どうも、新川です。

太宰府の梅
太宰府の梅

最近梅の画像ばかりアップしておりますが、
季節のものということでご容赦下さい(笑)
画像の梅は、
三月下旬の福岡・太宰府天満宮の梅でございます。
残念ながら『飛び梅』はすでに散り始めておりましたが、
それ以外にもきれいな梅が多く咲いており、
観光されていた外国の方も大興奮しておりました。
ちなみに観光地に行くと、
ほぼ確実に「写真お願いできますか?」と
言われてしまいます。不思議です。


さて今回は、
刺瘧篇についてです。


今回は、刺瘧篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。


【刺瘧篇 第三十六】

一般に瘧疾の治療に際しては、
発作の前、食事を取る時間ほどの時に行うべきである。

このときに遅れると機会を失ってしまう。
一般に瘧疾の際に脈が触れない場合には、
急いで十指の間を刺して瀉血する。
出血すれば必ず回復する。
もし先に身体に小豆のような発赤を見れば、そのすべてに鍼を刺す。
以上、十二種類の瘧疾は、
その発作の時間がそれぞれ異なっているので、
その病人の症状をよく観察すれば、
どの経脈に属する瘧疾なのかを判断できる。
その発作の前、食事を取る時間ほどの時に先んじて刺鍼すると、
一回で効果が現れ、二回で顕著な改善がみられ、三回で治癒してしまう。
治癒しない場合には、舌下にある二つの脈を刺して瀉血する。
同時に項から以下の挟脊穴を刺してやれば、必ず治癒する。
舌下の二つの脈というのは、廉泉穴のことを指す。

【解説】
瘧疾の治療の大原則は、
「その発時に先んずること食頃の如きにしてこれを刺す」
ということである。
ただ一方で熱の場合、寒の場合のそれぞれの刺法があるのは、
臨機応変の豊富な経験によるものである。


足の太陽経の瘧疾は、
腰痛や頭重感が出現し、寒気が背中から起こって、
寒気の後に熱が出て、その熱は非常に盛んになる。熱が下がれば汗が出る。
このような瘧疾は治療し難いものである。
治療は委中穴を刺して出血させる。
足の少陰経の瘧疾は、
倦怠感や無力感が出現する。
寒気も熱も甚だしくなく、人に会いたがらず、人に会えば恐怖感が出る。
発熱の期間はかなり長く、汗も非常に多く出る。
治療は足の少陽経を刺す。
足の陽明経の瘧疾は、
まず寒気が出現する。
ぞくぞくして寒気はしだいに甚だしく、長びけば発熱する。熱が下がれば汗が出る。
この病人はあかりや火に当たることを喜び、
あかりを見たり火に当たれば爽快になる。
治療は足の陽明経の足背にある衝陽穴を刺す。
足の太陽経の瘧疾は、鬱々として楽しくなくなる。
よくため息をつき、食欲がなくなり、悪寒発熱が頻発して汗も多く出る。
発作のときはしばしば嘔吐が出現し、
嘔吐が止まれば病状は少し落ち着く。
治療は足の太陰経の経穴を取る。
足の少陰経の瘧疾は、
激しい嘔吐が出現する。
悪寒発熱が頻発したり、発熱がある。(治療は大渓穴を取る)
足の厥陰経の瘧疾は、
腰痛や下腹部の脹満感が出現し、
小便が出にくく、癃病(尿閉)のような症状が現れるが、癃病ではなく、
排尿回数が多くてすっきりしないものである。
心はびくびくして、気分が落ち込み、腹も甚だすっきりしない。
治療は足の厥陰経を刺す。

肺瘧は胸心に寒気を感じ、寒気が極まれば発熱し、
発熱している間は発驚しやすく、
怖いものでも見ているような様子である。
治療は手の太陰経と陽明経を刺す。
心瘧は、心中に非常な煩熱感が出現し、冷水を欲しがるが、
かえって悪寒のほうが強くて、熱は余り甚だしくない。
治療は手の少陰経を刺す。
肝瘧は、顔面がまっ青になり、ため息が現れる。
ひどいときには死んだようになる。
治療は足の厥陰経を刺して血を出す。
脾瘧は、寒気が現れ、腹が痛むようになり、
発熱に転じれば腸が鳴って、鳴り止めば、
陽気は外に達して汗が出る。
治療は足の太陰経を刺す。
腎瘧は、ぞくぞくした感じが現れ、腰や背が痛んで寝返りが困難で、
大便は出にくく、目は眩んで見えにくく、手足が冷える。
治療は足の太陽経と足の少陰経を刺す。
胃瘧は、発病すれば空腹感はあっても物を食べることができず、
食べれば脹満感が出て、腹が膨大する。
治療は足の陽明経と足の太陰経を横行する絡脈を刺して出血させる。


