「凡酒は夏冬ともに、
冷飲熱飲に宜しからず。温酒をのむべし。
熱飲は気升る。冷飲は痰をあつめ、胃をそこなふ。」

貝原 益軒『養生訓』より


下野です。
今回は久しぶりの『養生訓』の記事となります。
では早速、
冒頭文を現代語訳してみましょう。

「酒は夏冬関係なく、
冷や酒も熱燗もよくない。
人肌程度の温かい酒を飲むと良い。
その理由は、
熱いものは気が昇ってしまい、
冷たい物は痰を集めてしまい胃を損なうからだ。」

文章の如く、
お酒は人肌温度が良いという理由を述べています。
『養生訓』の中で酒は
「その温かさで以て体内の陽気を助け、
また食滞が発生しないようにするためである。」
としております。
その最適温度が人肌ということです。

実際に日本酒では人肌温(35℃程度)を
『人肌燗』と言うそうで、
これは徳利で40℃に温めた酒(ぬる燗)をお猪口に注いだ温度だそうです。
これまた勉強になりましたφ(・ω・ )

では。


<参考文献>
『養生訓』 貝原守一博士校訂本
『口語 養生訓』 日本評論社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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