<近日開催予定のイベント>
9月10日(日):【第三回 一般向け東洋医学養生講座】

定員に達しましたので参加申し込みを締め切ります。
多数のご応募ありがとうございました!!


こんにちは、為沢です。

今回は張景岳ちょうけいがくの『質疑録しつぎろく』の第二章「論真中風外有六経之形症」の其の二です。


和訓:
れ傷寒の六経の症はただ足のみを傷さず、
故に一日巨陽は則ち発熱、悪寒、頭項痛、腰脊こわばるの症有り、
而して中風は有ること無きなり。
二日陽明は則ち身熱、目痛、鼻乾、眠ることを得ずの症有り、
而して中風は有ること無きなり。
三日少陽は則ち脇痛、耳聾じろう、口苦、寒熱往来して嘔くの症あり、
而して中風は有ること無きなり。此れ足三陽の見症なり。
足三陰に伝入するに至れば、四日に腹満、咽乾、自利、渇せず、
腹痛の症あり、是れ足太陰の見症なり、而して中風の有らんや。
五日は引衣踡臥いんいけんが、舌乾、口燥の症有り、是れ足少陰の見症なり、而して中風の有らんや。
六日は煩満、嚢縮の症有り、是れ足厥陰の見症なり、
是れ足厥陰の見症なり、而して中風の有らんや。


・傷寒の六経の症は足経だけを傷して手経は傷しない。

・一日巨陽では発熱、悪寒、頭項痛、腰脊の強ばりなどの証があるが、
その中には中風の病症は含まれない。

・二日陽明では身熱、目痛、鼻乾、眠れないなどの病証があるが、
中風の病証は含まれない。

・三日少陽では脇痛、耳が聞こえにくい、口が苦い、
寒熱往来して嘔気があるなどの証はどこにも含まれない。

これらが足三陽の傷寒に現れる病証である。

・足三陰へ伝入すると、
四日には腹満、咽が乾く、自利して渇せず、腹痛などの証があるが
これは足太陰の病証であって、中風の証がどこにあるというのであろうか?

・五日には衣服をまとってうづくまって臥す、
舌が乾く、口が乾燥するなどの証があるが、これは足少陰の病証であって
どこに中風の証があるというのであろうか?

・六日には煩満、嚢縮の証があるが、
これは足厥陰の証であって中風の証はどこにあるというのであろうか?

つづく…


参考文献:
『中国医典 質疑録』 緑書房
『中国医学の歴史』 東洋学術出版社
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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