足太陽之瘧、令人腰痛頭重。寒従背起、先寒後熱、熇熇暍暍然。熱止汗出、難已。刺郄中出血。
足少陽之瘧、令人身体解[イ亦]。寒不甚、熱不甚。悪見人、見人心惕惕然。熱多、汗出甚。刺足少陽。
足陽明之瘧、令人先寒。洒淅洒淅、寒甚、久乃熱。熱去汗出、喜見日月光火気、乃快然。刺足陽明跗上。
足太陰之瘧、令人不楽。好大息、不嗜食、多寒熱汗出。病至則善嘔、嘔已乃衰。即取之。
足少陰之瘧、令人嘔吐甚。多寒熱、熱多寒少、欲閉戸牖而処。其病難已。
足厥陰之瘧、令人腰痛、少腹満、小便不利。如癃状、非癃也。数便、意恐惧、気不足、腹中悒悒。刺足厥陰。

肺瘧者、令人心寒。寒甚熱、熱間善驚、如有所見者。刺手太陰、陽明。
心瘧者、令人煩心甚。欲得清水、反寒多、不甚熱。刺手少陰。
肝瘧者、令人色蒼蒼然、太息。其状若死者、刺足厥陰見血。
脾瘧者、令人寒。腹中痛、熱則腸中鳴、鳴已汗出。刺足太陰。
腎瘧者、令人洒洒然。腰脊痛宛転、大便難、目眴眴然、手足寒。刺足太陽、少陰。
胃瘧者、令人且病也、善飢而不能食。食而支満腹大。刺足陽明、太陰横脈出血。

瘧発身方熱、刺跗上動脈。開其空、出其血、立寒。瘧方欲寒、刺手陽明太陰、足陽明太陰。瘧脈満大急、刺背兪。
用中鍼傍伍胠兪各一、適肥痩、出其血也。瘧脈小実急、灸脛少陰、刺指井。瘧脈満大急、刺背兪。用五胠兪、背兪各一、適行至於血也。
瘧脈緩大虚、便宜用薬、不宜用鍼。凡治瘧、先発如食頃、乃可以治。過之則失時也。諸瘧而脈不見、刺十指間出血。
血去必已、先視身之赤如小豆者、尽取之。十二瘧者、其発各不同時。察其病形、以知其何脈之病也。
先其発時如食頃而刺之、一刺則衰、二刺則知、三刺則已。不已、刺舌下両脈出血。不已、刺郄中盛経、出血。
又刺項已下挾脊者、必已。舌下両脈者、廉泉也。

刺瘧者、必先問其病之所先発者、先刺之。先頭痛及重者、先刺頭上及両額、両眉間出血。
先項背痛者、先刺之。先腰脊痛者、先刺郄中出血。先手臂痛者、先刺手少陰、陽明十指間。
先足脛痠痛者、先刺足陽明十指間出血。
風瘧、瘧発則汗出悪風。刺三陽経背兪之血者。䯒痠痛甚、按之不可、名曰胕髄病。以鑱鍼鍼絶骨出血、立已。
身体小痛、刺至陰。諸陰之井、無出血。間日一刺。瘧不渇、間日而作、刺足太陽。渇而間日作、刺足少陽、温瘧汗不出、為五十九刺。


参考文献:
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『素問ハンドブック』 医道の日本社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。

新川

6 コメント

  1. 大宰府天満宮、とっても懐かしいです。(福岡県出身なので)
    学問の神様の菅原道真公を祀ってある神社さんなので、
    受験の前には必ず参拝し、道真公のお力に縋っておりました。

