<近日開催予定のイベント情報>
7月28日(日)に学生向け勉強会を開催します。
詳しくはこちら→https://www.1sshindo.com/blog/zenith18717/


こんにちは、大原です。
前回の続きです。
前回は、鍼灸甲乙経の「第5 五臓の二十五変と六腑の関係」の冒頭部分と、
五臓の「心」だけをみていきました。
(前回の記事「鍼灸甲乙経を読む その7」)

今回は「心」の次の「肺」からです。
前回同様、原文で
『霊枢』と異なる表記のところは
太文字にしております。

肺小則少飲、不病喘喝。
肺大則多飮、善病胸痺逆氣。
肺高則上気喘息
肺下則賁迫臓、善脇下痛。
肺堅則不病欬上気。
肺脆則善病消癉易傷。
肺端正則和利難傷。
肺偏傾則病胸偏痛。

(肺、小なるは則ち安く、飲むことを少なくして、喘渴を病まず。
肺、大なるは則ち飲むこと多く、善く胸痺、逆氣を病む。
肺、高なるは則ち上気し、喘息し、欬逆す。
肺、下なるは則ち賁にせまり、肝臓に迫り、よく脇下を痛む。
肺、堅なるは則ち欬上気を病まず。
肺、脆なるは則ちよく消癉を病み傷れやすし。
肺、端正なるは則ち和利して傷れ難し。
肺、偏傾するときは則ち胸偏痛するなり。)

<意味>
肺が小さいときには肺気が安定し、水気の停留も少なく、
気がせかせかとあえいだり(
声がゼイゼイかすれたりするような()病となることはありません。
肺が大きいと、飲むことも多く、よく胸痺、逆氣の病にかかり易いのであります。
肺の位置が高すぎると、上気したり、あえぐような息をしたり
込み上げるような咳をするようになります。
肺の位置が低すぎると、あたかも噴門部の近くに居るような形となり
肝臓を圧迫して血脈が不通となり、脇下に痛みを起こしやすくなります。
肺が堅実であると、セキも出ず逆気の病も起こりません。
肺が脆弱の時は、よく消癉しょうたん(糖尿病に相当するといわれる)の病に苦しんだりし
肺が傷れ易いのであります。
肺の位置が端正でありますと、肺気は平和順利で、
外部に対しても傷れ難いのでありますが、
もし肺の位置が偏傾不正の場合には、胸に偏った痛みを起こすものであります。

肝小則安、無脇下之
肝大則逼胃迫咽、迫咽則苦膈中、且脇下痛。
肝高則上支賁、脇下急、為息賁。
肝下則逼胃脇下空。脇下空則易受邪。
肝堅則蔵安難傷。
肝脆則善病消癉、易傷。
肝端正則和利難傷。
肝偏傾則脇下痛。

(肝、小なるときは則ち安し、脇下の病無し。
肝、大なるときは則ち胃にせまり咽に迫る。咽に迫れば則ち膈中苦しみ、かつ脇下痛む。
肝、高きときは則ち上支し賁し、加えて脇下急し、息賁を為す。
肝、下なるは則ち胃に逼り脇下空となる。脇下空となるときは則ち邪を受けやすし。
肝、堅なるときは則ち蔵安く傷難し。
肝、脆なるときは則ち善く消癉を病みて、傷れ易し。
肝、端正なるときは則ち和利して傷れ難し。
肝、偏傾なるときは則ち脇下痛む。)

<意味>
肝が小さいときには安定し、脇下の病は起こりません。
肝が大きいと、下は胃にせまり上は咽に迫るようになり、
そのため胸膈の中が苦しくなり、かつ脇下痛むようになります。
肝の位置が高いと上につかえてふくれだしたり、さらに、
脇下が拘急し(筋肉が引きつれて凝る)、息賁そくふんを為す。
肝の位置が低すぎると、胃にせまって脇下が空となり、脇下が空となれば邪が侵入しやすくなります。
肝が堅実であると肝は安定し邪に傷害されにくいのであります。
肝が脆であるときはよく消癉を病んで、傷害され易くなります。
肝が端正でありますと肝気はよく調和して傷れにくく、
肝が偏傾していると脇下の痛みを起こしやすいのであります。

「息賁」(そくふん)という用語が出てきましたが、
これは五臓のしゃくのうち、肺の積をいいます。
難経56難に出てきます。

続きます。

星野珈琲にて
星野珈琲にて

参考文献
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍

興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。

2 コメント

  1. 初めまして。私は鍼灸の専門学校に通いたいと考えている者です。
    私は冷えのぼせが酷くドライアイ・喘息・頻尿・不眠などの症状があります。鍼灸院は定期的に通い、セルフでお灸も据えています。

    てい鍼は通販で購入出来ますし、書籍も売られていますが素人がてい鍼を扱う事についてどう思われますか?
    セルフケアができれば便利ですが・・・

    お時間のある時にご回答頂けると助かります。

    • はじめまして、meさん。
      コメントありがとうございます。

      てい鍼の扱いについての御質問ですが、
      てい鍼は刺さない鍼とはいえ、立派な鍼なので
      扱い方を間違えれば症状が悪化するリスクもあります。
      過去にてい鍼を用いて、自分の体で色々実験したことがあるのですが、
      気逆を起こしてしまい頭がのぼせてしまったことがあります…。
      我々の場合は、そういった失敗も経験になり糧になるのですが、
      meさんのセルフケアという観点からすると
      症状の悪化は避けたいと思いますので、
      扱うにしても細心の注意が必要かと思います。

      鍼の取り扱いはとても繊細なので、
      文章だけのやり取りでは限界があり
      伝えたいことも伝わらないのがもどかしいです…。
      7月28日(日)に鍼灸学生や、
      meさんのように鍼灸学校へ通いたいという一般の方向けに
      勉強会を開催する予定なのですが、
      てい鍼の扱いも含めてご相談に乗りますので、
      meさんも良かったら御参加してみませんか?

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