下積み修行中の本多のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


今回は胸について書いていきます。
胸は上焦に位置するので、
主に心と肺の病症として表われることが多く、
症状として、
痛み・張り・熱感・胸悶感などが表われます。
これらの症状がないか患者に問い、
病態を判断します。
胸の症状を起こす原因として
数例を記載致します。

肺陰虚では、
胸痛と共に、潮熱や盗汗・咳・痰が生じます。
虚熱により肺を犯して起こります。

②胸に痛みがあり、高熱で顔色が赤く、
呼吸が荒く、鼻がぴくぴくする場合は
※肺実熱証で、宣発・粛降が
失われたために起こります。

痰湿犯肺では、胸悶感があり
咳と白色の痰が多くでます。
脾虚により痰が生成され、痰濁が肺に停滞し、
肺の宣発・粛降作用が低下することにより
起こります。

心陽虚では
老化や慢性病などから循環機能が低下して
動悸・自汗・顔面蒼白等の症状が起こり
疲労・過労・運動により症状が悪化します。

⑤精神的なストレスにより気滞が起こり、
さらに暴飲暴食やアルコールの多飲で体内に熱を生み
心を犯して心火亢盛となる場合があります。
胸の熱感・イライラ・不眠症などの症状が出ます。

肝鬱気滞での
症状は、胸が張る・遊走性の痛みがある・太息(ためいき)が多く、
イライラしやすくなります。
思慮の過度により肝の疏泄の失調から起こります。

※肺実熱証の一つである風熱犯肺が
悪化すると風熱が津液を温め痰を生み
痰は血を停滞させ瘀血を生じさせます。
痰は瘀血と結び付き癰(よう)を形成し
肺癰(はいよう)の症状として表われます。
症状として咳・胸部の疼痛・発熱・悪寒・生臭い粘い痰が出る
等があります。
癰とは腫瘍の事をいいます。

症状の一つの胸の痛みは 胸痺(きょうひ)
と称されています。

胸痹の「痹」とは閉塞・不通という意味です。
不通則痛(通じなければすなわち痛む)
で胸の痛みが生じます。
胸痹の原因として寒邪・飲食・思慮などがあげられます。

①寒邪による胸痹
多くは、身体の陽虚により胸の陽気が不足して
陰寒の邪気が身体を侵犯し気機が阻滞することで起こります。
症状:胸部から背部への突き抜けるような痛み・胸悶・息切れ
四肢の冷え・喘息で横になれない等

②飲食による胸痹
偏食・過食・アルコールの多飲などから
脾胃を損傷して、水湿が内停し、
痰を生み胸中に停滞します。
比較的に肥満傾向の人が罹りやすい。
症状:胸悶・胸痛・多痰・喘息など

③思慮による胸痹
過度の思慮によるストレスが肝の疏泄を低下させて
気滞が生じ瘀血が内停して経絡が不通になり起こります。
症状:胸部の固定性の刺痛・夜間に痛みが悪化・動悸など

胸痹が更に悪化した状態を真心痛といい
左胸部の圧迫感・息切れ・窒息感を伴い、
ひどくなると大量の発汗・四肢の冷え・顔面蒼白
等の症状が表われます。
現代の心筋梗塞や狭心症となるものです。

肺癰(はいよう)では、
胸痛と共に体が熱く、咳や生臭い膿血痰が生じ、
熱毒が肺に蓄積されて痰と結びつく事で起こります。


参考文献:
『中医基本用語辞典』
『中医学の基礎』   東洋学術出版社
『東洋医学概論』  医道の日本社
『わかりやすい臨床中医診断学』  医歯薬出版株式会社

本多

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