯曰、夫芳草之気美、石薬之気悍。二者其気急疾堅勁。故非緩心和人、不可以服此二者。
帝曰、不可以服此二者、何以然。
岐伯曰、夫熱気慓悍、薬気亦然。二者相遇、恐内傷脾。脾者土也、而悪木。服此薬者、至甲乙日更論。
帝曰、善。

有病膺腫頸痛胸満腹脹。此為何病。何以得之。
岐伯曰、名厥逆。
帝曰、治之奈何。
岐伯曰、灸之則瘖、石之則狂、須其気并、乃可治也。
帝曰、何以然。
岐伯曰、陽気重上、有余於上。灸之則陽気入陰、入則瘖、石之則陽気虚、虚則狂。須其気并而治之、可使全也。
帝曰、善。

何以知懷子之且生也。
岐伯曰、身有病而無邪脈也。

帝曰、病熱而有所痛者、何也。
岐伯曰、病熱者、陽脈也。以三陽之動也、人迎一盛少陽、二盛太陽、三盛陽明。
入陰也、夫陽入於陰。故病在頭与腹、乃䐜脹而頭痛也。
帝曰、善。


参考文献:
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『素問ハンドブック』 医道の日本社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

新川

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