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こんにちは、為沢です。

今回は張景岳ちょうけいがくの『質疑録しつぎろく』の第十六章「論怪病多属痰」の其の三です。



和訓:
夫れ痰は病に非らざるなり。
人身に痰無し、痰は本身の津液なり、
に痰を指して怪と爲し以て籍口しゃくこうとなすを得んや?
王隠君おういんくんは痰病を著すといえども、見症は種種にして、
もとを推りしに過ぎず、痰の変化は測らざりし、
而して未だつて以て怪とは爲さざるなり。
其の怪病を以て多くは痰に屬すとなす者は、
まこと庸工ようこうの病能を識らずして、以てせつかくさんとすなり。悲しきかな!


・痰は病ではない。
本来 人体には痰は存在しないが、津液が停滞すれば痰は形成される。

・痰は津液が変化したものであって、
痰を怪病の本であるというのはどういうことであろうか?

・王隠君(王叔和のこと)は疾病について記述しているが
その病症は非常に多くあり、それらの病因について推論しているが
痰が変化してそれらの病症が起こるとは推論していない。
まして痰病を怪病とは述べていない。

・それなのに、世間では怪病は痰に属するという人が多いが、
それは実際には凡庸な医者が病理を知らないものであるから
己の学の稚拙さをごまかすために言っているだけである。

・本当に情けないことだ!


原文:
夫痰、非病也。
人身無痰、痰本身之津液、豈得指痰爲怪以籍口?
雖王隠君着痰病、見症種種、
亦不過推原痰之変化不測、而未嘗以爲怪也。
其以怪病而多屬之痰者、
實庸工不識病能、以藏拙也。悲夫!


参考文献:
『中国医典 質疑録』 緑書房
『格致餘論注釈』医聖社
『中国医学の歴史』 東洋学術出版社
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社
『宋本傷寒論』東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経・素問』東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経・霊枢』東洋学術出版社
『校釈 諸病源候論』緑書房
『景岳全書』台聯國風出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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