    天満宮の近くで売られている「梅が枝餅」は召し上がりましたか?
    焼きたてのパリっとした食感がとてもおいしい焼餅です。
    福岡に住んでいる時は「梅が枝餅」は全国区のお菓子だと思っていましたが、
    大阪ではほとんど売られておらず、九州のローカルお菓子だと知り驚きました。

    きれいな梅の花の写真を載せて頂いているのに、食べ物の話ばかりで失礼しました。

    • かんころもち さん
      コメントありがとうございます。
      太宰府天満宮は中学以来でしたが、
      今改めて訪れると、歴史の重みのせいか
      ピリッとした空気が立ちこめていたのが印象的でした。

      「梅が枝餅」!身内へのお土産で探していましたが、
      福岡では有名なお菓子だそうですね、
      ご利益がありそうなので天満宮近くで購入しようと思ったのですが、
      予想以上に専門店があったので、
      どこがよいのか大分迷ってしまいました。

      福岡には美味しいものがたくさんあるので、
      つい食べ物の話になってしまいますね、
      今回そのことがよく分かりました(笑)

      新川

      • こんにちは
        おかげ様でコメントの送信うまくいきました。
        ありがとうございました。

        大宰府で「梅が枝餅」を召し上がるのでしたら、
        本殿の裏手にある「お石茶屋」がおススメです。
        門前町の方は賑やかですが、ここはほっこりと一休みできます。

        また、福岡でぜひ味わっていただきたい物のひとつが「やきとり」です。
        大阪で「やきとり」といえば鶏肉がメインですが、
        福岡では鶏肉・牛肉・豚肉・野菜類・魚介類など、
        とりあえず、串にさして焼いたもの「やきとり」といっている感があります。
        (かなりアバウトな括りですが)
        学生の頃、飲み会といえば必ず「やきとりやさん」でした。

        もし、福岡を再訪される際には是非、食文化も堪能してらして下さい。

        鍼灸の先生のブログなのに鍼の事にはふれず、今回もまた食べ物の事ばかりで、
        重ね重ね失礼しました。

        • かんころもち さん
          コメントありがとうございます。
          うまく送信出来てなによりです。

          「お石茶屋」さん!
          次行く時は訪ねてみたいと思います。

          「やきとり」は初耳です、
          串に刺したらなんでも「やきとり」というのが
          おもしろいですね。

          食事も美味しい土地ですが、
          なにより「親切な方」が多かったのが印象的で、
          お気に入りの街がまた一つ増えました。
          貴重な情報ありがとうございました!

  2. 新川先生、こんにちは。
    アップの梅の花可愛いですね。
    お花とか食べ物とか動物とかドアップの写真が好きです。(但し、人間以外で!)
    以前の先生の記事をみて大宰府の梅を見に行きたいな~と思ってましたが、
    福岡には行った事がないので、日帰りは大変かなと思ってやめときました。

    写真撮影を頼まれやすいとの事ですが、先生が誠実そうに見えるからでしょうね。
    デジカメを持ち逃げされたら困りますから。
    先生が撮って欲しそうな空気をすぐに察してるのではないかとも思います。

    私の場合、写真撮影のセンスがないので、撮影中の観光客とはなるべく
    目を合わさないようにします。
    (決してめんどくさいからではなく、相手のためです。笑)

    一人でいるときは「構わないでオーラ」を発している事が多いですが、
    油断してると、方向音痴なのに道を尋ねられたり、知らない人に話しかけられたりします。
    最近では、用事の時間まで時間をつぶそうと一人でカウンター席でお茶していたら、
    隣に座ってた人に突然話しかけられて、1時間くらい話してました。
    隣に人がいる事にも気付いてなかったので、飛び上がりそうなくらいびっくりしましたが
    楽しく時間がつぶせたのでよかったです。(笑

    • tatsukyonさん

      こんにちは。
      コメント頂きありがとうございます。
      大阪~福岡の日帰りは大変かもしれませんね、
      せっかく福岡に行くなら時間を気にせずに過ごしたいものです。

      tatsukyonさんのような、
      嬉しいハプニングがあると、
      人との出会いが楽しみになります。

      私自身の写真のセンスは分かりませんが、
      撮ること自体は好きなので、
      人のカメラでも納得いかなければ
      「もう一枚!」となってしまいます。

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