<近日開催予定のイベント>
8月20日(日):第五回、鍼灸学生の為の勉強会〜【医古文・漢文の読み方No.2】〜


どうも、新川です。

数年ぶりに伊丹空港へ行ってきました。
今回は、飛行機には乗らず、
見るだけでしたが、
空港にいると関西の空気とは異なる雰囲気を感じ取れるので、
少しだけ旅行気分が味わえます(笑)

伊丹空港 展望ロッジより
伊丹空港 展望ロッジより

さて、
ここからが本題です。
今回から
「虚実」篇が始まります。


【虚実】
こちらの「虚実」、
解釈の一つとして、
味方の「実」をもって、相手の「虚」を狙うべしという意図とすると、
「実」はその戦闘における有利、優位な点、
「虚」は逆に不利・弱点といえる。

故形人而我無形、則我専而敵分。

故に人を形せしめてわれに形なければ、すなわちわれは専にして敵は分かる。

「相手の態勢は、「形」すなわち固定させ、
自軍は自由自在に変化しうる態勢で応ずるならば、味方の力は集中し、
敵の力を分散させることができる。」

ここでの「形せしむ」とは、
固定させることを指すが、
戦闘において
「固定」することは死滅を意味する。

自軍を固定させず、いかに流動させるか。
反対に
敵をいかに固定させ、能力を発揮させないようにするか。

我専為一、敵分為十、是以十攻其一也。則我衆而敵寡。
われは専にして一たり、敵は分かれて十たらば、これ十をもってその一を攻むるなり。
すなわちわれは衆にして敵は寡なり。

「自軍が一つに集中し、敵が十に分散したとすれば、十の力で一の力を相手にすることになる。
つまり味方は多数で敵は無勢、戦を有利にすすめることが出来る。」

ここで孫子は次のように綴る

寡者備人者也。衆者使人備己者也。
寡とは人に備うるものなり。衆とは人をして己れに備えしむるものなり。

「兵力の多少は絶対的なものではなく、敵味方の態勢によって変わる。
兵力が少ないということは、相手の出方が分からないために分散して備えなければならないということである。
兵力が多いということは相手にこちらの出方をさとらせず、分散して備えさせることである。」

単純に兵士の数で優劣をつけることは出来ず、
自軍と敵軍の戦力差を考えて、
配置できれば見た目の戦力差を克服することが出来る。

そのために必要なことが次の一文にある。

故知戦之地、知戦之日、則可千里而会戦。
故に戦いの地を知り、戦いの日を知れば、
すなわち千里にして会戦すべし。

「戦うべき場所、戦うべき日時をを敵より先に知っているならば、
たとえ千里の道を遠征しても敵に勝つことが出来る。」

自軍の戦力を有効化し、
敵軍の戦力は無力化する。
この篇の極意は
選択」し「集中」すること
とも言い換えられる。

次回へ続く


参考文献:
『孫子・呉子・尉繚子・六韜・三略 』 徳間書店
『孫子・呉子』 プレジデント社
『老子』 岩波文庫

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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